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製薬技術

INTRODUCTION OF
THE MANUFACTURING
DEPARTMENT

仕事の内容

製薬技術研究職は、高品質な医薬品候補品の創成のための研究部門との共同、原薬製造プロセスや製剤化に関する技術研究、環境や品質、安全性にも配慮した工業化研究、開発戦略に基づく治験開始に必要な治験薬の供給、信頼性保証との連携による承認申請取得へ向けた資料作成や工場査察への対応、営業戦略に即した製品供給のための仕組み作り、海外拠点への製造技術移転に伴う技術指導、設備設計などを実施します。
アステラスが高品質な新製品をスピーディに発売・供給していくための要の役割を担っています。エンジニアリング職は研究設備の導入や、製薬技術研究から生まれた治験薬製造施設の構築、ならびに将来の商用生産に向けた製造工場の建設を担当しています。製造技術職は、合成原薬、固形製剤、無菌注射製剤、発酵、抗体・バイオ医薬品の商用、治験生産を厳しいGMP管理下で行っています。また、よりプラントに適した製造プロセスの構築とパイロットプラントでの検証、更にその結果を生かした製造プロセスのブラッシュアップも行っています。グローバルな医薬品供給をすることで国内外からの査察経験を積み、より高いレベルの品質システムを構築して患者様に安定的に製品を供給しています。

仕事の内容
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原薬研究所

原薬研究所は「原薬」の製造プロセスを担当します。
私たちが担当するモダリティは化学合成品から発酵産物、バイオ医薬品、さらにはウイルス製剤や幹細胞から分化誘導した細胞医薬品まで多岐に渡ります。加えて、最先端のロボット技術やデジタル技術等を導入し、抗体医薬品の連続生産技術や細胞医薬品原薬製造プロセスとオペレーションの機械化・自動化研究も進めています。

合成プロセス研究

合成プロセス研究では"原薬の安定供給"を化学合成の技術を用いて実現しています。
私達の主業務は、(1)合成原薬の製法を開発する、(2)生産サイトへ技術移管し、原薬を大量製造・供給する、(3)市販製品のライフサイクルマネージメント(製造トラブル対応、欠品回避、コスト削減など)を行うことです。
原薬を安定供給するために、高品質な原薬が得られ、安全・環境に配慮し、低コストな製法を開発しています。したがって、私達は、合成技術だけでなく、分離精製、分析、生産化、化学工学、安全環境、GMP、規制要件などの複合的な技術・知識を有した専門家集団です。また、新たな技術獲得にも余念がなく、フロー合成、ファインバブル、実験研究自動化など次世代技術に興味を有するメンバーが自主的にワーキングチームに参画し、ケイパビリティの拡充にも力を注いでいます。
また、アステラスで唯一のEHS研究機能を保有しています。安全対策においては全ての合成プロセスの危険性評価を製造前に、環境対策においては社内外の生産サイトの活性汚泥処理の評価を実施しています。
海外の生産サイトへ研究員自らが出向いて現地で技術指導することや、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)をはじめとした海外当局との申請対応など、研究所内の実験検討に留まらないグローバルに活躍するフィールドも用意されています。

バイオプロセス研究

バイオプロセス研究ではバイオ医薬品の原薬を製造するためのプロセス開発を担当しています。
抗体を例に挙げると、バイオプロセス研究は細胞株開発、細胞培養プロセス開発、精製プロセス開発に分けられます。

細胞株開発

抗体生産細胞の構築は宝探しのような作業で、抗体生産性が高く、品質が良く、将来の大スケールでの培養にも耐えられる強くて安定した細胞を作り出し、見出す作業です。どのように抗体遺伝子を宿主細胞に組み込むか、ベターな候補をいち早く見出すにはどうすればよいか、経験をつみ重ねながらプラットフォームを構築してきました。いち早く患者さんに届けるため、時間との闘いでもあります。一方で間違った選択はできない責任の重みを感じながら、数千種類の候補細胞株を評価し、その後の製造を支える1つの株を選抜します。

細胞培養プロセス開発(アップストリームバイオプロセス研究)

動物細胞や微生物を用いた抗体等生体高分子生産の培養プロセス開発を担当しています。開発初期段階のサンプル供給から、安定生産を実現するためのプロセス構築、生産サイトへの技術移転、申請対応、商用品の生産支援まで、製品ライフサイクルを広くカバーしています。
培養プロセス開発の役割は、「大きなスケールでも安定な培養プロセスを開発すること」です。患者さんに安定的に薬をお届けするためには、その製造工程が再現性良く、安定的に稼働することが不可欠です。培養時の温度やpHなどのプロセスパラメータが細胞培養、生産物の品質に与える影響の理解を深め、頑健な培養プロセスの構築を行っています。また、培地培養条件の最適化による生産性向上、品質改善、コスト低減、製造で課題が発生した際のトラブルシューティングなども行っています。

精製プロセス開発(ダウンストリームバイオプロセス研究)

主に抗体等の精製プロセス開発を担っています。細胞の培養液中には多くの不純物や目的物質由来不純物/関連物質が存在します。培養液から高品質の目的物質を効率よく単離・精製するために、固液分離、カラムクロマト、膜濃縮等、最新の技術を組み合わることにより、低コストで環境にもやさしい精製プロセスを構築しています。さらに、工業化を見据えて、製造プロセスの効率化を目的とした工程の自動化研究にも取り組んでいます。

プロセスエンジニアリング

プロセス開発と実生産の間をバイオ及びケモエンジニアリング、機械化・自動化及びシミュレーション等のDx技術で繋ぐプロセスエンジニアリング研究に取り組んでいます。

主な研究テーマ

【合成プロセス研究】

・薬理活性を有する新規化合物の合成ルートの開発研究及び原薬製造時の技術対応
・商業生産を想定した製造プロセスの開発研究及び生産工場への技術移管
・原薬製造プロセス全般に関する環境及び安全技術研究
・日欧米を含む全世界への申請業務と生産サイトへの技術支援
・新規技術開発

【バイオプロセス研究】

・世界トップレベルの水準を目指したバイオ医薬品原薬製造プロセスの開発研究
・自社工場、委託製造先へのバイオ医薬品原薬の製造プロセスの技術移転
・世界各国の当局へのバイオ医薬品の臨床試験、及び、製造販売承認に関わる申請業務
・バイオ医薬品原薬の安定供給・安定生産を実現するための生産サイトの技術支援
・新規技術開発

所長から一言

山口 秀人

山口 秀人

原薬研究所は、2020年4月、多様なモダリティに対してCMC研究開発の総合力発揮を実現するため、低分子医薬品の合成プロセス開発研究を所管する合成技術研究所と抗体薬品等のバイオ医薬品の培養・精製プロセス開発研究を所管するバイオ技術研究所が統合し、設立されました。
原薬研究所が担当するモダリティは化学合成品から発酵産物、バイオ医薬品、さらにはウイルス製剤や幹細胞から分化誘導した細胞医薬品まで多岐に渡ります。薬になるものであれば、その原薬製造プロセスの開発は全て原薬研究所が担当することになります。加えてウイルスや細胞など、原薬製造技術が未成熟なモダリティでは、最先端のロボット技術やデジタル化技術等を導入し、原薬製造設備とオペレーションの機械化・自動化研究も進めています。

一つの薬が上市に至るまで10年に渡る期間が必要とされます。その間、製造プロセス開発は、研究初期段階の製造法の受け入れに始まり、対象製品と製造プロセスの科学的な深い理解、商用に耐えうる堅牢なプロセス開発、各国の薬事承認取得、そして国内、海外にある生産工場への技術移転が必要になります。同じプロセス開発であっても開発フェイズ毎に異なる挑戦があり、原薬研究所に所属する研究員は薬のものづくりにおいて、あらゆる経験を積む機会があると言えます。

アステラス製薬の原薬プロセス開発研究の特徴の一つとして「グローバル展開」があります。アステラス製薬は
「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」
ビジョンのもと、海外で科学の先端を走る企業・研究者が継続的に組織に加わっています。これまでの自社の物づくりの経験と先端科学を融合することで、これまでにないユニークな薬を一日でも早く患者さんに届けるべく、日々挑戦しています。
アステラス製薬は、チームワークを大切にしながらグローバルに活躍でき、また、ご自身の将来やinnovativeな研究領域を自ら創造して行ける情熱のある研究者を求めています。

社員Q&A

医薬品の有効成分である
"原薬"の大量合成法を
研究しています。

薬学研究科分子薬化学専攻修士了 2022年入社

寺地 穂果

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    医薬品の有効成分である"原薬"の大量合成法を研究しています。

    世界中の患者さんに医薬品を届けるためには、原薬を大量に生産できなければいけません。医薬品の品質は患者さんの健康に直結するため、高品質な原薬を安定的に供給できる製造法が必要です。また、原薬の大量生産にあたっては環境や安全に対する配慮や、安定供給するためにコスト削減を目指すことも必要です。
    私たち原薬研究所では、高品質な原薬を安定的に、安全に、より低価格に供給できる製造法の開発を行っています。ラボスケールの実験から商用品のための大スケールな製造、市販後のライフサイクルマネジメントまで、幅広い開発フェーズで原薬に関連する業務を担当しています。また、当局への申請業務や原料の入手先、製造サイトの管理など、原薬の安定供給のために必要な業務に携わることができます。
    私は開発初期の低分子医薬品を担当し、医薬品候補化合物を初めてkgスケールで化学合成するための製法を開発しています。製造した原薬は製剤化検討や臨床試験に使われるため、決められた品質とスケジュールで合成できる製法を確立する必要があります。限られた時間の中、日々、仮説を立てて実験をし、考察するサイクルを回すことで、適切なルートや反応条件を探しています。また、先輩方とディスカッションをしてヒントを得たり、文献調査をして新たな情報を入手したりして、質の高い製法へ改良できるよう、挑戦しています。大学時代は、合成できたら良いと、"目的化合物"のことだけを考えていることが多かったですが、入社してからは、化合物の"作り方"をより深く考えられるようになったと思います。
    自分達の合成した薬を待っている患者さんがいると考えると、一つひとつの仕事にやりがいを感じられる仕事です。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    大量の原薬を合成することは難しい反面、
    面白く達成感のある仕事です。

    大量合成を成し遂げるまでの過程に、面白さと難しさの両面を感じています。研究所で合成法を決める際には、様々なことを考えています。例えば、収率の高い反応条件は、毎回同じように反応が進むか、少しでも安い原料から合成するには、不純物はどの化合物でどの操作で除去・削減するか、現場の作業負荷が減らすには、などが挙げられます。このように考慮するべき項目が多く、検討の方針や選択には難しさを感じています。その分、仮説が立証できた時や、うまく行かない原因を見つけた時などに研究の面白さを実感します。
    もし自分一人で化学合成するならば、せいぜい数10gスケールが限度だと思います。安全かつ高品質に数10 kgから数100 kgスケールでの合成を行うためには、こんなにも多くの方の協力が必要なのかと驚きました。例えば、作成した製法が作業の安全上問題ないかを確認する環境安全チーム、設定した製法や試験法で原薬の品質が保証できると確認する品質保証部、製法に従って実際に原薬を製造する製造現場などと連携します。関連部署とよく連携をとり、その成果として大量の原薬合成に成功したときは大きな達成感を感じます。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    開発初期から商用品まで、
    幅広いフェーズの業務に挑戦したいです。

    視野の広いプロセスケミストになりたいと考えており、原薬の供給に関わる過程を全て経験してみたいと考えています。医薬品候補化合物を少量合成するところから、上市して安定供給を管理するまでには、有機化学だけでなく、化学工学、安全工学、申請関連の法令など様々な分野の理解が必要です。さらに、全社でチームとして円滑に働くためには自部署の前後工程への理解や配慮も必要ですし、原料メーカーや製造所が海外のことも多いので、英語でのコミュニケーションも重要です。入社2年目の今はまだまだ勉強中ですが、日々の業務の中で挑戦を続けていきたいと思います。様々なフェーズのプロジェクトに挑戦できる環境は、初期開発品から商用品までを一括に扱う原薬研究所ならではなのかと思います。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    様々なことに挑戦できて
    働きやすい職場環境が魅力です。

    働きやすい環境であることが魅力だと感じています。まず、集中して実験に取り組める環境があります。行いたい実験のための装置や試薬類、分析機器などが種類豊富に整備されています。新しい挑戦に対しても、何人かでチームを組んで取り組むことができ、必要な機器の導入などさまざまな形で支援してもらえます。また、職場の方ともコミュニケーションを取りやすい風土があります。年次などに関係なく、自分の意見や提案を発信したり、実験へのアドバイスをもらったりと、互いに助け合える環境です。雑談の中から新しいアイデアが生まれることも多々あります。ワークライフバランスの観点でも良い職場環境です。金曜日の終業時刻が早いFF Dayが導入されており、年次有給休暇も取りやすいので、定期的にリフレッシュをすることができます。男性でも育児休業取得するなど、ライフイベントに合わせた働き方をする先輩も多いです。
    社員の成長が手厚く支援されている点もこの会社の大きな魅力です。ローテーション研修として関連部署を回ることで、自部署の仕事が前後工程でどう関わっているのか、仕事に対する理解を深めることができます。同じ原薬研究所にあるバイオ医薬品を扱う部署の研修に参加した際は、バイオ医薬品への理解を深めるとともに低分子医薬品の特徴を考え直す機会となりました。特に、私たちが作成した製法で原薬を合成している製造部門との関わりは大きく、半年にわたって製造現場を経験することができます。実験室から製造現場へのスケールアップは単純に大きさが異なるだけではありません。製造現場から学べる視点は今後のプロセス開発においても重要であり、研修として経験できることを魅力に感じています。その他にも、国内外の学会への参加や学位取得の支援など、自己研鑽を応援してくれる制度が整っています。自分の目指す姿へ向けて挑戦する人が多いことは良い刺激になっており、互いに成長していける環境だと思います。

寺地 穂果の一日

8:30 出社。メールチェックや1日の予定の確認
8:30〜12:00 実験:反応の仕込みと追跡、前日からの実験の回収など
12:00〜13:00 会社の食堂で昼食。メニューの種類も多く美味しいお昼を安く食べられます。
13:00〜15:00 チームや研究委託先との会議があることも。
15:00〜15:30 会社のカフェでディスカッションがてらに休憩。日替わりメニューもあり楽しいです。
15:30〜18:00 実験内容のまとめや考察、明日の予定の確認
18:00 退社。同期や先輩とご飯に行くこともあります。

社員Q&A

抗体医薬品の細胞培養プロセスの開発に取り組んでいます。

メディカル情報生命専攻 博士了 2021年入社

下條 優

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    抗体医薬品の細胞培養プロセスの開発に
    取り組んでいます。

    私は抗体医薬品製造における、細胞培養プロセスの開発に取り組んでいます。製薬会社には、医薬品を必要とする多くの患者さんへ、高品質かつ安全性の高い製品を安定的に届ける責任があります。そのためには、臨床試験での有効性・安全性の検証とともに、高品質の製品を生産・供給する製造プロセスが求められます。抗体医薬品の場合、抗体を産生する細胞株の生産性が最大限に発揮され、かつ安定な品質を示すことができるような細胞培養プロセスの開発が必要となります。さらに、開発する製造プロセスは研究室内のラボスケールでのみ実証できれば良いわけではなく、ラボスケールの数百から千倍に近い培養槽となった場合でも同等のパフォーマンスを保証しなければなりません。そのため、私たちはプロセス開発業務と並行し、様々な技術開発のテーマにも取り組んでおり、より良い製造プロセスの開発やそのスケールアップ評価などに活かしています。
    また、製造プロセス開発業務は他社と協働で実施することもあり、製造プロセス開発に必要な実験の計画や結果の考察について議論しながら進めています。海外の企業と仕事をすることも多いため、英語でのコミュニケーション能力が必要な、グローバルな仕事に携わる機会もあります。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?

