アステラス製薬

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原薬研究所(合成プロセス研究)

開発候補物質の合成に関する製造プロセスの開発研究を担っています。化合物の製品化へ向けて、安全、品質、コスト、更には環境にも配慮した、より完成度の高い堅牢な製造ノウハウの構築を行い、海外を含む製造サイトへ研究所が開発した製造プロセスや技術情報を提供しています。

原薬研究所(合成プロセス研究)紹介はこちら

概要

原薬研究所(合成プロセス研究)は、医薬品の有効成分である原薬の開発候補化合物を合成する製造プロセスの研究開発及び医薬品開発における臨床及び非臨床試験用の原薬製造を担っています。

先端の医薬を一日でも早く患者さんのもとに届けるために開発スピードを意識しつつ環境、安全、品質、コストを考慮した堅牢な合成ルートの構築を追及する「プロセス研究」、晶析、ろ過、乾燥などの各合成ステップを実験室レベルから実際の生産スケールまでスケールアップし原薬製造技術の量産化および実用化を図る「工業化研究」並びにそれらの技術研究を用いた原薬製造が原薬研究所(合成プロセス研究)のミッションです。 これらのミッション遂行のために海外の生産サイトへ研究員自らが出向いて現地で技術指導することや、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)をはじめとした海外当局との申請対応など研究所内の実験検討に留まらないグローバルに活躍するフィールドが原薬研究所(合成プロセス研究)には用意されています。

主な研究テーマ

  • 薬理活性を有する新規化合物の合成ルートの開発研究及び原薬製造時の技術対応
  • 商業生産を想定した製造プロセスの開発研究及び生産工場への技術移管
  • 原薬製造プロセス全般に関する環境及び安全技術研究
  • 日欧米を含む全世界への申請業務と生産サイトへの技術移管

最近発表された主な研究論文・学会発表など

研究論文・書籍
  • Shun Hirasawa et al., Org. Process Res. Dev. 2019, 23, 11, 2378-2387, A Practical and Scalable Method for Manufacturing JAK Inhibitor ASP3627
  • Yuji Takahama et al., Org. Process Res. Dev. 2019, 23, 4, 512-523, Improved Manufacturing Route and Polymorphic Control of a Potent and Selective Anaplastic Lymphoma Kinase (ALK) Inhibitor ASP3026
  • Joji Hayashida and Shinya Yoshida, Tetrahedron Letters, Volume 59, Issue 43, pp 3876-3879 (2018), A new method using 1,3,5-triazine as an umpolung hydrogen cyanide equivalent toward the syntheses of isoquinolinone and 2-pyridone derivatives
  • Yohei Yamashita et al., Org. Process Res. Dev., 2017, 21, 346-356, A Practical and Scalable Synthesis of a Glucokinase Activator via Diastereomeric Resolution and Palladium-Catalyzed C−N Coupling Reaction
  • Shinya Yoshida et al., New Horizons of Process Chemistry, Scalable Reactions and Technologies, pp 217-227 (2017)
学会発表など
  • Yohei Yamashita et al., Development of a practical and scalable synthesis of a Glucokinase activator, 255th ACS National Meeting & Exposition (2018)
  • 林 泰正 製薬会社におけるプロセス研究とその醍醐味 -患者さんにくすりを届けるサイエンス-,日本プロセス化学会・有機合成化学協会ジョイント講演会 (2018)
  • 家田 成, 「医薬品開発におけるプロセス化学の役割」, 2018年国際医薬品開発展 プロセス化学セミナー
  • 家田 成, 「医薬品開発におけるプロセス化学の役割」, 2018年インターフェックス ジャパン 特別講演
  • 山下 陽平 ジアステレオマー分割とC-Nカップリング反応を用いたGK活性化剤の実用的合成法の開発,第13回プロセス化学ラウンジ(2018)
  • 大東 篤 抗真菌剤ミカファンギンのプロセス開発:精製困難な原薬を得るための戦略,日本プロセス化学会2017ウインターシンポジウム(2017)
  • 家田 成 新薬開発における時間の価値 -「時間を買う」とはどういうことか?-,日本プロセス化学会2017サマーシンポジウム(2017)
  • 高濱 佑次 ALK阻害剤ASP3026のプロセス開発,第15回次世代を担う有機化学シンポジウム(2017)

