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INTERVIEW

データをもとに
新たな治療法を創出する

アドバンストインフォマティクス&アナリティクス 浅井 歩

積極的な研究姿勢に共感し、入社を決意

大学入学当時は薬剤師を目指して薬学全般の勉強に取り組んでいましたが、研究室に配属されその面白さに触れてからは、薬剤学の研究に取り組んでいました。大学院修了後は、ポスドクとなり薬剤学から離れ、がんに特化した研究に邁進。がんの特徴を知るという基礎的な研究とがんの診断・治療法を開発する研究がメインでした。その後、助教になる過程で独学でデータ解析スキルを習得しました。

研究者としての進路の軸にしていたのは、これまで得た経験やスキルを疾患治療や創薬に役立てたいということ。いくつもの製薬会社を検討する中で、医薬品の研究開発力・販売力の強さはもちろん、データ駆動型の創薬を重視しているアステラスは魅力的でした。学生時代に参加していた学会においても、アステラスはとても積極的に研究成果を発表し、また外部との議論にも活発だったので、オープンマインドな会社だという印象もありました。さらに私が長きにわたり研究していた薬剤学の分野において、アステラスが大きなプレゼンスを示しているという点も大きなポイントでした。

実験・検証の繰り返しが未来につながる

現在、新たな治療法を創出するために、社内外の様々なデータを解析・活用し創薬を推進するアドバンストインフォマティクス&アナリティクスに所属し、バイオインフォマティクス解析業務を担当しています。公共データベースや社内の実験データを解析し、創薬標的や薬効予測バイオマーカーの提案などを行うのが主な業務です。領域としては、特にがんと自己免疫疾患を受けもつことが多いです。いずれの疾患も同じ疾患名でありながら発症部位や病態が異なるものが多いので、個別化医療の観点で患者間の違いを解析したり、疾患として共通している部分を標的にするために患者間の共通性を解析したりします。

疾患やくすりごとのプロジェクトがあり、そのメンバーとして業務に携わっていますが、プロジェクトごとにニーズや必要な知識・スキルが異なるので、それぞれの視点や考え方を理解しつつ、最適な解決策を模索し提案する必要があります。最も難しいと感じるのは因果関係の解釈です。バイオインフォマティクス解析では、数万種類の遺伝子の中から疾患発症の原因となる遺伝子を同定する必要があります。同じ患者さんで病気の発症前後の遺伝子データを比較することができればいいのですが、それは難しいため、病気にかかっている人とかかっていない人を比較することが多いです。しかし、両者のデータには患者特有の、あるいは疾患の発症に伴う遺伝子データの変化も含まれるため、原因と関連する複数の遺伝子の候補を絞り込むことはできても、特定するのは非常に困難です。現状では、生物学的な視点から仮説を立てて実験・検証を繰り返し行い探っていくしかないのですが、今後はデータをより活用することでその精度を高めていきたいと考えています。

データ分析はあくまで成功確率を高めるためのものであり、100%うまくいくわけではありません。そのため、自分が導き出した結果が成功へとつながった時、「自身の解析結果は正しかった」という達成感と「人の役に立つことができた」という喜びを感じることができるのは、私にとって大きなやりがいとなっています。

多方面と協力し、イノベーション創出へ挑戦

私はアステラスのもつ「多様性」を活かすことで、自身の可能性が広がっていると感じています。大学では様々な課題を解決できる研究者を目指し、薬学・医学・情報学の分野で研究を行ってきました。しかし、目の前の疑問や課題を解決するための単発的なデータ解析しか行っておらず、少人数のスタッフで成し遂げられる範囲に限界を感じていました。アステラスでは多様な専門性をもったスタッフが多様なプロジェクトに取り組んでおり、そういった方々と議論を重ねることで、今まで見えていなかった世界が広がっていきました。多くの人が使う解析プラットフォームの構築など、今まで経験したことのない業務を成功させることができたのも、そのおかげです。

これからは「分子レベルでの疾患の理解」に挑戦したいと思っています。既存の疾患分類は「どこの部位でどんな症状が出ているか」を基準に分類されていますが、科学の進歩により、同じ疾患でも全く違うメカニズム(分子レベルの動き)で発症していたり、違う疾患分類なのに実は同じメカニズムで発症していたりするものがあることが分かってきました。私はこのような体内での分子レベルでの動きに着目して、それぞれの疾患に対する理解を深め、そこから新たな治療戦略を提案できるようになりたいと思っています。

新しいチャレンジを許容する環境と、多様性に満ちた仲間の存在がアステラスの魅力です。多くの意見や経験に触れることで、新しい発想やコラボレーションが生まれています。部署内で情報共有する中で「こんなこともできるんだ。じゃあ、一緒に研究しましょう」と発展していくことも珍しくありません。これからも仲間と共にイノベーションを創出し、患者さんにより良いソリューションを届けていきたいです。

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