    "新しいこと"に触れることの面白さと"課題"を解決する難しさ

    この仕事をしていて面白いのは、たくさんの"新しいこと"に出会えることです。新しい抗体分子、あるいはNew modalityの製造プロセス開発、新しい技術開発、新しい機器の導入、新しい知見の吸収など、バイオ医薬品の分野には"新しいこと"が山のようにあります。しかし、"新しいこと"と出会った分と同じだけ"課題"も存在しています。どのようなプロセスが適しているのか?導入した機器を誰もが使用できるにはどうするか?など、"課題"が山のように出てきます。このような"課題"を一人で解決するのは難しいことですが、チームで議論・検証することで新たな発見に繋がり、解決に導くことができ、それがまた仕事の醍醐味になっています。私は好奇心旺盛な性格なので、このような環境があるアステラスで仕事ができることを幸運に思います。

  • Q3仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?

    確実かつ迅速なプロセス開発と挑戦的な技術開発

    医薬品のプロセス開発研究では、スケジュールを遅延させることなく、安定に原薬を生産できる製造プロセスを開発することが求められるため、仕事に対する確実性が重要になるととらえています。近年、アステラス製薬では抗体医薬品のプロセス開発の実績が増えており、プロセス開発のプラットフォームができつつあります。しかしながら、開発段階に上がってくる抗体分子にはバイスペシフィック抗体などの特殊抗体も多く、分子ごとに製造プロセスを最適化していくことも必要です。そのため、どのような分子の場合でも科学的知見と実績を活かし、確実な製造プロセスを迅速に開発できるようにしていきたいです。
    またバイオ医薬品の分野に関する新たな技術は凄まじいスピードで増えています。業界で取り残されないよう、常に新規技術にアンテナを張り、自社に活用できそうな技術を早期から評価し、価値があるものを取り入れていく必要があります。このような技術開発は、実装するまでに時間を要することもありますが、自社の技術を一段階上げることができるかもしれないという非常にやりがいのあるものだと考えていますので、積極的に挑戦していきたいです。

  • Q4アステラスで働くことの魅力を教えてください。

    風通しの良い職場風土に魅力を感じています

    若手であっても意見発信をしやすい、風通しの良い職場だと感じています。そのため、一人一人が個性や専門性を発揮しつつ、協働して業務を進めることができており、会議では若手、ベテラン関係なく活発な意見交換がなされています。
    さらに若手には学会参加など成長の機会が多く与えられていると感じます。COVID-19の影響からオンラインの参加も増えましたが、国際学会へ参加する機会も与えられており、業界の最先端の情報に触れることができます。他社の新規技術についても興味があれば年次を問わず面談やセミナー参加することができ、情報収集できます。
    また、全社的にワークライフバランスを重視しており、仕事と育児の両立を推進している点も魅力です。私が所属する部署でも育児休業を取得しやすい環境であり、男性女性問わず多くの方が育児休業を取得しています。私自身も第一子が産まれた際に育児休業を取得させていただきました。

下條 優の一日

6:00 起床。家族と一緒に身支度を整える。
7:30~8:30 出社。一日のスケジュールを確認。
8:30~9:15 所属チームでのデイリーミーティング。進捗確認と業務調整を行う。
9:15~12:00 実験。チームで協働しつつ進める。
12:00~13:00 所内食堂で昼食。午後の業務に向けて休息を取る。
13:00~16:00 会議。必要に応じて実験結果の共有やディスカッションを行う。
16:00~17:45 デスクワーク。実験計画立案、報告書作成、文献調査等を行う。
17:45~ 退社。娘を保育園へ迎えに行き、帰宅。
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物性研究所

概要

物性研究所は、高機能、適正品質の医薬品を患者さんに届けるために、医薬品の開発初期段階から市販後にわたり、物理化学、構造化学、生物学及び分析化学をベースにしたハイレベルな物性研究・分析研究によって、アステラスにおける「ものづくり」技術開発を品質面で支えています。具体的には、原薬の物理化学的、構造化学的、生物学的性質や製剤特性に関する研究に基づき、試験法の開発、品質規格の設定、安定性評価を行います。また、国内外の試験サイトや製品生産サイトの試験部門に、物性研究所が開発した試験法の技術移転をするとともに、製品のライフサイクルを通してより最適な試験法を提供し、分析技術サポートを行います。
アステラス分析部門のネットワークは、物性研究所を中心に、米州ではアステラスUSテクノロジーズInc.、欧州ではアステラスファーマヨーロッパB.V.を拠点に拡大しており、研究員はグローバルに活躍しています。

更に、世界各国での治験申請や新薬承認申請における分析・品質関連の技術資料を作成し、国内外の薬事部門と連携して承認審査に対応するとともに、承認後の変更申請対応も行います。申請対象国が拡大し、グローバルに薬事規制が強まる中、信頼性が高い、科学的根拠に基づく物性研究・分析研究を展開することにより早期承認取得を目指しています。特に、Chemometricsを応用した新規分析技術、Analytical Quality by Design (AQbD)などの新しい分析研究概念の導入やデータサイエンスの活用、バイオ医薬品についてはcell based assay, functional assayの開発、高分解能LC-MSを用いた特性解析方法の開発などに積極的に取り組んでいます。

主な研究テーマ

新規分析法の開発、新規技術の医薬品分析への応用、原薬/製剤における課題の科学的アプローチによる解決
原薬の分析研究;原薬のプロセス開発を支える物性研究、試験法開発及び規格設定、安定性評価など
製剤の分析研究;製剤処方化研究、プロセス開発や包装設計研究を支える物性研究、試験法開発及び規格設定、安定性評価など
グループ会社の試験部門やグループ外の試験受託会社、グループ内外の製品生産サイト試験部門への試験法の技術移転、分析技術メンテナンス
日米欧及びその他新興国への申請資料の作成、承認審査対応及び変更申請対応
バイオ医薬品のcell based assay, functional assayの開発、高分解能LC-MSを用いた特性解析とその手法開発、並びに、NGS等を用いたゲノム解析
Chemometricsを応用した新規分析技術, Analytical Quality by Design (AQbD)のような新しい分析研究概念, データサイエンスを応用した品質課題の原因究明手法などのCMC研究への導入・展開
RoboticsによるCMC研究と試験サイトにおける品質試験の自動化検討

所長から一言

元永 圭

元永 圭

医薬品の機能や品質は、単に最終製品の分析結果だけで表現されるものではなく、原薬及び製剤の研究開発期間を通して重要な特性を見極め、プロセスの確立や処方設計・包装設計をより高度に導く研究過程を通してつくりあげていくものです。「物性研究所」という看板には、「モノの特性を科学的に見極める」という想いを込めています。
業務の範囲は開発初期段階から製品の寿命が終わるまで。申請対象国や生産サイトのグローバル化は益々進んでいます。研究開発対象は、ウイルス、細胞、抗体、化学合成医薬品の有効成分や製剤そのものに留まらず、機能性高分子のような添加剤成分にも及び、製剤機能やデバイスの高度化に伴い多様な特性評価技術が必要になります。物性研究所は、専門分野を問わず、患者さんにとって価値のある医薬品を世の中に送り出すこと、それに自分の夢を見出したい研究者の皆様に門戸を開いてお待ちしています。

社員Q&A

低分子製剤の品質を評価するための分析法の開発や物性を理解するための研究を行っています。

医学薬学府(薬)・総合薬品科学専攻 修士了 2021年入社

岡田 ひとみ

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    高機能で高品質のくすりを、
    少しでも早く安定的に患者さんに届けるため、
    製剤の試験法開発と物性研究を行っています。

    くすりを適切に設計・製造し品質をきちんと保証することは、安心・安全なくすりを患者さんの手元に届けるうえで欠かせません。物性研究所は主に、くすり(原薬・製剤)の品質を評価するための試験法開発と、その性質を理解するための物性研究を行っています。
    その中でも私は現在、開発中の低分子製剤(くすりの種を患者さんに投与可能な医薬品としたもの)の試験法開発と物性研究を担当しています。
    試験法開発では、臨床試験を始める開発段階から試験法と規格を設定することで製剤の品質を管理します。開発の進捗に応じて管理レベルを上げ、有効性、安全性、安定供給の観点で、より高い品質へと作り上げていきます。製剤は原薬(くすりの有効成分)の単一成分ではなく添加剤を含む混合物です。添加剤や包装との反応によって生じる製剤特異的な不純物が製剤中に存在する場合や、一つの原薬から複数の含量、剤形、処方の製剤が設計されている場合があります。製剤の試験法開発では、製剤の性質に応じて試料の前処理方法や分析条件を検討し、多岐にわたる評価項目を設定することが求められます。
    物性研究では、添加剤による安定性・溶出性改善といった製剤機能の調査や、品質課題の原因究明を行っています。物性研究で得られた情報を製剤研究所へ連携し、処方やプロセスの開発・改良に繋げることにより、品質面から「ものづくり」に貢献しています。
    その他、臨床試験に供する治験薬の各国への申請資料の作成、社内外の分析サイトへの試験法技術移転・安定性試験の委託、製剤物性理解や新規技術の探索を目的とした基礎研究、などを行っています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    多種多様な知識や技術に触れ、
    身につけたスキルやノウハウを活用して
    業務を前に進めることに面白さを感じます。

    ひとつの製剤が生まれるまでには、原薬の合成・分析や製剤処方化・プロセス設計といった数々の専門領域が関わり、幅広い技術が活用されています。製剤の品質を正しく理解し評価するためには、製剤の物性分析に関する知識や機器分析技術だけではなく、他の専門領域の知識も必要です。入社以来、様々な試験法開発や物性研究を行う機会、物性分析以外の専門分野の方々との会議や研修などの機会をいただき、それらの機会を通じて日々、知識や技術の幅が広がっていると感じています。蓄積されていく知識と経験をもとに、分析対象の特性に応じた最適な分析手法を開発、提示できた際などには達成感があります。
    時には再現性が得られない、異常値が出る、といった試験法や分析上のトラブルが発生し、すぐには原因がわからず難しさを感じることもあります。そのような場面でも、先輩方とのディスカッションや他部署からの情報収集、実験検討を繰り返し、試行錯誤していく過程で新たな気づきが得られることに面白さがあります。また、解決に至った際には大きな達成感があると同時に成長を感じやりがいとなっています。
    業務を効率的・効果的に進めるためには、薬事規制(レギュレーション)に関する知識、解析のための統計・データサイエンスに関する知識、技術移転や委託を行う分析サイトのニーズ理解なども求められます。学ぶことの多い充実した研究生活であると感じると共に、得られたノウハウを生かして達成した一つ一つの業務が全て、「患者さんにくすりを届ける」ことにつながっているという事実が日々のモチベーションとなっています。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    物性分析を軸に幅広い専門性を身につけ、
    他の分野で活躍する方々と連携しながら
    業務をリードできる存在になることです。

    物性研究所の業務は、開発段階から申請・上市後まで、様々なプロセスに関与します。現在は開発初期段階の低分子固形製剤の業務に携わっていますが、今後異なるステージや分析対象の業務にチャレンジしながら経験を積み、物性分析の専門性を高めたいと考えています。先輩方のように、プロジェクトの推進を主体的にリードし、他部署の業務推進にも物性分析の観点から貢献できるような存在を目指しています。
    また、専門性を高めると共に、関連する他分野の知識・技術を広げることで、想像力や発想力、考察力に磨きをかけ、新規技術の導入や新たな解決策の提案に挑戦したいと考えています。物性分析とは異なるフィールドの業務内容への理解を深め、互いの強みを生かした効果的な連携を促進することにも貢献したいです。
    さらに、現在、他の研究機関との共同研究や学会へも積極的に参加しており、社外へ目を向ける機会もたくさんあります。今後も社内での活動にとどまらず社外活動にも継続的に参画し、ゆくゆくは物性分析を通じて製薬業界全体に貢献できる研究者になりたいという夢を抱いています。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    成長・チャレンジできる環境に
    魅力を感じています。

