アステラス製薬

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新薬ができるまで

5年、10年先を見て、
スーグラの価値を最大化していく

プロダクトマネージャーは、発売前から特許が切れるまで、くすりの一生をずっと見守り育てていく責任と役割を負っています。ではそのために何を考え、どのように行動していくのか。家中氏は常にドクターとその先にいる患者さんのことを考え、適正使用を図っていくことで、くすりの価値の最大化を目指しています。緻密な戦略立案、新しい施策への挑戦など、日々の奮闘について語ってもらいました。

戦略を立案し、他部署と連携して展開していく

スーグラは糖を尿中に排泄させることで血糖を低下させる働きをするSGLT2 阻害薬という分類のくすりです。まったく新しい作用機序を持つ糖尿病治療薬として、開発段階から大きな注目を浴びていました。私がプロダクトマネージャーに任命されたのは、スーグラがまだ臨床開発中だった2012年10月のことです。

最初に取り組んだことは、戦略の立案。①ポジショニングの確立、②情報創造、③適正使用の推進、④日本の糖尿病治療をリードしている先生方との意見交換の4 点がポイントでした。海外を含むあらゆる文献に目を通したうえで、糖尿病の臨床の最前線にいるドクターへのヒアリングを行い、スーグラの可能性を分析、そこから糖尿病治療の中でどのようなポジションを得ることができるのかを検討しました。

家中 英雄の写真スーグラは2013年3月に承認申請、2014年1月に承認、同年4月に薬価基準収載、発売となりました。承認後はスーグラが適している患者さん、適していない患者さん像を明確にし、適正使用を推進しています。安全に使用していただいて初めて、「低血糖が少なく血糖を低下させ、体重も減らす」というスーグラの特長を最大限に活かすことができるからです。日本の糖尿病治療をリードしている先生方との意見交換をしながら助言をいただいています。こうした活動を推進していくためには、他部署との緊密な連携が欠かせません。営業部門内はもとより、研究、技術、開発、品質保証、薬事などあらゆる部門とミーティングを持ち、意見交換をしています。

前例に拘らず挑戦したこと

スーグラのポジショニングを明確にするために、アステラスでは前例に拘らず、新しいことに挑戦しました。

その一つは、全MR がスーグラの情報提供を展開することでした。アステラスでは、通常、MRは領域別の2チームに分かれていて、一つのくすりを扱うのは片方のチームだけです。しかしスーグラは適正使用を推進するために、あえて全MRの投入にこだわりました。

情報創造も非常に重要だと考え、ドクターからの要望に応えて、ラットやマウスでの実験に使う原末(製剤化する前の結晶や粉末)を承認前から提供。これも慣例を破るものでした。

市販直後調査でも、通常は6カ月の調査終了後データを結果を公表すればよいのですが、私たちはあえて毎月調査結果を中間報告として公表し、副作用に関する情報を丁寧に説明することにしました。これは異例の取り組みでしたが、適正使用を推進したいという強い思いから、あえて実行に踏み切ったものです。

自分の立案した戦略が会社全体を動かす醍醐味

プロダクトマネージャーは、くすりのオーナーのような立場で、特許切れまでくすりの価値の最大化を図ります。5年後、10年後を見据えて戦略を立て、それを1年ごとの計画に落とし込み施策を展開していきます。今後はライフサイクルマネジメントの視点からスーグラを見つめ、適応症の拡大などを視野に入れて活動していくことになるでしょう。

スーグラの場合、ピーク時には年間500 億円の売上を見込んでいます。ファーストインクラスの大型薬剤ですから会社からの期待も大きく、大変なプレッシャーを感じていますが、自分の立案した戦略が会社全体を動かしていくことに、なにものにも代え難い醍醐味を感じています。

MR の仕事

私は新人の頃、MRをしていました。当時、糖尿病治療薬の一つであるスターシスというくすりが発売され、その営業に奔走していたことがあります。今回、その時に大変お世話になったドクターにアドバイスを求めることになりました。ドクターも久しぶりの再会を喜んでくれ、フレンドリーにさまざまな助言をしてくれました。一期一会という言葉の重みを改めて感じた次第です。くすりの営業は患者さんのためにあるものです。自戒を込めて思うことですが、私たちは人に対しても仕事に対しても謙虚でなければなりません。営業的な責任を負う立場ではありますが、営業的成果を追いかけるのではなく、有効性と安全性をバランスよく伝え、結果、より適切な患者さんにくすりが処方され、治療に貢献することを目指したい。営業的成果はその結果として付いてくるものだと思っています。

※所属は掲載当時のものです