若手研究員の卒業時の研究

  • Nazarov 環化を用いたステルヒルスチンA およびB の全合成研究(高松 悠正・知工学研究科 有機合成化学専攻・修士了)
  • Leishmania由来糖鎖構造を模倣したリン原子修飾糖1-リン酸アナログの立体選択的合成(萩尾 友哉・薬学研究科 薬科学専攻・修士了)
  • Development of New Disaccharide Nucleosides and Boron Carriers by Means of Traditional Reactions of Sugar Derivatives(伊藤 太基・薬学研究科 薬科学専攻・博士了)
  • 環状ペプチド低分子化方法論の確立を目指した三次元多様型シクロプロパンペプチドミメティクスの開発研究(杉山 洸・生命科学院 生命医薬科学コース・修士了)
  • 固液分離を考慮した懸濁型融液晶析での高純度結晶粒子群の製造戦略(北岡 龍・工学府 応用化学専攻・修士了)
  • 系内発生アミド塩基による芳香族複素環の触媒的脱プロトン化修飾反応(藤井 悠光・薬学研究科分子薬科学専攻・修士了)
  • ステロイドの多量化による側方相分離の制御(加藤 真帆・生命理工学院 生命理工学コース・修士了)
  • Spiromamakone A の全合成(花田 祥吾・薬学研究科 分子薬科学専攻・修士了)
  • CpGアイランドへの結合を目指したN2-置換グアノシン誘導体の合成と機能評価(宮﨑 芽依・薬学府創薬化学専攻・修士了)
  • ベンザインの付加環化反応による多置換インドリンの不斉合成(角居 雄太・薬学研究科創成薬学専攻・修士了)
  • エナミンの反応を用いた含窒素化合物合成(伊東 真意・薬学教育部創薬生命薬科学専攻・修士了)
  • ヘリセン型新規配位子の開発と不斉反応への応用研究(清水 貴士・薬学府創薬科学専攻・修士了)
  • 抗インフルエンザウイルス活性を有する核酸誘導体EdAPの合成研究(林 瑛・応用生物科学研究科・修士了)
  • ビニルケテンシリルN,Oアセタールを用いた立体選択的アルキル化反応の開発およびそれを用いたマイコセロシン酸の合成(家喜 高徳・先進理工学研究科・応用科学専攻・修士了)
  • ネオリグナン型フラボノイド、ムルリンBの合成研究(広瀬 勇樹・理工学研究科 化学専攻・修士了)

所長から一言

山口 秀人 Yamaguchi Hideto

原薬研究所は、2020年4月、多様なモダリティに対してCMC研究開発の総合力発揮を実現するため、低分子医薬品の合成プロセス開発研究を所管する合成技術研究所と抗体薬品等のバイオ医薬品の培養・精製プロセス開発研究を所管するバイオ技術研究所が統合し、設立されました。
原薬研究所が担当するモダリティは化学合成品から発酵産物、バイオ医薬品、さらにはウイルス製剤や幹細胞から分化誘導した細胞医薬品まで多岐に渡ります。薬になるものであれば、その原薬製造プロセスの開発は全て原薬研究所が担当することになります。加えてウイルスや細胞など、原薬製造技術が未成熟なモダリティでは、最先端のロボット技術やデジタル化技術等を導入し、原薬製造設備とオペレーションの機械化・自動化研究も進めています。
これまで世の中にはない新しい薬を自身の手で患者さんに届けたいと願う研究者にとって、無限の可能性がある職場であることをお伝えしたいと思います。

アステラス製薬のプロセス開発研究の歴史は長く、これまでも多くの化学合成品、発酵産物のブロックバスターを世に送り出して参りました。ご存知の通り一つの薬が上市に至るまで10年に渡る期間が必要とされます。その間、製造プロセス開発は、研究初期段階の製造法の受け入れに始まり、対象製品と製造プロセスの科学的な深い理解、商用に耐えうる堅牢なプロセス開発、各国の薬事承認取得、そして国内、海外にある生産工場への技術移転が必要になります。同じプロセス開発であっても開発フェイズ毎に異なる挑戦があり、原薬研究所に所属する研究員は薬のものづくりにおいて、あらゆる経験を積む機会があると言えます。

アステラス製薬の原薬プロセス開発研究を語る上で外せないキーワードとして、グローバル展開があります。アステラス製薬は
「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」
ビジョンのもと、積極的に海外で科学の先端を走る企業・研究者を仲間に加えております。これまでの自社の物づくりの経験と先端科学を融合することで、これまでにないユニークな薬を一日でも早く患者さんに届けるべく、日々挑戦しています。
アステラス製薬は、チームワークを大切にしながらグローバルに活躍でき、また、ご自身の将来やinnovativeな研究領域を自ら創造して行ける情熱のある研究者を求めています。

