アステラス製薬

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新薬ができるまで

高品質のくすりを作り、
適正に使用していただくために

信頼性保証は、製薬企業にとって重要な役割です。くすりの製造過程における品質マネジメントを徹底する一方、くすりの使用時における安全管理も手厚くカバーしています。スーグラのプロジェクトには、前者の役割を担う品質保証部と後者の役割を担うファーマコヴィジランス(PV)部から、それぞれ担当者が加わりました。優れた品質のくすりを作り、適正に使用してもらうためのアステラスならではの取り組みについて、二人から紹介してもらいます。

開発段階から販売終了までを保証する

――お二人の役割について教えてください。

  1. 佐藤

    品質保証部は、アステラスブランドで販売する医薬品の品質を管理・保証するために、品質ポリシーを定め、マニュアル、ガイドライン、SOP(操作手順書)等を整備し、工場への監査によりその遵守状況を確認する部門です。開発段階から製品終了までのライフサイクルにおいて、一貫した品質のリスク管理、顧客視点からの品質改善を推進しています。スーグラのプロジェクトについて、私は2007年の臨床開発の初期段階から参加しています。

  2. 石田

    部署名となっているファーマコヴィジランスは「医薬品の」という意味の「ファーマコ」と「監視」を意味する「ヴィジランス」という言葉に由来しています。医薬品を安全に使用していただくための安全管理を担う仕事です。有害事象・副作用に関する情報を収集し、必要に応じて当局に報告したり、添付文書に反映させたりして、医薬品の適正使用を推進しています。佐藤さんたちと同じく、私たちの活動もスーグラが販売終了となるまでずっと続きます。スーグラのプロジェクトについて、私は2014年の販売開始時から担当となりました。

  3. 佐藤

    信頼性保証というカテゴリーに属していますが、私たちの部署は「医薬品そのもの」を対象としているのに対し、石田さんの部署は「医薬品の使い方」に焦点が当たっています。石田さんはたまたま市販後に担当となりましたが、ファーマコヴィジランス部としては、開発段階から関与していますよね。

  4. 石田

    ええ、私は開発段階の担当ではありませんでしたが、承認申請後は開発段階の担当者と連携していました。現在は、部内の体制が変更され、開発段階から市販後まで同一担当者が担当することになっています。開発段階では前臨床試験であってもファーマコヴィジランス部に問い合わせが来ることもありますし、逆に市販されている現在でも、前臨床試験で副作用に関するデータが得られれば、その情報も集めています。

議論の末、早いタイミングでの情報公開に踏み切ることを決断

――スーグラのプロジェクトにおいて、とくに努力したことは何かありましたか。

  1. 佐藤

    良い薬剤を早く患者さんに届けるために、臨床開発では効率的な業務遂行が求められました。1ロットあたり100ページ超もある書類が3ロット分届けられて、その日のうちにチェックして修正版を提出する、といったハードスケジュールをこなした日もありました。

  2. 石田

    それは大変でしたね。開発段階に関しては、私は横から眺めていただけですが、確かにチャレンジングなスケジュールだったようです。でも、最終的に2番手で申請できて、結果的に2番手の会社とはわずか2日の差だったわけですから、佐藤さんの頑張りも大事なポイントの一つだったのだと思います。

  3. 佐藤

    ありがとうございます。でも、石田さんはいま忙しいのではないですか。

  4. 石田

    はい。新製品については市販直後調査が義務づけられていて、6カ月間副作用に関する情報を収集し、その結果を公表しなければなりません。副作用の情報は一般に、ある程度の数の患者さんが使用しないと傾向が見えてきません。ところが、営業部門及び医療従事者からの強い要望で、市販後1 カ月の時点で早くも情報を公開することになりました。

  5. 佐藤

    すんなりそう決まったのですか。

  6. 石田

    いえ、アステラスとして現行の安全性情報の公表方針というものがありますから、営業部門とずいぶん議論しましたし、部署内でも議論しました。その結果、特別にスーグラに関しては、くすりとの因果関係がはっきりしないものも含めて、有害事象があれば積極的に公表していこうという結論になったのです。

  7. 佐藤

    ドクターからの要望もあったのでしょうか。

  8. 石田

    ファーマコヴィジランス部の人間は内勤が基本なのですが、スーグラに関しては積極的にドクターのところに出向いて安全性について説明し、アドバイスを頂いています。主にKOL(Key Opinion Leader) と呼ばれる糖尿病の治療に関して影響力の大きいドクターのもとに足を運ぶことが多いのですが、安全性に関する情報をきめ細かく公表していることについて、非常に高く評価していただいています。

グローバルな視野が求められている

――仕事のやりがいや、信頼性保証に関する仕事に必要な資質について教えてください。

  1. 佐藤

    私は製薬会社を志望する時に、くすりを通じて患者さんの健康に貢献できるところに大きな魅力を感じていました。品質保証部の仕事についていえば、高い品質を保って患者さんに提供できるというところにやりがいを感じています。品質に関してさまざまなルールを決めたり監査をしたりといった活動を通して、常に改善を図っています。日々の積み重ねが大事な部署です。

  2. 石田

    医薬品の安全性に関してはどの国の当局も積極的な動きをしていて、規制ルールも日々変化しています。例えば、国内において2013年4月以降に承認申請された新薬は、すべて医薬品リスク管理計画書の作成が義務付けられました。これは医薬品の安全性に関わる情報収集や情報提供など、医薬品のリスクを低減するためにどのような取り組みをしているのかを文書化したものです。じつはスーグラは2013年3月の申請なので、医薬品リスク管理計画書の作成は義務ではなかったのですが、自主的な取り組みとして作成し、自社のホームページで内容を公開しています。医薬品の安全性を高めていくことが強く求められており、私たちの仕事の責任はとても重いのですが、それだけにやりがいも大きいといえます。

  3. 佐藤

    副作用について、どのように公表していくかは判断が難しいところもありますね。

  4. 石田

    医薬品にある1 例の副作用があったとしても、効果著効だった患者さんもたくさんいます。一方、確率として低い副作用であっても、発現したその患者さんにとっては重い出来事となります。薬剤の両面をバランスよく考える必要があるということです。そのうえで、このケースは当局に報告すべきこと、このケースは添付文書に書き込むべきこと、といった意思決定もしなければなりません。私はスーグラの製品評価担当者で、安全性に関する措置・立案について責任を持つ立場。一定のルールはありますが、最後は決断力も試されます。そこが仕事の厳しさでもあり、やりがいでもあると思います。

  5. 佐藤

    必要な資質という面では、英語力が問われていきます。アステラスの品質保証部門では、日米欧の3極の担当者同士が連携してミーティングを持ち、共通の課題について情報交換しています。スーグラは違いますが、他のくすりでは海外の工場で生産することもあり、コミュニケーションツールとしての英語力は必要です。

  6. 石田

    私はMR として入社していて、実は英語があまり得意ではありません。ただ、必要性が増しているのは事実。アステラスでは、海外メーカーから輸入しているくすりも扱っていますし、私たちの部署もグローバル体制化され同僚に外国人が増えてきていますので、英語力はあった方がいいですね。

  7. 佐藤

    また、語学だけでなく、相手の国の文化や習慣を尊重するといった姿勢も大切です。医薬品の信頼性保証については、世界的な潮流として益々重視されてきていますので、グローバルな視野を持って仕事に取り組むことが求められているといえます。

※所属は掲載当時のものです