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INTERVIEW

患者さんの人生を
よりよくするために

ペイシェント・セントリシティ
ストラテジー&インテグレーション
チャド・スチュワート

患者さんの声を届けるために発足

ペイシェント・セントリシティとは「患者中心」を意味する概念です。医薬品開発における開発コンセプトの立案から、治験の計画、実施、承認・申請までの過程で、患者さんの声を活かすことをペイシェント・セントリシティと定義し、2016年には製薬業界全体として取り組むべき活動として位置付けられました。その流れを受け、アステラスでも2019年にペイシェント・セントリシティ部門が発足しています。

アステラスが考えるペイシェント・セントリシティとは、患者さんの生の声に耳を傾け、それを具体的な行動や制度に落とし込んで発信するというもの。患者さんの生活の向上を第一に、治療とケアの両面からアプローチしていくことが重要です。医薬品を用いて「治療」することはできますが、それだけで患者さんの不安や疲労、悩みを「ケア」することはできません。意義あるペイシェント・セントリシティを定義し活動につなげていくためには、その両面を考える必要があります。

こういった問題に対し、アステラスでは5つの専門チームをグローバルに配置しています。患者さんとの対話を促進する仕組みを構築する「ペイシェントパートナーシップ」、研究と開発初期段階のプロジェクトチームを支援する「メディカルインテリジェンス・ペイシェントインサイト」、開発後期段階のプログラムに実践的な考察と、個別案件毎のソリューションを提案する「ペイシェントインサイト・ソリューションズ」、行動科学者と共同して、患者さん、医療従事者、介護者の行動をより深く理解する「行動科学コンソーシアム」、組織構造、能力開発、プロセスの構築を行う「ストラテジー&インテグレーション」です。

私はこの中の「ストラテジー&インテグレーション」のメンバーとして、全社員約1万5000人のマインド改革に取り組んでいます。日々の行動が患者さんのニーズに適したものか、自身の成長につながるのか、具体的に業務を発展させることができるかを、社員一人ひとりが主体的に考えられるようになることがゴール。今は部をどのように起動させていくのかを、他の部門長や医療従事者の方、患者さんとディスカッションしながら進めています。

ペイシェント・セントリシティ文化醸成に向けての試み

また社員のマインド改革に加え、世界中のアステラスの各部門と協働し、グローバルでペイシェント・セントリシティの文化を醸成する業務を担っています。患者さんや患者さんを支えている方の立場に立って考えることを社員一人ひとりが頭で理解するだけでなく、文化として根付かせることで、創薬研究や開発、供給の各段階における組織としての意思決定に自然と取り入れられるようになります。すべてのセクションとタイアップし、より患者さんにフォーカスすることを目指しており、最近では人事部ともタイアップすることで、全社員を巻き込もうと様々なことを仕掛けているところです。

その一つがアンケート調査です。ペイシェント・セントリシティが部として立ち上がる2年ほど前から、個別のアンケートで「あなたにとってペイシェント・セントリシティとはなんですか」という質問への回答をお願いしています。アンケートには5段階の回答を用意しました。 ペイシェント・セントリシティには興味がない 今すぐにペイシェント・セントリシティが必要 ペイシェント・セントリシティは大切だけれど何をしたらいいかわからない ペイシェント・セントリシティについてできることを具体的に考えている 他の部門とコラボレーションするなどして取り組みたい アンケートの目的は、最終的にアステラスの全社員の意識を5段階にまで引き上げることです。アンケートを実施することで、会社としてペイシェント・セントリシティに注力していることを認識でき、最初は興味がなかった人も少しずつ意識が変わってきているようです。

患者さんへの想いがイノベーションを生み出す

全社員が参加できるイノベーション・チャレンジ「Solve-a-Thon(ソルバソン)」の実施も、社員の意識改革につながる大きなプロジェクト。これは社員の多様な経験や知識、スキルを駆使し、患者さんを支援するためにできるアイデアを出して、プロジェクトとして立ち上げようという取り組みです。今までにアプリやデバイスの提案、疾患の啓発活動など56のアイデアが集まり、その中から4チームのアイデアが選ばれ、実際のプロジェクトとして動き出しています。

「ソルバソン」には56チーム、約150名の社員が参加しました。「患者さんに接する業務に従事していないとアイデアを出すのは難しいのでは」という声もありましたが、今回のチャレンジで集まったアイデアを見る限り、杞憂であったことが実証されました。患者さんやその家族の役に立ちたいという想いがあれば、自分の経験や業務を活かしてアイデアを出し、それを形にすることも可能なのです。このプロジェクトは定期的に開催しており、前記したアンケートで、より早く皆さんの意識を「5.他の部門とコラボレーションするなどして取り組みたい」の段階に引き上げる一助になればと考えています。

今後スタートさせる予定なのは、アステラスの社員を対象としたペイシェント・セントリシティについて学ぶ学校の開校です。課程を修了することで、現在の業務にペイシェント・セントリシティが活かされることはもちろん、例えばアステラスを退社しても、自分のキャリアとしてペイシェント・セントリシティの学びを得たことを証明できるようにしたいと考えています。

ペイシェント・セントリシティは、今後の医療業界において欠かせない考え方です。患者さんを取り巻く医療環境についての根本的な理解を深め、自分のできることを考えて行動に移すことの大切さに気づくことは、社員自身のキャリアアップにもつながると考えています。

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