社員紹介

牛尾 絵理子 医学薬学府総合薬品科学専攻 修士了 2010年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?
くすりを患者さんのところへ届けるため、合成経路のスケールアップを研究しています。

くすりの種を見つけても、患者さんの所へ届くまでには様々な安全性データや治験データを取得しなければなりません。さらに市販された後も安定して供給する必要があります。私が所属している原薬研究所(合成プロセス研究)では、医薬品の原薬を大量生産するための製造法を研究しています。

私はその中でも創薬研究部門で選ばれた候補化合物を最初に大量製造する研究をしています。くすりは患者さんの体に直接入るものなので、高い品質が求められますし、大量に製造する際の廃棄物などの環境負荷やコスト、作業者の安全にも配慮する必要があります。さらにくすりの開発のためには、製剤や安全性といった他の部署との連携もあるので、決められたスケジュール通りに検討を進めることも重要です。有機合成化学のみならず化学工学、環境・安全、分析化学などのさまざまな専門知識を活用して、関連部署と連携しながら、今までラボで数gしかつくったことのない化合物を何十kgのスケールでつくります。この仕事は、くすりの種を育てる大本を支える仕事であり、新たに見出された画期的な薬効を持つくすりを患者さんに届けるための一端を担えることに喜びややりがいを感じられる仕事です。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?
くすりを作る上での付加価値の最大化を目指すことに大きな達成感を感じます。

原薬研究所(合成プロセス研究)は価値を創造するバリューセンターの一翼を担っています。ただ、たくさんくすりを作るだけではなく、いかに安全に、いかに高品質なものを、期日までにいかに安く作るか、自分の仕事でどれだけの付加価値が付けられるか、そういったことに日々挑戦しています。

私自身、1年目から創薬部門から選ばれた化合物の最初の大量製造のテーマに携わりました。創薬部門から移管された方法そのままでは安全面や品質の観点からスケールアップが難しくどうしたら容易に、安全に作れるのか、どうすれば不純物を抑制できるか、毎日思考錯誤していました。有機化学だけではなく、レギュレーションや化学工学の点からも考えることは、入社三年目となった現在でもまだまだ難しく、勉強の毎日です。しかし、先輩や同僚とのディスカッションからヒントをもらったりしながら、自分で考えた新しい方法を検討できることはとてもワクワクしますし、何より上手く行った時には得も言われぬ大きな達成感があります。

こうして自分自身で作り上げた方法で製造し、目の前に原薬が何十kgとできた時は本当に感動しました。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?
一歩先を見据えたプロセスケミストになることです。

アステラスは研究開発型のグローバル製薬企業として事業を展開しています。私の部署では、海外のグループ会社との合同検討チームがあったり、電話会議や長期出向など、グローバルな仕事がどんどん増えていることを肌で感じます。そんな時、米国に出向していた先輩から「英語は一つのツールであり、自分たちは化学で繋がることができる。だからこそ、化学や色んな知識を身につけることが大切だ」と言われ、英語を学ぶだけでなく、有機化学や化学工学などのスキルを持ってこそ、グローバルで活躍できるのだと感じました。現在私は様々なスキルの一つとして新規技術プロジェクトの「インライン分析法検討プロジェクト」に参加しています。リアルタイムに反応の様子をモニタリングすることが可能となり、サンプリングによる被ばくを防ぐこともできる国内外で非常に注目されている技術です。このような、世界という土俵で活躍できる、化学だけでなく新たな技術を積極的に身につけた、一歩先を見据えたプロセスケミストになりたいと思います。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。
自分自身の手で明日を変えていける会社であることが実感できます。

アステラスは、日々患者さんのために付加価値の高いくすりを提供すべく挑戦している会社であり、そうした結果に拘る姿勢が魅力の一つだと思います。

それを支えているのは、社員の成長を促す様々な研修や人材育成の制度だと思います。原薬研究所(合成プロセス研究)は製造部門との関わりが多い部署です。実際に製造現場での研修も参加しました。実際に自分の手で何十kgもの原料を仕込んだり、1000Lもある釜で反応や晶析操作を行ったことで、ラボでは簡単に出来てしまうことも、製造では非常に時間がかかったり、予想していた以上の発熱が起こるなど、ラボと製造の違いを身をもって実感することができました。こういった経験ができたことで、より現場を意識した製造法を考えられるようになりました。この研修でお世話になった先輩には今でもアドバイスをもらったりすることができるので、こうした交流も研修で得られたものの一つだと思っています。