    会社として多様性や個性を尊重する風土があり、研究所内外には様々なバックグラウンドや専門性、キャリアを持つ方々がいらっしゃいます。グローバル製薬企業であるアステラスでは、海外の方々との関りも数多くあります。メールや会議では多様な観点から活発な議論が交わされ、グローバルな舞台で刺激を受け視野を広げることができていると感じています。また、業務に関する勉強会や報告会を通して、社員同士が互いの知識や経験、強みを共有し、高めあえる場があることも魅力です。さらに、若手社員の意見を大切に尊重してくださいます。若手のうちから重要な仕事を任せてくださり、積極的にチャレンジさせていただける環境に恵まれていると感じます。
    物性研究所では、WT(ワーキングチーム)活動という物性を深く理解するための基礎研究や、新規医薬品開発プロジェクト間での共通の課題を解決するための技術開発を行う取り組みがあります。私も複数のWT活動に参画しており、前例にとらわれず自分自身のアイデアで新規技術の開発や獲得に挑戦することができる、研究者としての成長の場があることも魅力の一つであると考えています。

岡田 ひとみの一日

6:30 起床。自宅から会社まで徒歩で約15分。
8:00~8:30 出社。メールと一日の予定を確認。
8:30~9:00 前日の実験結果を解析。
10:00~12:00 実験。隙間時間にはメール確認や書類の作成(グローバル向けに、書類の多くは英語で作成します)。
12:30~13:30 社内の食堂で昼食。
13:30~14:00 チームメンバーと実験内容や書類作成方針に関してディスカッション。
14:00~15:00 他部署との会議(海外サイトとの会議もあります)。
15:00~17:00 実験。試験記録の作成。
17:00~18:30 報告書や会議資料の作成。
18:30 翌日の予定を確認。退社(退社時刻は日によって前後します)。

社員Q&A

バイオ医薬品の品質を評価するための分析法の開発や物性を理解するための研究を行っています。

薬学研究科 医薬創成情報科学専攻 修士了 2020年入社

山根 慎太郎

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    医薬品の品質評価のための
    分析法開発や物性把握のための
    研究を行っています。

    私は主に、開発中の抗体医薬品の生物活性評価に関する分析法開発や物性研究に取り組んでいます。開発抗体と抗原との結合や、結合に伴うシグナル伝達反応といった作用機序に即した手法で開発抗体の品質を評価する分析法を開発しています。評価法としては、ELISA・フローサイトメトリー・レポーター遺伝子アッセイなど様々な手法を使用します。活性を正しくかつ安定して評価できるような分析法を目指し、作用機序の理解や試験条件の検討を実施しています。開発した分析法は製造した医薬品が目的の品質に適合することを確認する品質試験の一項目として使用されます。
    また、物性研究として、開発抗体の性質や特徴を把握する研究を実施しています。開発抗体の構造解析、ストレスによる構造変化、その構造変化と生物活性との相関等を分析し、開発抗体についての理解を深め、品質を管理する上で重要なパラメータの選別や薬事規制当局への説明等のために使用します。同じ物性研究所で取得するHPLCやマススペクトロメトリー(MS)などの構造評価情報と合わせて進めていくことになるので、幅広い知識が必要になりますが、様々なデータを駆使し、起きている現象を一つずつメカニズムから解明していくことは物性研究としてとても面白い所です。もちろん、物性を把握する上で他研究所との連携も欠かせません。原薬研究所で行っている製造プロセス研究や製剤研究所で行っている製剤処方化研究で得られる開発品の物性に関するデータは、物性研究所だけでは得られない貴重な情報です。私は、各研究所の研究過程で作製されたサンプルを分析することで、物性に関するデータを取得するとともに、分析結果を各研究所へフィードバックし、物性の観点から各研究所の研究推進に尽力しています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    頑健な分析法を開発するための過程は、
    とても難しくかつ面白い所です。

    私たち物性研究所が開発する様々な分析法は、国内外の医薬品製造工場等で長期にわたって品質試験に使われます。そのため、試験場所や試験者に依らずに一定の水準で医薬品の品質を評価できる頑健な分析法である必要があります。分析法の開発時は、操作手順・試験者・試験場所に加え、試薬のメーカーやロット・分析装置のメーカーや型番など頑健性に影響しうる要因を調査し、試験条件を最適化していきます。その中でも、細胞を使用する試験法では、僅かな培養条件の変化や継代数の違いなどで細胞の状態が変化することによって、分析結果がばらつくことがあるため、安定してデータを取得するのが非常に難しいです。その分、試行錯誤の末に分析法の特徴を理解し、頑健な試験法を完成させた時には本当に大きな達成感があります。
    物性研究所の仕事内容はとても幅広いということも魅力的な点です。物性研究所が所有する分析機器だけでも、私が現在使用しているマイクロプレートリーダーやフローサイトメーターの他にもHPLCやGCなどのクロマトグラフィーやMS、NMR、DSC、X線装置など挙げるときりがありません。私は学生時代、細胞を使用した生物活性評価を主に実施していたのですが、入社後はHPLCやMSなど初めて使用する機器を使った分析法開発なども実施しており、新しい分野を学びながら仕事を進めていくことがとても多いです。
    他にも薬事申請や国内外の試験委託先への分析法技術移転など実験業務以外の仕事もあり、常に新しい知識や技術を学びながら進めていく物性研究所の仕事は、とても面白くやりがいのある仕事だと感じます。新しい分野を学んでいくことで、医薬品開発をより深く理解できるようになるので、いつも新鮮な気持ちでとても楽しい日々を送っています。もちろん、新たな分野を学ぶ時は、専門家の先輩方が詳しく指導してくださるので、安心してチャレンジできます。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    分析の専門家として、プロジェクトの推進をリードする立場になりたいです。

    物性研究所の仕事は、前述のように分析法開発や物性研究、薬事申請など必要なスキルが多岐にわたっています。そのため日々の業務がチャレンジの連続ですが、将来的にはこの日々の積み重ねにより、様々な分野にわたって幅広いノウハウを身につけ、分析の専門家としてプロジェクトを動かしていけるようになりたいです。そして、社内の各部署との連携や国内外の製造委託会社や試験委託会社との連携、業務推進をプロジェクトの中心として担い、安心、安全な医薬品の安定供給に貢献していきたいです。今はどの分野においてもまだまだ半人前ですが、様々な種類の試験法開発や物性に関するデータ取得、薬事申請書作成などを少しずつ経験するなかで、一段ずつステップアップしていると実感しています。今後も新たなチャレンジを続け、成長し続けていきたいと思っています。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    社員の研修制度や成長支援が
    充実していることです。

    入社後から一年半の間はメンター制度があり、先輩社員と一緒に仕事を進めていきます。いつでも相談に乗ってくださるので、安心して業務を進めることが出来ます。もちろん、メンター以外の方々も優しく教えてくださる先輩方ばかりです。そして、ディスカッション時は互いに一人の研究者として対等に向き合ってくれます。
    また、アステラスは様々な分野の専門家が数多く在籍している、言わば「専門家の宝庫」なので、新しい分野にチャレンジしやすい環境だと感じます。
    物性研究所では、新しい技術や研究手法の獲得に貪欲に取り組んでおり、若手でも積極的にチャレンジする機会が与えられます。私は入社三年目から、開発プロジェクトの業務とは別に、希望制の新技術開発チームに参画し、医薬品の安全性に関わる免疫原性を評価する試験法の構築に取り組んでいます。
    他にも、社会人での博士号取得や海外留学、海外赴任など様々なチャンスがあります。会社とともに自身も成長していこうとする意志が尊重されており、上司も積極的に後押しをしてくれます。
    物性研究所ではこのような支援制度が特に充実していると感じます。私が就職活動の時に一番印象に残った言葉は、「物性研究所は人財を大切にする部署である」という言葉です。実際、物性研究所で行うような高精度な分析法の開発、広範な物性評価、薬事申請業務を大学時代から経験している人はほとんどいません。そのため、部署一体となって、「社員を育てる」ことに注力しており、研修制度や成長支援の充実に繋がっていると感じます。

    また、グローバルな舞台で成長できることにも魅力を感じます。アステラスは、国内外に研究開発拠点と生産拠点を有しています。私が現在担当しているプロジェクトも全てグローバル開発品であり、海外担当者と英語での会議をすることもあります。様々な国で薬事承認を得るため、国別の薬事規制(レギュレーション)に合わせて、薬事申請をしていきます。こうしたグローバルな舞台での業務を通して、自分の視野を広げていけることも、アステラスで働く魅力だと感じています。

山根 慎太郎の一日

7:30 起床。通勤は車で約15分。
8:30~9:00 出社。メールと一日の予定を確認。
9:00~10:00 週一の生物活性評価チーム会議(生物活性評価を主に実施しているメンバーが集まり、実験の検討状況を報告したり、他メンバーの検討内容についてディスカッションします)。
10:00~12:00 実験(細胞の継代、細胞試験開始)。
12:00~13:00 研究所内の食堂で昼食。天気の良い日は同僚と一緒に研究所の周りを散歩してリフレッシュします。
13:00~15:00 実験(FCMで測定)、実験結果の解析。
15:00~16:00 実験結果や今後の検討内容について先輩社員とディスカッション。
16:00~17:00 月一の他研究所との合同プロジェクト会議(他研究所の研究サンプルの分析結果を共有し、結果や今後の検討方針についてディスカッションします)。
17:00~18:00 進捗報告資料の作成や実験内容の報告書作成。時には文献調査も。
18:00~18:30 翌日の予定を確認し、退社(退社時刻は日によって前後します)。
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製剤研究所

概要

製剤研究所のミッションは、機能性が高く、品質に優れた新製品をタイムリーに世界中の患者さんおよび医療現場へ届けることです。これまでも卓越した製剤技術、例えば、水に溶けにくい薬物を溶かす技術、薬物の徐放化技術、あるいは薬物送達(Drug Delivery System:DDS)技術を駆使して新しい製品を生み出し患者さんのお役にたってきました。私たちの貢献は研究メンバーとともに新テーマを創出する段階から、前臨床段階、臨床開発段階、申請、生産サイトへの技術移転を経て日常生産が安定化するまでの長い範囲にわたります。すなわち製剤研究は薬物の物理化学的および生物薬剤学特性を評価する初期製剤研究や、DDSコンセプトの提案・検討に始まり、処方設計およびプロセス設計、工業化研究、包装設計研究からなる製品化研究を経て、生産サイトにおける製造ノウハウ確立まで続きます。例えば、国内外(米国、欧州など)の生産拠点とは新製品の技術移転、既存製品の工程改善・原価低減の諸活動を通じて常時協働しており、コストパフォーマンスに優れ、環境にもやさしい製造ノウハウの確立に努めています。また、従来の低分子化合物、抗体医薬に加え、最近では核酸医薬および細胞医薬等の新規治療モダリティをターゲットとした製剤化研究にも取り組んでおり、国内サイト(焼津、つくば)のみならず、海外の開発拠点(米国:シカゴ・ボストン、欧州:オランダなど)とも連携をとりながらグローバルに製剤開発研究を推進しています。
更に、製剤研究所では主力製品に対してさらに機能性を高めた新たな剤形を開発し、これら製品の価値最大化にも貢献してきました。まさに薬物がDDSを含めた優れた製剤技術にめぐり合えば、その「価値」はどんどん大きく育っていくのです。近年は処方設計AIやDxを活用した製剤技術に加えアプリ開発にも精力的に取り組んでいます。私たちはこれからもアステラスの製剤技術を限りなく高め、技術力に支えられた製品を育て、全世界に提供していきます。

医薬品開発の流れと製剤研・各研究室の業務

① 処方設計研究室

医薬品に求められる有効性と安全性を発揮するために、どの1ユニット(=1錠、1カプセル、1バイアル)も同等の品質を有し、使用者が使いやすい製剤とするためには添加剤が必要です。製剤に配合する添加剤の最適な組み合わせと最適な量を決定し(=処方決定)、最適な投与形態の製剤に仕立て上げるのが処方設計研の主な業務です。製造しやすく、使いやすく、そして安全性・有効性の高い医薬品となるかは製剤処方が大きく影響するため、責任は重いですが非常にやりがいのある仕事です。
臨床phaseによって製剤に求められる役割が異なるため、各phaseでの目標を満足する製剤処方を開発しながら薬効成分の特性を見極め処方を洗練していきます。通常、後期臨床試験までに最終処方(=将来市販する製剤の処方)を決定し、治験薬として供給します。近年では、速く効率的な製剤開発に向け、処方設計AIの開発も推進しています。
また、処方設計研究室で処方設計を進める中で製造法や製造条件の検討、さらには包装検討も行います。従い、それらの検討から得た情報がプロセス設計研における後期臨床以降の工業化(大量生産)研究や包装・デバイス研における包装設計研究の基礎情報となります。

② DDS研究室

Drug Delivery System(DDS)は、投与・服用後の体内の薬効成分の動きを制御する製剤技術です。
薬効・副作用・利便性の改善を目的に、DDS研究室では、薬効成分(低分子・抗体・タンパク質・核酸・細胞・ファージ等)を、より効率的に確実に目的部位に送達する技術を研究しています。
「DDS製品を患者さんの価値として届ける」ために、下記①②の様々な標的部位・疾患に対して、ナノ粒子・ゲル・局所投与製剤・注射・経口剤等の各種技術を調査・提案・調製・vitro/vivo評価します。
① 創薬ニーズに対して、各種分野の創薬研究者と共にDDS製剤を検討し、臨床試験に進める最適処方を創出し、特許出願します。
② 上市・開発後期の薬効成分の追加剤形として、開発・営業等のメンバーと共に、DDS技術で価値をより高める新製剤のアイデアを検討します。
茨城県つくば市と静岡県焼津市に研究室を構え、臨床試験への製剤供給に向けて、処方設計研究室やCMCリサーチとも連携しています。デバイス活用については、包装・デバイス研究室とも連携します。アメリカのAIRMと共に、Cell therapyの新技術開発も推進しています。

③ プロセス設計研究室

プロセス設計研の主な業務は、処方設計研が見出した最終処方(=将来市販する製剤の処方)を高品質・高効率・低コストを実現した製造プロセスで商用(大量)生産するためのプロセス設計研究となります。
主に後期臨床Phaseから参画し、社内外の多くの関係部門と連携しながら、国内及び海外の生産拠点への技術移転をリードします。特に重要性の高まっている無菌製剤に関しては、焼津事業場に新たな製造ラインを新設し、プロセス開発を通じて無菌製剤のケイパビリティ強化に貢献しています。
また、近年進展が著しい細胞医薬等の新規治療モダリティにおいては、その品質特性から製造再現性の確立が非常に難しいこともあり、初期臨床段階から製造ノウハウを作りこむために従来より早いタイミングで研究を開始しています。
新技術の開発も重要なミッションで、医薬品生産工場におけるビッグデータ活用を目的とした最先端のデータマイニングシステムの開発やProcess Analytical Technology等の研究を通じて、新製品の開発・安定生産に貢献しています。