この他にも、1年目の社員へのメンター制度や、入社5年間で集中的に受けることができる研修制度のほか、学位取得支援や留学支援、国内外の学会への参加、海外グループ会社への出向などにも積極的な研究所であり、自分が目指す姿への後押しをしてくれるところが魅力だと思います。

実際に、現在一緒に仕事をしている先輩は留学制度を利用し、昨年1年間米国へ留学されていました。そんな先輩と仕事ができることは非常によい刺激となりますし、今後自分自身が目指す姿の一つとして参考にさせてもらっています。男女関係なく、自分が目指すものに邁進できる会社、それがアステラス製薬の魅力だと思います。

牛尾 絵理子の一日
  • 5:00

    起床。会社まで電車で1時間。読書や英語の勉強をしています。

  • 7:00~8:00

    出社。今日は海外との電話会議。テーマについてのプレゼンテーションを英語で行う。

  • 8:15~12:00

    仕掛けてあった反応の後処理や、新しい反応の仕込み。合間にメールチェックや書類仕事をこなす。

  • 12:00~13:00

    同期と研究所内の食堂で昼食。

  • 13:00~15:00

    反応の分析や、精製を行う。検討内容について先輩とディスカッション。

  • 15:00~15:30

    海を見ながらリフレッシュ。何気ない会話が新たなアイディアを生み出すきっかけになったりします。

  • 15:30~18:30

    実験結果をまとめ、報告書の準備をする。

  • 18:30

    退社。明日の予定を確認して帰宅(業務内容によって、帰宅時間は前後します。)

※所属は掲載当時のものです

原薬研究所(バイオプロセス研究)

原薬研究所(バイオプロセス研究)は、抗体医薬をはじめとするタンパク医薬など、バイオ医薬品の製造プロセス開発を担当し、それら医薬品候補原薬に高品質、低コスト、安定供給等の価値を付与しながら、スピード感をもって製品を上市することをミッションとしています。新薬を待つ患者さんにバイオ医薬を一日でも早く届けるために、世界トップクラスのバイオプロセスの開発に日々取り組んでいます。

原薬研究所(バイオプロセス研究)紹介はこちら

概要

培養技術研究(アップストリームバイオプロセス研究)

バイオ医薬品の早期開発のために、遺伝子工学、生物工学、細胞生理学等の知識・技術を駆使し、高生産、高品質の目的物を生産するための発現系を開発するとともに、商用生産を見据えた生産用細胞株の取得を進めています。また、代謝制御、培養培地の開発、培養条件の最適化やスケールアップ、培養装置の設計、自動制御などの検討を行い、生産性と品質、安定供給の面から最適な工業化スケールの培養プロセスを開発しています。

精製技術研究(ダウンストリームバイオプロセス研究)

細胞の培養液中には多くの不純物や目的物質由来不純物/関連物質が存在します。培養液から高品質の目的物質を効率よく単離・精製するために、固液分離、カラムクロマト、膜濃縮等、最新の技術を組み合わることにより、低コストで環境にもやさしい精製プロセスを構築しています。さらに、工業化を見据えて、製造プロセスの効率化を目的とした工程の自動化研究にも取り組んでいます。

主な研究テーマ

  • 世界トップレベルの水準を目指したバイオ医薬品原薬製造プロセスの開発研究
  • 自社工場、委託製造先へのバイオ医薬品原薬の製造プロセスの技術移転
  • 世界各国の当局へのバイオ医薬品の臨床試験、及び、製造販売承認に関わる申請業務
  • バイオ医薬品原薬の安定供給・安定生産を実現するための生産サイトの支援