④ 包装・デバイス研究室

包装・デバイス研究室では、「世界中の患者さんに寄り添った研究」を合言葉に多様化する医薬品のモダリティーに対応する包装及びデバイスの設計開発に日々精力的に取り組んでいます。適切な素材選定に基づく包装設計を行い、長期間にわたり製剤の品質を保持します。バイオマスPTPを医薬品の1次包装に世界で初めて成功するなど環境に配慮した包装技術開発を通じ環境負荷低減にも貢献しています。また、包装やデバイスは、患者さんや医療従事者が直接医薬品として触れるため、医療過誤防止や偽薬対策などによるMedical safety(医療安全)の確保、ユニバーサルデザインの適用による服薬アドヒアランスやQuality of Life(患者さんの生活の質)の向上への取組みなども行っています。近年では、医薬品と医療機器を組み合わせたコンビネーション製品の開発や、デジタル技術を活用したDTx(デジタルセラピューティクス)に用いるアプリケーション開発(医療用デバイス)、更には、ロボット活用による包装オートメーションなどの新技術開発も行っています。

主な研究テーマ

新規化合物の処方設計・プロセス設計研究、工業化研究、包装設計研究
既存製品価値最大化のための処方設計・プロセス設計研究、工業化研究、包装設計研究
有効性・安全性を改善するDrug Delivery System(DDS)の研究
高機能あるいは利便性の良い新剤形、新規製剤技術、医薬品および医療機器(デバイス)の組み合わせによるコンビネーション製品、新規包装形態の開発
抗体医薬、核酸医薬、細胞医薬等の新規治療モダリティの製剤化研究
難溶性薬物の経口吸収改善及び注射剤化
次代をリードするProcess Analytical Technologyの研究
各種製剤・製造法におけるスケールアップ研究
各種製剤・製造法の新規工業化研究(工程開発、装置開発)
工程改善、品質改善のための生産条件の最適化研究

所長から一言

小島 宏行

小島 宏行

薬理活性を有する新規化合物は製剤研究によって、患者さんに投薬できる医薬品(くすり)となります。その形は経口剤、注射剤、経皮剤、吸入剤など多種多様であり、最適な治療効果を提供するために各製剤に込められる技術もまた様々です。このため、製剤研究所には、薬学だけでなく、広く物理化学や生物学的、機械工学的な知識・背景を持った多くの研究者が集まっています。そして、その研究者たちが、処方開発、プロセス設計、包装・デバイス開発等を経て作り上げられた製剤は、世界中で患者さんの治療に使われています。また、最近では低分子や抗体のみならず、細胞やmRNA LNPの製剤化研究、さらには新規薬効成分の持つ特性を最大限に発揮させるための薬物送達システム(Drug Delivery System) や新規製剤技術開発、処方設計AIやDxを活用した製剤技術基盤開発、アプリ開発にも力を注いでおり、より付加価値の高い製剤開発を行っています。

患者・臨床・製品に最も近い研究分野の一つとして、あらゆるモダリティの製剤化研究と製品への貢献が、我々製剤研究者の誇りであり、やりがいの一つです。世界中の患者さんに1日でも早く、より「価値」の高い医薬品を届けるため、国内のみならず海外拠点(米国:シカゴ・ボストン、欧州:オランダなど)とも連携しながら日々研究に励む「製剤研究所」でともに働き、皆さんの夢を実現させてみませんか?

社員Q&A

薬理活性を有する「くすりの種」に対して、最適なDrug Delivery System(DDS)を見出し、患者さんにとっての価値を高め・届ける研究を行っています。

薬学部薬学科(6年制) 学士卒 2020年入社

増田 彩香

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    薬理活性を有する「くすりの種」に対して、最適なDrug Delivery System(DDS)を見出し、患者さんにとっての価値を高め・届ける研究を行っています。

    「くすりの種」(薬効成分、drug substance)には、低分子化合物・抗体・核酸・細胞など様々なモダリティがあります。これらを投与・服用できる「くすり」という形にするのが製剤研究です。その中でも、投与後に体内での動きを制御するのがDDSです。薬効を向上させる、副作用を低減させる、または患者さんの利便性を向上させるために、体の中で薬効を発揮させたい場所に、最適な量を、最適な時間届ける製剤を創ることが、私たちの挑戦です。

    私が所属するDDS研究室では、薬効が不十分、副作用が大きいなど、「くすりの種」がそのままの状態では製品化が難しい場合に、各モダリティや課題に応じた最適なDDS技術を調査・選択して製剤化研究を行います。適切な既存技術がない場合は、新規な製剤コンセプトを考え技術を創ります。営業などの他部門の方々から患者さんや医療従事者の声・ニーズを伺って、どのような性能をもった「くすり」が求められているかを確認します。
    プロトタイプ製剤を調製し、in vitroおよびin vivo評価などを行い、性能を確認します。これらの評価は自分達で行うこともあれば、より専門性の高いリサーチ部門に依頼することもあります。性能を高めるために検討を重ねて、良好なプロトタイプが完成した時には製剤特許を出願します。また、患者さんに安定的に価値を届けることを目指して、プロトタイプ製剤の品質を高め、安定的に製造でき、患者さんが使いやすい「くすり」に仕上げるために、処方設計研究室やCMCリサーチにバトンを引き継ぎ、添加剤の種類・量を決定した上で、治験薬として臨床試験に提供されます。その高品質な「くすり」を高効率・低コストに安定的に製造できるプロセスを完成させるために、プロセス設計研究室の研究者が検討を進め、国内・海外の生産拠点に技術移転します。長期間の保管や輸送から製剤の品質を守り、患者さんや医療従事者の方々が使いやすくするための包装を、包装・デバイス研究室の研究者が設計します。また、近年では、患者さんに安全に投与しやすくするための投与デバイスや医療用アプリの開発も進めています。

    実験や色々な専門家との連携に加えて、世界最先端のDDS情報を調査し理解することも重要な仕事です。日頃から最新の論文・特許を読むことで、各モダリティ・課題に最適なDDS技術を選定し、製剤開発を推進しています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    期待した通りに研究が進まないことは多いですが、チームメンバーと共に試行錯誤して、少しでもテーマ推進に貢献できる実験データを得た時には、患者さんに早く高い価値を届けられる嬉しさと、科学的な面白さを感じます。

    またテーマによっては、海外のメンバーと英語で議論することもあります。以前、私たちが取得したデータを元に今後の計画を提案した際、ミスコミュニケーションにより議論を円滑に進められず、合意が得られませんでした。しかしその後、追加データを取得して伝え方を工夫した結果、きちんと理解してもらい、賛同してもらえた時には達成感を感じました。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    色々な「くすりの種」の製剤化にチャレンジして、患者さんに価値を届けたい

    「くすりの種」のモダリティ毎に、解決すべき課題も、適した製剤も異なります。創薬初期段階のテーマと、上市品のLCM(ライフサイクルマネジメント)のための追加剤形では、検討内容や連携相手も異なります。今後も色々な「くすりの種」の製品化を目指して、技術調査や製剤調製にチャレンジして知識や経験を積み、製剤研究者として「患者さんの価値」に貢献していきたいと考えています。
    またプロジェクトを推進するためには、多くの分野の専門家の力が必須です。薬理・合成・薬物動態・安全性の知識、レギュレーションの理解、安定生産のための安定性・装置の観点など、製品化のためには沢山の仲間とのコミュニケーションも非常に重要です。社外のアカデミア・Start-upとの協働でも、相互理解が鍵となります。今後も先輩方に色々と教えて頂きながら視野を広げ、チームで協力しながら挑戦を続けていきたいと考えています。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    多くの方々の連携・サポートを頂きながら、自身が成長できること。

    若手のうちから主担当者として業務に携わることができ、先輩方から手厚くサポート頂きながら実務を通して成長できるのはアステラス製薬で働く魅力の1つだと感じています。また、年齢や部署に関わらず、自身の考えやアイデアを伝え合い、尊重し合う組織風土があります。私は入社2年目に初めてテーマの主担当者にアサイン頂き、テーマの進め方、連携の方法など分からないことばかりでした。その中で、先輩のアドバイスや、他部署のチームメンバーからの意見を頂きながら、自分で考え・動くことで、うまく進められることが多くなっていきました。今でも、自分で考えた選択肢の中で迷うことがあれば、すぐに先輩に相談します。忙しくても必ず時間を取って話を聴き、丁寧にアドバイスを下さる先輩方ばかりです。研究者としてはもちろんのこと、人として尊敬できる方が多いのもアステラス製薬の魅力だと思います。
    またアステラス製薬には成長支援の制度も多く、入社後1年半はメンターと呼ばれる指導係の先輩が、社会人としてのマナーや会社のルールなども教えて下さいます。学会参加、学位取得支援、海外留学など、研究者としての成長をサポートする制度も整っています。
    私も後輩に頼ってもらえるような先輩になれるよう、これからも日々、果敢に挑戦して、成長していきたいと思います。

ある一日のスケジュール

8:30~9:00 出社。メールをチェックし、一日の予定を確認します。
9:00~10:00 実験データに関してチーム内でディスカッションし、今後の方針を決定。時には英語でのディスカッションも行います。
10:00~12:00 実験を行う。隙間時間にはメールチェック。
12:00~13:00 研究所内の食堂で部署の方たちと一緒に昼食。のんびりしたり、みんなで卓球をenjoyしたり。
13:00~14:30 実験を行う。隙間時間にはメールチェック。
14:30~16:30 論文調査
16:30~17:30 データ整理や会議に向けた資料作成。
17:30~18:00 メール確認および翌日の予定確認をして、帰宅。
(日によってばらつきがあり、もっと早くに帰宅する日もあります。毎週金曜日は就業時間が8:30-15:45のため、仕事を早めに切り上げて、16:00頃から会社のテニスコートでテニスをしています。)

※所属は掲載当時のものです

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CMCリサーチ

概要

創薬技術研究所は、低分子、抗体、タンパク、核酸、ウイルス、細胞、新たにチャレンジするRx+の製品など、全てのモダリティー製品の開発初期段階の製薬技術研究業務の全般を担当し、私たちの強みであるモノづくり技術を活かして開発製品のPOC(Proof of concept)の最速取得にチャレンジしています。
創薬研究段階から開発プロジェクトに積極的に参画し、創薬研究に必要なサンプルの調製や開発候補品の物性評価等で貢献すると共に、そこで得た知見を臨床開発段階に向けたプロセス技術の開発につなげ、新薬開発のスピードアップを図っています。
担当業務の領域は、原薬・製剤の製造プロセスの開発、製剤処方設計、製品の物性/品質を評価する分析技術開発、前臨床用/初期臨床試験用サンプルの自社設備と国内外のCMOを活用した製造供給、臨床試験開始のための当局対応など多岐にわたります。
研究所は、既存の本部組織からアサインされたメンバーによって構成されていますが、それぞれの専門技術分野で培ってきた高いモノづくり技術を統合し、原薬、製剤、分析、製造、薬事対応等の広範囲の業務を一気通貫して対応することにより、これまでに経験の少なかったウイルスや細胞などのニューモダリティーの製品に対しても、効率的かつスピード感を持って推進しています。

主な業務テーマ

原薬/製剤の製造プロセス開発研究
初期臨床試験用製剤の処方設計
創薬研究段階の開発候補品の物性評価試験法の開発研究および物性評価
臨床試験用原薬/製剤の自社設備およびCMOを活用した製造供給
臨床試験用原薬/製剤の品質試験法の開発研究および品質試験評価
原薬/製剤の製造プロセス、品質試験法の国内外CMOへの技術移転
臨床試験実施のための各国当局に対するCMC薬事対応
担当するプロジェクトの推進に必要な新技術の導入・開発研究

所長から一言

坂井 敏郎

坂井 敏郎

CMCリサーチ部門は2022年4月に、初期プロジェクトの開発を加速・推進するため設立されました。新薬開発の成功確率は、必ずしも高いものでは無く、製品化に至る前の段階で、その多くの開発品は残念ながらドロップしてしまいます。従って、開発初期のプロジェクトを推進する上では、効率性とスピードを重視し、限られたリソースを最大限に有効活用しながら多くの開発品を評価し、最速でそのPOCを見極めることが重要となります。

創薬技術研究所は、一気通貫のオペレーションで最速の開発を行うために、原薬、製剤、分析、製造、薬事対応等といった製薬技術開発に関わる全ての機能を集約した、いわば小さな技術本部のような組織構成をとっています。

創薬研究の段階から、我々の強みであるモノづくりの面から積極的に関わり、開発候補品創出の研究効率を向上させると共に、製品の特性を早期に理解し、その後の臨床試験開始に向けた技術開発を加速して、プロジェクト推進のスピードアップを図っています。

また、ニューモダリティー製品の開発においては、これまでの新薬開発の経験の中で蓄積し保有する技術だけでは対応できない開発品も多くあります。そのため、多様な専門技術を有するメンバーの高いモノづくり技術を結集・融合し、また、社外専門家との共同研究等により、既存モダリティーの製品と同じく開発スピードの最速化を達成すべく日々チャレンジしています。

価値ある医薬品をいち早く患者様にお届けしたい。そのために、多様な専門領域を持った仲間たちと共に学び考え、前例にとらわれない発想で新たな道をアジャイルに切り拓いていける研究者をお待ちしています。

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エンジニアリンググループ

概要

エンジニアリンググループでは、「エンジニアリング業務」と「技術開発業務」を実施しています。どちらの業務も、環境・安全・品質・納期・コストの観点から、全体最適となるように業務を推進しています。ユーザーである、社内の各研究部門や製造工場等の担当者が要求する事項を的確に設備の仕様に反映させ、外部エンジニアリング会社や設備メーカーと協働して施設・設備を構築します。構築に際しては、社内の品質保証部門や調達部等との連携に加え、官庁との連携もあり、非常に多くの関係部門と密にコミュニケーションを取りながら、業務に取り組んでいます。

エンジニアリング業務

新棟建設や製造ラインの構築、既存棟の改装工事及び新技術の導入などを実施します。近年、施設・設備の設計から施工・設備導入、試運転、実運用、そしてリタイアメントに至るライフサイクル全体を考慮した業務計画が求められています。これらを設計段階から考慮することで、より高度な施設・設備の仕様の構築が可能となります。設計段階において、どれだけライフサイクル全体を深く考慮できていたかで、その後の運用に大きく影響を与えることになりますので、この点がエンジニアの腕の見せ所です。
プラント建設:製造プラントの設計・施工を実施します。これまで化学合成原薬工場の建設や、バッチ生産の固形製剤工場の建設などを多く実施してきましたが、最近はこれらに加え、抗体医薬や新しいモダリティの医薬品製造工場の建設も実施しています。求められる新しい規制要件をクリアーしながら、施設・設備の設計・施工を実施しています。
製造ラインの構築:新製品の製造ラインの構築や製造能力の増強等を目的として、既存の施設の未装スペースへの製造設備導入や既存ラインの改装工事を実施しています。また、設備の老朽化の際、単なる機器の更新ではなく、高機能な新技術を搭載した設備の導入も実施しています。これらの新技術導入に際しては、各研究所と協働し、技術評価実験なども実施しています。
プラント建設・製造ライン構築においては、環境にも十分配慮しています。より少ないエネルギーで製造・研究活動が実施できるよう、高効率な機器やシステムを導入し、エネルギー効率の良い施設・設備の構築に取り組んでいます。

技術開発業務

品質向上技術

製造設備技術は医薬品の品質確保・向上に対して非常に重要な役割を果たしています。
エンジニアリンググループでは医薬品の品質向上のため、種々の製造設備技術の開発・導入をおこなっています。
例えば、新薬の工業化では新薬の品質特性を満足させる設備が必要ですが、そのような設備が市場には存在しない場合があり、その場合、既存の技術を組み合わせるなどして、自社で新しく設備を開発する必要があります。 これまで、医薬品の品質は各工程でサンプルを抜き取り、工程終了後に品質試験を実施することにより保証されていますが、工程中に直接製品の品質をモニター・管理する技術の開発もその一つです。


自動化技術

自動化技術は医薬品の製造原価を低減するだけではなく、人による汚染のリスクを回避するために医薬品にとっては非常に重要な技術です。 エンジニアリンググループでは最新の制御技術やロボット・IT技術で外部機器メーカーと協働で医薬品製造ラインの自動化技術の開発・導入を行っています。
例えば、検査機の導入による検査業務の自動化、AI・ロボットの導入によるマテリアルハンドリング作業の自動化などです。


デジタル技術

製薬技術本部における研究・製造・保全などの各種業務において、「こんなことができたらいいな」というアイデアを社内で募集し、それらを実現するためのデジタル技術の調査を実施し、設備・機器と融合させることに取り組んでいます。直近では、MR(Mixed Reality)技術を現状の製造作業・分析作業等に適用し、より正確で効率的に作業を実施することを目標に検討を進めています。


主な業務テーマ

・国内外の新棟建設プロジェクト業務:商用製品・治験薬製造工場及び研究施設の新設工事
・新製造ラインの構築:新製品、新剤形に対応する製造ラインの設計・導入業務
・研究設備導入業務:研究所で使用する単体設備の新設・更新に伴う設計・導入業務
・新技術開発業務:最新技術やデジタル技術を応用した、下記のような設備・システムの開発
 応用技術開発:医薬品の品質をリアルタイムにモニター・制御する技術の開発・導入業務
 検査機開発:医薬品の各種品質を保証する検査機の開発・導入業務
 自動化技術開発:人の作業を機械で自動化する技術の開発・導入業務

グループリーダーから一言

友田 英行

友田 英行

製薬企業におけるエンジニアリングと聞いてイメージがすぐに浮かびあがる方は少ないかと思います。エンジニアリンググループの主業務は「クスリをつくる研究施設・工場を作る」ことです。しかしながら私たちが図面を描いたり、工作機械を操作したりする訳ではありません。私たちの業務は研究施設・工場、そして各種装置・システムが具備すべき機能を明文化し、それらを専門家である設備メーカーやエンジ会社に伝え、協議を重ねて要求事項を具体化していきます。通常、設備メーカーは設備を納入し、正常に動作することを確認した時点で、またエンジ会社は工場が竣工し、引渡しが完了した時点で業務完了です。我々の業務は、そこからが重要であり、やりがいがある部分です。ユーザー(研究者や工場の製造担当者)の要求通りの品質の製品が製造できているかどうか、作業性、ヒト・物の動線に問題はないか、など稼働してみて初めて確認できることが多いからです。当初意図した通りに設備が稼働し、ユーザーに喜んでもらえることは、エンジニアとして何にも代えがたい喜びです。そのためには、我々にとってのユーザーの意図をどれだけ確実にくみ取り、如何に設備要件に纏めるかが重要です。この作業は、科学の知識や経験からの知見を工学の知識に翻訳するという意味で、通訳者に例えることもできると思います。私たちは良き翻訳者を目指して、日々取り組んでいます。

エンジニアリングに求められる専門性は多岐に亘ります。建築・空調・電気・衛生・ユーティリティなどを基本に、新規技術開発では扱う製品、物質や取り扱い特性を考慮するなど設備以外の視点でも色々な専門性が求められます。そのため、多様なバックグラウンド・専門性を持ったエンジニアが所属しています。入社後は小さな設備の導入・開発から業務を開始し、次に中規模な製造ラインの構築や大型プラントの建設と、スキルにあった業務を担当します。レギュレーションの変更やニーズの変更が度々発生することもあり、年齢やキャリアなど関係なく分からないことはお互いに教え合い、共に成長することに取り組んでいます。国内の工場・研究所での業務に加え、海外工場での業務も担当しており、経験を積んでグローバルで活躍できる機会もあります。
世界の人々の健康に私たちの工学のチカラで貢献するエンジニアリンググループで一緒に仕事をしてみませんか?

社員Q&A

総合化学院 分子化学コース プロセス工学講座 修士了 2017年入社

長谷川 夏未

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    製薬技術本部の主なミッションは、
    「創薬研究部門が見つけ出した
    くすりの種を患者さんが
    服用できる形にすること」、
    「服用できる形にした薬の安定供給を実現すること」、
    「これから誕生する様々な形の治療法に対応するための技術基盤の構築」などが含まれます。

    その中でエンジニアリンググループは、薬の有効性や安全性を確認するための治験薬や薬局・病院で処方してもらうことが可能な商用の医薬品を製造するための設備導入、薬を作るための工場や研究所などの建設プロジェクト業務、医薬品の品質や製造効率向上を目的とした新規技術開発業務などを行うことで、製薬技術本部のミッション達成に貢献しています。特に昨今は、新しい治療法やニューモダリティの活用等、技術革新のスピードが加速しており、それらに相応しい設備技術の確立が求められています。幅広い専門性を持つ人同士協働しながら業務に取り組んでいます。

    私が現在携わっている主な業務は、治験用の注射製剤を製造するラインを構築する、というもので、製造設備を設計・動作検証し、導入していく業務です。設備の仕様設計の際には、社内外の方々と協働しながら業務を進めています。最近は設備の設計フェーズが進んできたため、これまでの協議内容を反映した図面を設備メーカーより受領し、さらに協議を進めています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    私は社内外の幅広い部門の人々との
    協力が必要になる点や、
    幅広い知識が必要になる点について、
    面白さと同時に難しさを感じます。

    業務で関わる方々に関しては、社外では建設会社や各種設備メーカーなど、社内では研究部門や調達部門、製造部門を含め多くの方々と協働し、仕事を進めている状況です。この中で、導入する設備の仕様などを決めていきますが、意見が衝突することや、思うように議論が進まないこともあり、調整役として難しい部分も感じます。一方で、様々な方々からの意見を受ける中で自分が思いつかないような発想や、知識に触れる機会にも出会えることから面白いと感じる機会も多いです。

    また、業務で必要な知識に関しては、一つのプロジェクトでも各種レギュレーションや、導入対象機器の仕様理解など多くの知識・経験を活かす必要があります。さらに、レギュレーションが各国で異なることに加え、導入対象も製造設備、ユーティリティ設備、システム機器があり、建物、空調、電気などの施設仕様も明確化する必要があり、検討すべき事項は多岐に亘ります。その他、製造サイトによって、原薬や製剤(経口剤・注射剤など)など、製造しているモノが異なることから、学ぶべきことは際限ないと感じます。これに立ち向かうにはパワーが必要になりますが、新しいことに触れることは面白くも感じています。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    私が今後挑みたいのは、
    これまでとは異なる形の薬や
    治療法に関する知識の習得、
    異なるフェーズでの建設プロジェクトへの参画です。

    前者に関しては、薬の製造プロセスを大きく分けると、薬の種を大量生産する原薬プロセスと、原薬を薬の形にする製剤プロセスの2つに分けることができます。私がこれまで関与した業務としては、製剤の中でも商用の錠剤を製造するプロセスや、治験用の注射薬を製造するプロセスです。これに対して、未経験の分野として細胞製剤を含めた新しいモダリティの製造施設の構築などにも挑戦したいと考えています。エンジニアリンググループでは幅広い業務に挑戦する機会があり、チャレンジしやすい環境であると言えます。
    また、建設プロジェクトでは、建設する施設のコンセプトを確定してから、基本設計を実施し、その後に詳細な施設・設備仕様を確立していくステップを踏んでいきますが、私はこれまでプロジェクトのコンセプト設計の完了後にプロジェクトにアサインされることが多かったため、今後はより早い段階から関与したいとも感じています。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    医薬品製造施設の構築を通して、
    多くの患者さんの健康に
    貢献できること、また関与する業務の
    規模の大きさを魅力に感じています。

    アステラスは、世界の人々の健康に貢献することを経営理念に掲げています。私自身が直接患者さんと触れ合う機会は殆どありませんが、自分が携わった仕事が世界中の人々の健康に繋がっていくことを考えると、貢献度の高さを感じられます。また、私が現在関わっているプロジェクトですが、同時に進行している商用薬の製造ラインと併せた予算規模として約180億円が投資されているプロジェクトであることから、費用の面からも大きなスケールの仕事に早い年代から関与できていると感じています。
    今回のプロジェクトを含め、現在働いている部署では、若手にも積極的に重要な仕事を任せてもらえるような風潮があり、成長を実感できる点に魅力を感じます。実際、現在の注射薬ラインの構築に関与する前は、富山県にある事業場に半年間長期出張し、無菌製剤の製造技術を習得する機会も得ることができました。

長谷川 夏未の一日

6:00 起床。自宅から会社まで電車を乗り継ぎ向かっています。
8:15~9:00 出社。メールチェック、前日に整理していた1日の予定の確認、追記を行う。
9:00~10:00 建設プロジェクトの一環として、現場定例会に出席。設計進捗や施工に伴う社内依頼事項、スケジュールに対する進捗状況などを社内外含めて連携。
10:00~12:00 建設プロジェクトの一環として、実施される生産分科会に参加。社内外含めた会議内にて、機器の仕様に関して社内判断が適切になされることを意識し、必要な情報の追加提供などしながら会議を進めます。
12:00~12:30 生産分科会の課題を整理し、社内合意に必要な資料をまとめます。
12:30~13:30 社内の食堂で昼食。メニューも豊富で、毎日のメニュー選びも楽しみです。
13:30~16:00 午前に続き生産分科会に参加。午前とは異なる設備に関して仕様決定を進めます。
16:00~17:15 午後の生産分科会の課題を整理し、社内合意に必要な資料をまとめます。
17:15~18:30 治験薬製造用の単体設備導入の一環として、設備仕様に関する資料とりまとめをします。今回は設備の更新なので、現状の設備を踏まえて作業者に使用しやすい設備とすることや、製品の品質の要求レベルを達成するべくポイントを押さえつつ、メーカーへの確認事項のリストアップをします。
18:30~19:00 メールチェック、翌日の予定の整理。
19:00 退社。(退社時間は業務量によって異なります。金曜日はFamily Fridayという制度があり、15:30~17:00頃帰宅することもあります。)

※所属は掲載当時のものです

社員Q&A

種子尾 将希

基礎工学研究科 機能創成専攻 生体工学領域 修士卒 2019年入社

種子尾 将希

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    最新技術(AI、XR、RFID、生体認証、ロボティクス、…など)を活用し、クスリのものづくりを高質化・効率化する検討を主に行っています。

    私は入社以降、主に技術開発業務に従事しており、製薬技術に携わる複数の部門の方々と協働で最新技術をクスリのものづくりに適用できないかの検討を進めています。ここでいうクスリのものづくりは医薬品の製造はもちろんのこと保全業務や技術伝承、在庫管理、入退室管理、ラボにおける研究業務など製薬技術に関わるあらゆる業務を含みます。製薬業界は人の命に関わる製品を提供することから安全性が多分に求められること、それゆえにクスリのものづくりを行う中で守るべきルールが厳格に定められていることなどが起因して他業界よりも新規技術の活用が遅れていると言われることがよくあります。そういった制限がある中で、いち早く新規技術の有効性を検証し、可能な範囲で導入へと進めていくスピード感と柔軟性が強く求められていると感じています。
    私が現在携わっている具体的な業務の例としては、AI予知保全システムの検証というものがあります。これはAIを活用して設備の異常予兆を事前に検知するというもので、設備で蓄積したデータをもとにデータ学習を行い、過去に発生した異常を予兆することができたかどうかを検証しています。設備の突発トラブルを無くし、クスリの安定供給という形で患者さんの価値に貢献することを意識しながら進めています。その他、定期的に展示会に参加するなど新規技術情報の収集も行っています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    社内外含め幅広い部門の方々との協働が必要になる点、業務の中での自由度が高い点について面白さと同時に難しさを感じます。

    業務を進める中で、社内では研究部門や製造部門、調達部門など、社外では新規技術を保有する各メーカーやコンサル、代理店など非常に多種多様な分野・部門の方々と協働しています。特に新規技術を保有するメーカーの方々と打合せをする際は、お互いが当たり前のこととして捉えていることがもう一方にとってはそうではないこともあり、認識のズレからくる難しさを感じることがよくあります。一方で新たな分野の方々と打合せを行う度に新たな学びがあり、面白さを感じるとともに自身の成長を実感する場面も多いです。

    また技術開発は業務の自由度が高く、検証項目の設定や最終的な検証のゴールを自身で設定しなければなりません。技術を導入する上で明らかにしておくべき検証項目を洗い出し、限られた予算の中で実現可能な検証のゴールを設定する、ある程度の裁量をもって業務に取り組むことができるのは面白さを感じる反面、PJ期初に設定する内容が肝要であり難しさも感じています。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    私が今後チャレンジしてみたいことは建設プロジェクトへの参画です。

    私は入社以降、私自身が希望していたこともあり、主には技術開発業務にずっと従事してきました。エンジニアリング案件としては開発要素のない機器導入や改修PJの基本設計業務までしか担当したことがなく、実際に建屋を建てたり改修工事を行ったりといった経験がありません。そのため、今後は施工段階におけるエンジニアリング業務の経験を積んでみたいと感じています。というのも、技術開発業務を進めるなかでもやはりエンジニアリングの知識や経験が必要となることは多く、どちらか一方ではなく両方の経験が必要と感じているためです。特に、新棟の立ち上げは目に見えて無から有を作り出すため、正しく”ものづくり”といえるものかと思います。機会があれば新棟立ち上げのPJにも参画したいと感じています。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    成長を実感できる場面が多々あることです。

    私が現在所属している部署では若手にも積極的に重要な仕事を任せてもらえる風潮があります。2年目には治験薬棟の一部の区画の改修計画・基本設計について主担当として経験を積み、3年目には複数部門と協働で進める新規技術開発について複数の案件の主担当を経験しました。どちらも業務を進める上で困ったことがあれば相談できる先輩・上司の方がついてくれましたが基本的には自身でスケジュール管理や実施項目の整理をはじめとするPJマネジメントを行ったため、様々な経験を積むことができ成長を強く実感できました。また、全社的にチャレンジを受け入れる風土があるのもアステラスの魅力だと思います。

種子尾 将希の一日

7:00 起床。通勤は車で30分。
8:30~9:00 出社。メールと一日の予定を確認する。
9:00~10:00 技術開発案件を共に進める社内の担当者と打合せ。
10:00~12:00 技術開発における検証項目の検討や資料作成など。
12:00~13:00 昼食
13:00~15:00 社外のメーカーや代理店と打合せ
15:00~16:00 技術開発案件を進める上で連携すべき部門の方々と打合せ
16:00~18:30 資料作成
18:30~19:00 メールチェック、翌日の予定の整理
19:00 退社。(退社時間はその時々の業務量によって変化します。金曜日はFamily Fridayという制度があり16:00ごろに退社することもあります。)

※所属は掲載当時のものです

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センターの紹介 (富山技術センター)

概要

富山技術センターは、アステラス製薬のバイオ製品の商用生産機能の拠点として、従来の工場機能に技術研究機能を付加し、名称を富山技術センターとしています。承認後の商用生産を担うとともに、商用製品の製造工程改良や、開発段階後期のプロセス開発、スケールアップ、及び臨床試験用原薬を製造しています。そして、その活動を通して、将来に亘る安定な製品供給を担う技術者の育成もまた、重要な役割です。

センター長から一言

長尾 康次

長尾 康次

富山県の医薬品産業は、江戸時代から300年以上の歴史を有する伝統産業であり、現在、県内には約80社の医薬品メーカーと100以上の製造所を有しています。

このような薬都富山の地に、富山技術センターは、天然物から新たな生理活性物質を探索し、発酵技術を活かし生み出された免疫抑制剤「プログラフ」の原薬生産工場として1992年に操業を開始いたしました。その後、プログラグカプセル、顆粒、軟膏製剤・包装へと生産活動展開しました。加えて、2001年より抗真菌薬「ミカファンギン」原薬の製造も開始しております。これらの医薬品は、アイルランドのケリー工場および高岡工場との協同により、グローバル製品として世界各国の患者さんに届けられています。

2019年にアメリカ食品医薬品局(FDA)より、画期的治療薬の認定を受けた抗体-薬物複合体の医薬品であるPADCEVの製造承認を受け、グローバルに向けた抗体医薬の商用製造をスタートしています。さらに、PADCEVに続く抗体医薬であるZolbetuximabもグローバルの承認申請段階にあり、その商用製造に対応するために、4階建て延べ面積8000m²の抗体原薬製造施設を新たに建設し、2021年3月に稼働しています。

富山事業所は、発酵技術からスタートした培養・精製・分析・品質管理・GMP・エンジニアリング・環境管理というそれぞれの要素技術・ナレッジを基盤に、抗体原薬製造のフィールドへ事業を展開してきました。今後、既存の製品群とnew modality製造を担うアステラスのバイオ原薬製造サイトとして、さらなる進化を続けて参ります。

私たちは、移植、感染症、ガンという患者さんの生命に密接に関わる医薬品の製造を担っています。このため、いかなる状況においても安定生産、安定供給を継続することが使命と考え、最新の技術と最高のチームワークで、単に医薬品を製造すること留まらず、将来に亘って安定に医薬品を製造供給する仕組みを創るという視点で、日々業務に取り組んでおります。同時に、働く仲間の安全、健康を第一に、一人ひとりが成長・達成感・やりがいを感じられる組織を目指しています。

富山技術センターでは、様々な指向性とバックグラウンドを持ったエネルギーに満ち溢れた仲間を求めています。あなたの夢や将来を我々と共に描いてみませんか。

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働く社員 (富山技術センター)

社員Q&A

技術開発セクション培養技術課 バックグラウンド:応用動物科学専攻 2019年入社

向後 智明

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    私が所属する技術開発セクションでは、抗体医薬品の安定供給と実製造スケールでの製造手順検討・改善を行っており、現在は、FDAからブレークスルーセラピー(画期的新薬)に指定されているPADCEVの中間製品と、第III相臨床試験段階のゾルベツキシマブ原薬の2製品を扱っています。 入社1年目にはPADCEVのFDA査察がありました。新規医薬品が上市され患者さんに届けられる関門となる機会に立ち合い、1年目ながら社会的責任の大きさを実感するとともに、日々の業務の先には患者さんが待っていることを肌で感じることができました。その後、入社3年目までに、新規抗体原薬製造施設の立ち上げ、新施設へのゾルベツキシマブの導入、引き続きPADCEV増産に伴うスケールアップなど、多様な業務に携わり、抗体製造のノウハウや製造設備に関する理解を深めてきました。 入社4年目となる現在、抗体製造に必要なスキルやナレッジも増え、薬を待っている世界中の患者さんに高品質な薬を安定して届けるための安定生産に貢献している実感をもっています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    難題に直面して、これまでに実績のなかった方策で課題をクリアした時に面白さや達成感を感じます。世界的なCOVID-19の流行により、医薬品製造を取り巻く環境も激変し、多くの課題が発生しました。その課題の1つに取り組んだ結果、新たな方策を取り入れたことで、COVID-19による課題を解決しました。その上、従来よりもコストを抑えた最善な仕組みを導入することができました。 課題解決の過程では、自部門のみならず普段は関わりが少ない他部署や社外との連携が欠かせず、立場が異なる方々と1つのゴールに向かって取り組むことの難しさも感じました。しかし、その取り組みが形になった瞬間、喜びが溢れてきたことを今でも鮮明に覚えています。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    私はこれまでPADCEV中間体の安定生産、ゾルベツキシマブ原薬の商用製造プロセス開発で身に付けたスキル、ナレッジをもとに、今後は細胞治療などの新たなモダリティの商用製造プロセスの開発や堅牢化を行い、バイオ医薬品のプロフェッショナルとして活躍していきたいです。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    アステラスで働くことの大きな魅力は、人です。1つの医薬品を患者さんに届けるまでには、研究部門、開発部門、製造部門、営業部門など想像以上に多くの人が携わります。より早く患者さんに薬を届けるには、いろいろな人との協働が欠かせません。私は会社説明会で担当してくださった先輩が生き生きと職場紹介したその雰囲気に共感し、アステラスで働きたいと思い志望しました。実際に入社してみると、その直感は間違っていませんでした。先述の課題解決時も、他部署の皆さんの協力があったことはもちろんですが、私の成長を促しながらも、適切な距離感で必要に応じて軌道修正していただいた上司にとても感謝しています。

向後 智明の一日

8:00-9:00 ラジオ体操。朝礼で、その日の作業の流れや役割分担、前日までの作業状況を共有。
9:00-12:30 製造作業。
12:30-13:30 ビュッフェ形式の食堂で昼食。季節限定のご当地メニューもあります!
13:30-15:00 製造作業を継続。作業の後片付け。
15:00-16:30 デスクワーク。製造で使用した記録類の確認、手順書等の文書作成。
16:30-17:00 翌日の製造作業で使用する文書や備品類の準備、作業の流れを確認し帰宅。

※所属は掲載当時のものです

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働く場所 (富山技術センター)

私が働く場所を紹介します!

高木 翔平
技術開発セクション 精製技術課

私の所属する精製技術課では、新規開発品の治験薬製造から上市、さらにその後の安定生産までの役割を担っています。研究から商用段階へスケールアップする際は、製造に適した設備・機器の運転パラメータを検討、決定します。また、原材料の安定的な供給体制をサプライヤーとともに構築することも重要なミッションです。上市に向けては、薬事申請に必要なデータを取得するなど、新薬承認に向けての様々な対応を行います。中でも現在担当しているバイオ医薬品は、画期的な新薬に指定され、極めて短い期間での上市準備が必要でした。大変さはありましたが、「新薬をいち早く患者さんに届ける」という目標に貢献できたことが大変嬉しく、やりがいのある仕事だと改めて感じました。また新薬の上市後の安定生産も大切な業務であり、より堅牢で効率的な製造体制構築のため、継続的なKAIZEN活動を行っています。

ロケーションのご紹介

富山県には四季折々の美味しいものがたくさんあります。春はホタルイカ、白エビ、夏は岩がき、秋は梨、冬は寒ブリなど、季節毎のグルメを楽しめるところが魅力のひとつです。事業場のある富山市内は、飲食店や商業施設も充実しており、とても住みやすい街だと感じています。少し足を伸ばせば、海、山、川などの自然があり、アウトドア好きの方にはたまらない環境です。
冬には、市内でも多少雪が積もりますが、対策グッズが充実しているので心配することはありません。山間部での豊富な雪は、私達にきれいな水をもたらし、美しい自然環境やウィンタースポーツの楽しみなど、素晴らしい恩恵をもたらしてくれています。

富山の中心街
黒部ダム
仲間とのスノーボード

事業場のご紹介

富山駅から岩瀬浜を結ぶ路面電車「ライトレール」の駅からほど近い富山技術センター。約400人が勤務し、バイオ医薬品および発酵由来原薬・製剤の製造、そして製造に関わる品質管理、品質保証を行っています。厚生棟の屋根は、八尾市の郷土芸能「風の盆」で踊り手がかぶる「おわら笠」を模した特徴的な形となっており、晴れた日には窓から立山連峰の雄姿を望むことができます。お昼はメニューが豊富なカフェテリア形式の食堂でランチ、終業後は体育館で気の合う仲間同士とスポーツで汗を流すなど、仕事の合間の息抜きも充実しています。

富山技術センター全景
窓から見える立山連峰
桜並木
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センターの紹介 (高岡工場)

概要

高岡工場は注射剤の製造に特化した工場です。
注射剤を製造するために必要なケイパビリティを有し、その展開拠点として、時代に合わせて進化し続けています。
各国規制当局の要求が厳しくなる中で、常にその一歩先を行く形で品質管理の高質化を図り、特に注射剤の製造に不可欠な無菌管理技術や異物管理技術の深化を追求してきました。
長年培った技術を背景に、商用医薬品を世界50カ国以上にお届けしながら、新製品の生産立ち上げにも注力しています。
また、2018年には治験用注射剤の製造も開始し、アステラスの新薬開発を支えることになりました。
本業の注射剤生産以外にも、無菌管理を必要とする研究所などに技術協力を行い、さらに急速に需要が増すこの分野の技術者養成の研修拠点としても機能しています。

工場長から一言

土肥 優史

土肥 優史

有効な治療方法がなかった難病などへの新しい治療薬として、バイオ技術を駆使した多様な薬剤の研究開発が進む時代が到来しました。
多くは高分子やさらに高次元の細胞などであり、それゆえ様々な投与形態が想定されますが、今も昔も変わらないのは、医薬品は安全に体内に届くべきものであるということです。
バイオ医薬品の多くは注射剤であり、その製造には製品が菌に汚染されないための無菌管理技術が必須となります。しかしながら、これらの中には薬物本体のサイズが大きすぎて無菌ろ過に難渋するような薬剤があり、その種の製品をどう無菌保証するかという課題の解決も無菌管理の使命になっています。また、注射剤は異物発生の抑制にも留意しなければなりません。
私たちは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献するため、常により高度な無菌管理を目指し挑戦しています。
高岡工場、そしてアステラスが培ってきた無菌管理技術に皆さんの多彩な専門性を乗せて、新たな時代を切り拓いていきましょう。

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働く社員 (高岡工場)

社員Q&A

田村 めぐみ

注射剤の生産に必要な無菌管理を日々強化し、
治験薬の製造や新薬の生産立ち上げを行っています。

製剤(無菌)製造技術職 薬学部薬学科修了 2019年入社

田村 めぐみ

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    注射剤の生産に必要な無菌管理を日々強化し、治験薬の製造や新薬の生産立ち上げを行っています。

    私は工場の治験薬部門に所属していますが新製品の生産立ち上げプロジェクトにも参画しています。

    もうすぐ入社して丸2年になろうとしていますが、最近は、新薬の生産立ち上げプロジェクトにおいて、新製品の生産に必要な各種資材の滅菌検討を行っています。例えば、ゴム栓の滅菌条件を決定するため、まずは従来と同じ運転プログラムで滅菌できるかを検証したり、滅菌前後でゴム栓の品質に変化はないかを検証したりする業務です。新薬の立ち上げは今後何年と続く生産の基礎となるので、たとえ結果が許容値内であってもそもそも既存のプロセスや工程管理値が妥当であったかなど、より根本的かつ広い視点での考察が必要となります。また、一度手順を確立してしまうとその後変更するのは難しいため、検討段階でできるだけ課題を洗い出し改善を提案することも一つの仕事です。

    日々厳しくなっていく各国の規制要件に適合していくことも大切です。例えば、最近はデータインテグリティに対する規制(データの改ざんや偽装を防ぐために設けられた規制)が厳しくなっていますが、機器を更新すれば容易に規制に適合できる場合でも、全ての機器を最新のものにするのは現実的ではありません。よって、ハード(機器)でカバーできない分をいかにソフト(運用)で補うか、さらに、現場の負担を最小限にするにはどうしたらいいかといったことを考えなくてはなりません。それには、GMPに関する知識と作業者としての視点の両方が必要となります。現在は先輩に助言をいただきながら、無菌環境を保証するデータ収集システムの運用方法確立に取り組んでいます。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    無菌管理の全体像を紐解いているとき

    無菌製剤は文字通り菌が"0個"の製剤です。しかし、菌は目に見えないうえにどこにでもいるため、これを毎日当たり前に達成することは簡単なことではありません。高岡工場は日々数万本もの無菌製剤を製造していますが、これらのうちどの1本をとっても菌はひとつも存在しないということを保証し続けるために、たくさんの人が長い時間をかけてノウハウを積み上げてきました。

    現在開発品の中心である抗体や細胞の場合、加熱などのストレスを加えるとタンパクが変性して薬効が失われてしまうのでこのような方法で滅菌することができません。では実際に製品の無菌性をどう保証するのかというと、製造の全段階にわたり厳格な無菌管理を施しています。すなわち、製造現場の環境管理からろ過前の薬液に直接触れる器具・配管の清浄度まで、プロセス一つ一つを徹底的に管理しています(工程管理)。また、個々の設備の性能が適格であることを定期的に検証しています(バリデーション)。出来上がった製品が無菌かどうかを外から確かめる手段がないので、このように全プロセスにわたって切れ目なく無菌管理していくしかないのです。

    これらのノウハウは大学の講義のように確立されたものがあるわけではなく、様々な学問と技術そして創意工夫の組み合わせよって達成されます。入社した当時はこれらが複雑に絡み合った糸のように思えましたが、少しずつ紐をほどき本質となる知識が得られたとき、そしてそれを体系化して理解できたときに無菌管理の面白さを感じます。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    世界に通用する無菌管理技術者として、
    新工場の立ち上げに参画したい。

    今、開発品の中心は抗体や細胞をはじめとするバイオ医薬品であり、これらの薬剤を世に送り出すための無菌管理技術を備えた工場が必要になります。新工場の立ち上げ時は、高岡工場の仕組みをただコピーするのではなく、製造する品目固有の課題や最新の規制動向に照らして、よりよいものを構築することが求められます。このような業務を担えるようになるには、ただ日々の作業をこなすだけではなく工程管理値の設定根拠やガイドラインとの整合性、あるいは作業を行う理由や必要性といったことも常に考えておかなければなりません。今は勉強の日々ですが、いつか無菌管理の第一人者として場所を問わず活躍できるようになりたいです。

    また、英語ができれば海外サイトへの技術移管や査察対応、最新の規制要件をキャッチアップするなど、将来活躍の場が広がります。幸いにも高岡工場では積極的にグローバル化を意識した取り組みを行っています。毎日昼休みに有志が集って英語ディスカッションを行ったり、海外工場と月1回情報交換会を行ったり、食堂に英字新聞を置いたりと、日常的に楽しく英語に触れることのできる環境づくりをしています。そのような環境を最大限利用し、英語を日本語のように操りながら業務で高い成果を出せるようになることを目指しています。

    バイオ医薬品の開発が急速に増えていることを背景に社内における無菌管理技術者のニーズはとても高いと感じており、少し欲張ったチャレンジでも先輩や上司が背中を押してくれます。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    ワクワクするような魅力的な新薬を
    患者さんに届けられる、そこに貢献できる。

    アステラスは日本を代表する新薬メーカーであり、新薬にこだわり続ける姿勢はアステラスの大きな魅力の一つです。入社して驚いたことの一つが、一つの薬ができるまでにいかに多くの人が関わっているかということです。最近まで研修にいらしていた製剤研究所やエンジニアの方、1年目に参加させていただいた製剤フォーラムや分析フォーラムでお会いした方々など、様々なフィールドから集った優秀な研究者が英知を結集させて新しい薬を作り上げる。それだけでも並大抵のことではありません。しかし、これらは無菌管理技術なしでは決して患者さんのもとへは届けることはできません。私の仕事はまさにそこを通す仕事であり、自分たちが作った薬が患者さんの明日を変えるかもしれないということを、常に肌で感じられる仕事です。

    治験薬を担当していると私自身の胸が躍るような魅力的な新薬が目白押しでやってきます。これらを待っている患者さんがいる。そこに貢献できる、それがアステラスで働くことの魅力です。

田村 めぐみの一日

7:00 起床。自宅から会社まで車で10分。
8:00~8:05 出社。更衣。
8:05~8:30 朝礼。ラジオ体操。メールチェック。
8:30~11:00 滅菌条件の検討実験。
11:00~12:00 昨日の検討実験の結果を先輩とディスカッション。
12:00~13:00 食堂で昼食後、有志の仲間たちと英語の勉強会(ディベート)に参加。
13:00~14:30 滅菌条件の検討実験(続き)。合間にメールチェック。
14:30~16:00 報告書や資料の作成。
16:00~17:00 会議。海外工場とリモート会議をすることも。
17:00~18:00 明日の検討実験の準備や会議議事録の作成。
18:00~ 退社(時間は日によって前後します。フレックス制度を利用して早く退社することも。)週末は料理をしたり洋書を読んだりしています。

※所属は掲載当時のものです

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働く場所 (高岡工場)

私が働く場所を紹介します!

太田 成美
製造技術セクション 技術開発課

富山といえば「くすりの都」。地元でものづくりにかかわる仕事をするならくすりに関する業界で働きたいと考え、アステラス製薬に入社しました。現在は治験薬の製造部門に所属し、製造における滅菌工程のオペレーター、検査・包装のラインリーダーを務めています。治験薬は商用品と異なり、プロジェクトによって使用する原薬や添加剤、容被材料が異なり製造条件も違うため、製造方法の事前検討や、製造方法・条件を記した文書の作成、原材料や容被材料の情報収集などが必要です。納期どおりに治験薬を供給するため、多岐にわたるプロセスを漏れなく遂行していくのは大変な面もありますが、主体的に工場内外の関係者と連携しながら取り組み、スキルアップしていけることは大きなやりがいになっています。

ロケーションのご紹介

400年余りの歴史をもつ高岡には、歴史的建造物や伝統工芸・祭礼が数多く残っています。たとえば毎年工場の近くで開催される七夕祭りは、高岡の夏の風物詩。七夕飾りで華やかに彩られた街を歩きながら、仕事帰りに屋台飯を楽しんでいます。また市内の西側は山間地域、北東側は富山湾が広がる自然豊かな場所で、景勝地も豊富。富山湾越しに立山連峰を望む「雨晴海岸」にはカメラを片手に集まる人も多く、近くのカフェで日本海を眺めながら一息つくのが私のお気に入りです。

戸出七夕まつり
古城公園
雨晴海岸

事業場のご紹介

高岡工場は、1975年に抗生物質のカプセル剤、細粒剤の経口製剤の製造拠点として操業を開始しました。現在は、注射製剤の無菌製剤・包装の製造を行っています。工場の外周には桜の木がたくさん植えられ、満開の時期は本当にきれいです。また見晴らしのいい場所に位置しているので、天気がいい日には、食堂の大きな窓越しに立山連峰を見ながらランチを楽しむことができます。多くの方はマイカー通勤ですが、最寄りの「戸出駅」からも徒歩15分と通いやすい立地です。

高岡工場全景
食堂
治験薬製造エリア
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センターの紹介 (高萩技術センター)

高萩技術センターは、茨城県の北東部に位置する高萩市に、医療用医薬品の原薬工場として1974年に操業を開始しました。その後、合成技術研究所および開発原薬製造施設の高萩への移転により、治験用原薬の製造と併行して製造法や試験法の開発が開始され、これまでに、ガスター、ペルジピン、ハルナール、ボノテオ、ベシケア、イリボー、ベタニスなど多くの新製品の生産立ち上げを行ってきました。
高萩技術センターはアステラスグループの合成リードの拠点として、創薬技術研究所、原薬研究所、物性研究所と密に連携し、患者さんが待ち望む新薬を一日も早く届けられるように、また高品質の医薬品がグローバルに届くように、強い使命感を持って常に技術力の向上に努めています。

センター長から一言

笠原 信夫

高萩技術センターは1974年に操業を開始し、30品目以上の商用原薬を供給するとともに、開発段階にある数多くの治験用原薬の供給を行ってきました。アステラスの合成原薬の拠点として、研究所との緊密な連携のもと、新薬候補品のプロセス・試験法開発、新製品の円滑な立ち上げとその安定供給、アイルランドのグループ工場をはじめとした他サイトへの技術移転などの一翼を担っています。また、抗がん剤などの高薬理活性物質を大量合成する封じ込め設備も完備し、患者さんが待ち望む新薬を一日も早く届けられるよう多種多様な化合物の合成にチャレンジしています。

高萩市は海と山に囲まれた茨城県の北部に位置しています。豊かな自然環境のなか、従業員一人ひとりが常に患者さんのためを考え、技術力の向上とオペレーションの高質化に取り組んでいます。価値ある医薬品を、高い品質で、安定的に、そして自然環境と調和をしながら患者さんに届け続けていきます。

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働く社員 (高萩技術センター)

社員Q&A

太田 泰雅

治験原薬製造のプロセス開発及び医薬品原薬製造の効率化・
トラブルシューティングに関する業務を担い、原薬製造の安定供給と
価値最大化に取り組んでいます。

創薬科学専攻 修士了 2014年入社

太田 泰雅

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    治験原薬の製造プロセス開発・改良及び
    有効性検証、原薬供給に取り組んでいます。

    高萩技術センターは化学合成を軸とした原薬製造機能の拠点であり、化学合成原薬の安定供給に貢献する役割を担っています。その中で我々製造技術第1課は、創薬技術研究所・原薬研究所などとの協働のもと、新たな医薬品をJust in timeかつ継続的に必要とする人のもとに届けるため、まず必要となる治験原薬の製造プロセス開発と、そのプロセスの有効性検証の場としてパイロットプラントを用いた検証、更に得られた治験原薬の毒性評価・臨床試験への供給を行っています。
    近年では、医薬品開発の加速化に伴い、その効率化を達成するべく、各研究所と我々技術者が密に連携し、プロセスを構築していく機会が増えてきました。一方、開発初期段階の治験原薬製造では、物理化学及び生理活性に関する情報が明らかになっていないことが多く、製造時に初めて確認されるような現象が起こることも少なくありません。こういったトラブルを未然に防ぐため、予兆出来ない課題に対し、化学工学や設備工学的なアプローチに基づく使用設備に合わせた検証、作業性を考慮した検証の実施など、プロセス開発では多角的な視点から事前に様々なデータを取得しておくことが重要です。更に製造時に得られた知見も含め、これらの情報のフィードバックを各研究所及び製造担当者に行うことで、効率的な製造プロセス開発に貢献することができます。その結果、全ての製造操作に対する環境面の配慮、作業の安全対策、品質保持、コスト削減が実現しこれらが全てその薬を待つ患者さんへの早期且つ安定的な供給に繋がります。
    この様に製造技術第1課の仕事は、様々な知識・技術を駆使して大きな価値を生み出せる非常にやりがいのある仕事だと実感しています。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    課題解決のための検証を実施し、品質面や
    作業効率などの改善に取り組むことに、
    面白さを感じています。

    特に治験原薬製造では、スケールアップの実績が少なく、十分にデータが存在しないことも多く、事前検証により、課題となる操作をピックアップし、効果的な対策を講じていくことが大切です。このような改善のための取り組みがプロセスの安定化や効率化に貢献できた時に、非常に達成感を感じることができます。必ずしも想定した通りに物事が進むわけではない点は難しいところではありますが、常に試行錯誤しながら解決に向かっていくところに、この仕事の面白さを感じています。また、治験原薬製造は、自部門だけではなく、各研究所も含む数多くの関連部門が関与しています。バックグラウンドの異なる多種多様な人たちが自身の経験や知識、技術を共有し、協力して課題解決に取り組んでいることも、この仕事の魅力だと思っています。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    化学合成を軸とした原薬製造に関連する能力を
    さらに強化していきたいと考えています。

    Q1でも触れたように、近年は各研究所と製造拠点の関係がより密接なものになってきています。これに付随して、生産に携わる人間であっても、製造側からの視点以外に、研究側の視点も持ち合わせることの重要性が増してきています。製造プロセスに組み込まれた操作の意味を考え、理解することで、より効果的な手法を考案・構築することができます。一つの視点からだけではなく、環境・安全・品質・納期・コストのすべてにおいて、妥協することなく、製造プロセスを作り上げていくことに貢献できる人材こそが目指すべき姿ではないかと考えています。また、原薬製造に関する能力強化には、新しい技術を獲得することも不可欠です。低分子原薬製造以外の化学合成を軸としたものに関しても、技術の獲得を目指し、自身の可能性を広げていくことにも今後挑戦していきたいと思っています。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    新しいことに積極的に挑戦できる環境が
    整っていることが魅力です。

    医薬品業界を取り巻く環境や世間のニーズは日々変化していますが、患者さんに価値あるものを届け続けるアステラスの使命は変わりません。
    アステラスでは、患者さんの心身の健康に貢献することを目的に医薬品はもちろん、近年、医薬品以外(Rx+)にも取り組みを拡張してきています。このように、会社として、柔軟に新しい領域の開拓に挑戦しており、個人としても挑戦するための選択肢が幅広く存在することになります。自身の持つ能力を活かす、或いは、自身の可能性を広げるために、必要なことを考え、様々な分野に挑戦できる環境に身を置けることは、アステラスで働くうえで非常に魅力的なことだと思います。

太田 泰雅の一日

7:00 起床(自宅から会社まで、車で約10分)
8:15~8:20 メール、当日の予定確認
8:20~8:30 ラジオ体操、朝礼
8:30~12:00 実験準備~実施、書類作成、会議(日によって変動)
12:00~13:00 昼食(食堂)、昼休憩
13:00~16:30 実験続き、書類作成、会議(日によって変動)
16:30~17:15 片付け、翌日の準備
17:15 退社(業務内容によって変動)

※所属は掲載当時のものです

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働く場所 (高萩技術センター)

私が働く場所を紹介します!

河中 宏樹
品質管理セクション 品質管理第1課

私が所属する品質管理第1課では、治験原薬製造に関わるあらゆる試験を実施しています。治験原薬製造は商用原薬製造と比較して製造実績が少ないため、トラブルも珍しくありません。予想される事象を検証し改善策を盛り込むことで、実際の製造でも問題なく試験が遂行できるように取り組んでいます。治験原薬をjust in timeで供給するためには、堅牢性のある試験法の確立が必要です。対象物質を調査し、最適な分析機器や試験条件を検討するといった、原料試験法の開発なども行っています。必ずしも想定どおりに物事が進まない点はこの仕事の難しいところですが、多くの部門と連携し、常に試行錯誤しながら協力して課題解決に向かっていくことが面白いと感じています。また、製造過程で取得したデータは各研究所へフィードバックし、効率的な製造プロセス開発にも貢献しています。

ロケーションのご紹介

江戸時代に松岡城が築かれ、その城下町として発展した高萩市。松岡城跡は桜の名所で、お屋敷通りは城下町の風情が感じられるスポットです。明治時代には常磐線が開通し石炭産業のまちとして発展しましたが、現在は工業団地への企業進出により、産業都市としての発展を続けています。高萩市の魅力は、自然が豊かで、海では海水浴、サーフィン、釣りなど、山ではゴルフや湖カヌーなどのアクティビティを楽しめるところ。花貫渓谷、国営ひたち海浜公園、はぎビレッジは特におすすめのスポットです。四季折々の雄大な自然の中で、スポーツやキャンプ、グルメを楽しんでみてはいかがでしょうか?

松岡城跡の桜
花貫渓谷
国営ひたち海浜公園

事業場のご紹介

高萩駅から4kmの場所に、東京ドーム約3個分という広大な敷地を有する高萩技術センター。海に面した小高い場所にあるため、見渡す限りのオーシャンビューが広がっています。しかも敷地に隣接して「古墳」があるという、ちょっと変わった魅力も。主要な業務として化学合成を軸とした原薬製造を行い、化学合成原薬の安定供給になくてはならない拠点となっています。製造だけでなく、ラボでの実験検討、品質試験・品質保証、環境安全衛生、事業場運営など多岐にわたる業務があり、それぞれの部署が協力し合うことで医薬品の安定供給を支えています。ほかの事業場と比べ人数は少なめですが、その分連携が取りやすく、クラブ活動などの交流も盛んです。

高萩技術センター全景
TCT棟
カフェ
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センターの紹介 (焼津技術センター)

焼津技術センターは固形製剤の主力工場です。2022年度には注射剤の生産施設も立ち上がり、開発が進められているバイオ医薬品の製造も開始されます。今まで製剤研究との密接な連携により、多数の新製品を市場に出荷してきました。製剤技術並びに製造機械の開発改善に総力を上げて取り組み、高品質な製品の製造と自動化によるコストダウンを図ってきています。

センター長から一言

箱守 正志

焼津技術センターは、アステラスグループ内の製剤の基幹工場としての役割を果たしてきました。2023年に創業55周年を迎え、これまでに100種類以上の製品を生産し、世界中の患者さんの元へ医薬品を提供してきました。
また商用製品の生産だけではなく、開発段階の治験薬の製造も担っており、事業場内にある製剤研究所、物性研究所と密に連携しながら開発製剤をより早く、より深く理解することによって、少しでも早く患者さんに届けるための開発スピード向上にも貢献しています。
焼津事業場にはコンテイメント機能を備えた治験薬、生産ラインも完備しており、抗がん剤などの高薬理活性化合物の開発、製品化も担っており、様々な製剤の製品化実績を積んでいます。
さらに、2022年度には注射剤の生産施設も立ち上がり、昨今盛んに開発が進められているバイオ医薬品の製造も開始される予定です。
世界中の規制当局の求める品質レベルは高まっており、その品質を維持向上させ得るクオリティカルチャーの醸成が求められています。焼津技術センターではグローバルに医薬品を開発することで海外からの査察経験を積み、より高いレベルの品質システムを構築しながら、さらなるクオリティカルチャーの醸成に努めています。
焼津市は気候が穏やかで暮らしやすい地域です。この住みやすい土地から医薬品を提供し続けるために、地域住民との共生、地域貢献あるいは環境問題などにも積極的に取り組んできました。焼津技術センターは、半世紀以上にわたる新製品開発で培った製品化統合力をさらに進化させ、今後も高い品質の製品を安定的に患者さんに届け続けていきます。

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働く社員 (焼津技術センター)

社員Q&A

前田 良枝

生物資源科学科 修士了 2018年入社

前田 良枝

  • Q1現在の仕事内容はどのようなものですか?

    迅速に確実な試験を実施し、
    正確なデータによって品質を保証することで、
    安心安全な薬の安定供給に貢献しています。

    焼津技術センターの品質管理部門には、医薬品/治験薬の原材料(原薬・添加剤・包装資材)、微生物、製剤の品質試験を担当する部署があります。
    私は主に原薬の試験を担当しており、高速液体クロマトグラフやガスクロマトグラフ、赤外分光光度計やその他の分析機器を用いて、有効成分の定性や定量、不純物の確認等の評価を行い、医薬品を製造するために定められた規格に適合していることを正確なデータによって保証しています。製造スケジュールに影響を与えないよう、正確かつ迅速に試験を完了させることで高品質な医薬品の安定供給に貢献しています。
    また、課をまたいだ組織で運営される異物分析チームにも参画しています。分析対象は医薬品/治験薬、原材料/製剤の全てに及びます。原材料から発見した異物、製造過程で発生した異物、医療現場からの苦情品(割れた錠剤の分析)等、様々です。患者さんの命に関わる医薬品に異物の混入は許されません。安心・安全な医薬品を患者さんへ届け続けるために、迅速な分析を行い、混入原因を特定し、製造部門やその他の関係部署と連携することで、異物混入リスクの低減に努めています。異物分析チームの活動は、原材料以外についても学べる場であり、自身の知識の幅や視野を広げることに繋がり、成長を感じられる日々を過ごすことができています。
    この仕事を始めて感じていることは、"気づき"がとても大切だということです。
    試験で得られた結果がたとえ基準値内であっても、普段と違うところがあればそこに気づき、なぜそうなったのか様々な視点をもって考察する必要があります。異物分析では、特定された元素からどこに異物混入リスクがあるのか気づく・推定することが重要です。私たちは日々気づきと考察を繰り返し、必要な改善策を講じることで、より高いレベルの品質管理へと繋げています。
    どの業務も責任は重大です。より高いレベルの品質管理を目指し、緊張感と責任感をもって業務に取り組んでいます。自分の仕事がアステラスの薬つくりに役立っているという実感があるので、とてもやりがいがあります。

  • Q2どんな時に仕事の面白さや
    難しさを感じますか?

    新規原薬の分析技術の習得にチャレンジしているときです。

    焼津技術センターでは、私の入社以来、毎年のように新製品の立ち上げがあり、私はこれまで複数の新規原薬の品質試験に携わってきました。焼津技術センターにとって新しい原薬の品質試験を実施するためには、ノウハウを持った研究所や海外の原薬製造サイト等から、分析技術を習得する「分析技術移転」が必要になります。初めての試験法での試験はスムーズに進まないことやわからないことが多いです。問題点や不明点を解決するために、経験豊富な先輩方に相談したり、研究所の方々と密な連携をとりながら、今後円滑に試験を遂行していくために必要な情報を集めています。1つ1つの問題点を解決していく過程は、試験法や分析装置についての知識を深めることができるため、難しさの中にも面白さを感じています。また、GMPを遵守した品質試験を安定稼働させるためには、その場しのぎの案で解決することは望ましくありません。今後、どの試験者がいつ/どんな状況で試験をしても同じ精度でミスなく試験を実施できるような試験環境を整えるための仕組みを確立することも重要です。試験法や装置についての知識や技術だけでなく、試験者目線のヒラメキや柔軟な発想力が求められるところにも、日々難しさを感じますが、その分面白いと感じています。

  • Q3仕事において、今後チャレンジ
    してみたいことは何ですか?

    抗体医薬品やバイオ医薬品など、
    新しい分野の分析にも挑戦してみたいです。

    焼津技術センターはこれまで、固形製剤(低分子医薬品)を中心に医薬品を製造してきましたが、今後は抗体医薬品の製造も開始する予定です。今回幸運にも抗体医薬品の分析技術移転業務に携わることになりました。抗体医薬品は、低分子医薬品とは全く異なる性状/物性であり、今まで経験したことがない新しい装置を使用する試験があるため、これまで低分子医薬品の分析で培ってきた知識や技術だけではわからないことが山ほどあります。そのわからないことを1つでも減らすために、抗体医薬品の知識、各種分析の技術や装置の知識を身に着けていきたいです。また、各国の規制に関する知識を深め、GMPを遵守したより高いレベルの品質管理を行うための仕組みづくりにも貢献していきたいと考えています。将来的には低分子医薬品、抗体医薬品にとどまらず、新しいバイオ医薬品の分析にもチャレンジし、多種多様な薬の分析技術と知識をもつ分析者を目指していきたいです。

  • Q4アステラスで働くことの
    魅力を教えてください。

    薬を待っている世界中の患者さんに
    貢献し続けることができるところが
    最大の魅力だと感じています。

    アステラスは新薬の開発に挑戦し続けている会社です。今強みとしている分野の薬だけではなく、ウイルスや細胞といった先端・最新の薬の研究開発に力を入れています。そのため、製造サイトで働きながらも、今後も様々な新しい薬に関わり続けることができると考えており、最大の魅力に感じています。
    品質管理の仕事は新薬を生み出すことはできませんが、最高品質の薬をいち早く患者さんへ届けるために必要不可欠です。薬の品質を正確なデータによって保証することで、安心安全な薬を世界中の患者さんに届け続けることができる、やりがいのある仕事だと思っています。
    また、アステラスには、研究/メディカル&ディベロップメント/製薬技術/エンジニアリング/製造/営業など、多くの部署があり、薬の研究開発から製造、販売まで行っています。社内に様々な部署があることで、薬の安定供給に向けて迅速で密な連携をとることができるところも、アステラスの魅力だと考えています。私が所属している焼津技術センターは、工場と製剤研究所・物性研究所が同じサイト内にあるため、部署の垣根を越えたコミュニケーションが可能です。様々な目線で意見を出し合い、密な連携をとることで、治験薬の製造や新製品の迅速な立ち上げ、既存製品の安定供給に繋げています。

前田 良枝の一日

8:15 出社、メールチェック、ラジオ体操
8:25 チームミーティング、教育訓練
8:40 前日の分析データの確認
9:00 試験orサンプリング
12:00 昼食
13:00 試験の続き(合間に文書作成) or会議
16:00 当日の分析データ確認・まとめ、片づけ
17:00 翌日の試験準備・予定確認
17:15 帰宅

※所属は掲載当時のものです

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働く場所 (焼津技術センター)

私が働く場所を紹介します!

千田 一慶
製造技術第3セクション 技術開発課

グローバルに展開する企業で働きたいと考え、アステラス製薬に入社。自分たちがつくりあげた製品を直接患者さんに届けることができる点に魅力を感じ、製造関連の職種を志望しました。入社1年目には商用の医薬品製造部、2年目に治験薬製造部門へ異動になり、そこで5年ほど治験段階ならではの業務を経験した後、技術開発課へ配属されました。現在担当している業務は、品質や生産に関わるデータの取得、製品の品質向上や課題解決のための検討業務、焼津技術センターで製造する製品をほかの工場でも製造できるようにする技術移転業務など、技術職として幅広く生産関連の業務をこなしています。新たな試みや技術の適用、最新の規制対応、グローバルな関わりなど、変化に富みチャレンジングな環境で働けることにやりがいを感じています。

ロケーションのご紹介

焼津の魅力は何といってもグルメ。うなぎ、桜えび、金目鯛、マグロ、カツオなど、新鮮な海の幸を中心としたおいしいものが豊富です。徳川家康ゆかりの地や、旧東海道関連のスポットなど歴史を感じる名所が多い焼津市は、真冬でも雪が降らず、温暖な気候で住みやすい場所。海と山に囲まれレジャースポットが多く、登山、キャンプ、ツーリング、釣りなどのアクティビティを豊かな自然の中で楽しめます。また新幹線の駅や高速道路にアクセスしやすいだけでなく、近くには富士山静岡空港があり、遠方へのおでかけにも便利なエリアです。 焼津技術センター 全景

事業場のご紹介

焼津技術センターは最寄りの西焼津駅から徒歩圏内にあり、通勤しやすい市街地に位置しています。固形製剤や注射製剤などの研究開発・生産・品質管理を担い、数多くの新製品を世界へ送り出してきました。スタッフはパートナー会社も含め約800人が在籍していますが、穏やかな人が多い印象です。新人からベテランまで、それぞれの個性を活かし活躍しています。広大な敷地には新しい社屋も多く建ち並び、テニス場やグラウンドを併設。食堂では通常のメニュー以外にもイベントメニューが提供されることもあり、どれもとてもおいしいですよ。正面玄関の桜並木は、私のお気に入りスポットのひとつです。

焼津技術センター 外観
外観の夜景
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