最近発表された主な研究論文

  • Hiroya Itoh, et al.: Genome Sequence of Fungal sp. No.14919 Producing HMG-CoA Reductase Inhibitor FR901512, Genome Announc., 5(14), pii: e00129-17, 2017
  • Hiroya Itoh, et al.: Knockout of the SREBP system increases production of the polyketide FR901512 in filamentous fungal sp. No. 14919 and lovastatin in Aspergillus terreus ATCC20542, Appl. Microbiol. Biotechnol., 102(3):1393-1405, 2018
  • Hiroya Itoh, et al.: Biosynthesis of Novel Statins by Combining Heterologous Genes from Xylaria and Aspergillus, ACS Synth. Biol., Accepted (in press), 2018
  • Ippei Takeuchi, et al.: Case study for the establishment of scale down model in cell culture: The elutes from stainless steel vessel changed the character of media, JAACT2018 Tsukuba
  • Yukito Kobayashi, at al: An Evaluation of Fed-batch Process Combined with Perfusion System Comparing to Traditional Fed-batch Process, JAACT2018 Tsukuba
  • Saho Takeuchi, et al.:Evaluation of Host cell lines for manufacturing monoclonal antibody in CHO cells, JAACT2018 Tsukuba
  • Hiroyuki Kenmoku, et al.:The investigation and the solution for the decrease of Cu concentration in the in-house feed media prepared in manufacturing, JAACT2018 Tsukuba
  • 伊東広哉:ステロール合成活性化因子の機能破壊によるポリケチド生産性の向上、バイオサイエンスとインダストリー(B&I), VOL.76 NO.6, 2018
  • 江頭章:2018 JBA バイオエンジニアリング研究会講演 「バイオ医薬品製造におけるシングルユース技術の有用性と今後への期待」
  • 見目裕之:2019 第41回動物細胞工学シンポジウム講演 「将来に向けたバイオ医薬製造体制戦略」
  • 市原隆光:MERCK User Meeting 2018 「Integrated flow through chromatography for continuous mAb processing」(2018年)
  • 市原 隆光:抗体医薬品製造における連続生産技術の活用、化学工学会バイオ部会Newsletter、Vol.46, pp.21-22、平成30年1月発行
  • 市原隆, et al.:Integrated flow-through purification for therapeutic monoclonal antibodies processing, mAbs, volume 10, Issue 2, pp. 325-334, 平成30年2月発行
  • Saho Takeuchi, et al.:Genetic element combinations to improve expression level of cell lines for monoclonal antibody production in CHO cells, ESACT2017
  • Shimizu S, Futase A, Yokoyama T, Honda H, Genomic analysis of a Streptomyces tsukubaensis mutant with reduced FR900525 production isolated by selection for S-(2-aminoethyl) l-cysteine resistance, J Biosci Bioeng. 2018 Nov;126(5):580-585
  • Shimizu S, Futase A, Yokoyama T, Ueda S, Honda H:Reduction of FR900525 using an S-(2-aminoethyl) l-cysteine-resistant mutant, J Biosci Bioeng. 2017 Jun;123(6):685-691
  • Yu Hayashi:General Strategies for Characterization of Subvisible Particles(SVP) based on Product Specific SVP Library, BioProcess International Conference & Exhibition 2017 Boston
  • Makoto Matsui, et al.:Identification of a putative FR901469 biosynthesis gene cluster in fungal sp. No. 11243 and enhancement of the productivity by overexpressing the transcription factor gene frbF, Journal of Bioscience and Bioengineering, Volume 123, Issue 2, February 2017, Pages 147–153
  • Yasuhiro Takagi, et al.:Nucleoside addition enhances monoclonal antibody production in CHO cells, (in press)
  • Yasuhiro Takagi, et al.:Identification of regulatory motifs in the CHO genome for stable monoclonal antibody production, Cytotechnology, 2016 Aug 20
  • Takuya Kikuchi, et al.:Development of in-house chemically-defined basal and feed media, JAACT2016 in Kobe
  • 市原隆光:東京工業大学大学院 講演 「バイオ医薬品の原薬生産技術開発」(2017年)
  • 市原隆光:化学工学会 第49回秋季大会 名古屋大学 「フロースルークロマトグラフィーの連結 による連続抗体精製プロセスの特性解析」(2017年)
  • 伊東広哉、ほか:Mutational analysis of fungus No.14919 producing HMG-CoA reductase inhibitor、生物工学会 2016
  • 伊東広哉、ほか:酵母を用いたHMG-CoA reductase阻害剤FR901512生合成遺伝子クラスター解析と新規物質生産の可能性、ゲノム微生物学会 2017
  • 伊東広哉、ほか:SREBPs play an important role for HMG-CoA reductase inhibitor FR901512 high production、農芸化学会 2017
  • 小笠原実穂、ほか:「タンパク質由来Subvisile Particlesの評価のための分析手法選択(Comprehensive Evaluation of Analytical Parameters for Subvisible Particles Characterization based on Product Specific Library)」第19回日本蛋白質科学会年会 2019
  • 髙杉智博,ほか:「Protein concentration method development for antibody-drug conjugates independent of drug characterization」第19回蛋白質科学会年会2019
  • 稲葉英憲、ほか:Antibody Concentration Measurement Using Optical Rotation: Toward Process Analytical Technology、Asian Pacific Conference of Chemical Engineering 2019

若手研究員の卒業時の研究

  • 医療タンパク質の高生産化にむけたチャイニーズハムスター卵巣細胞輸送経路の改変(嶋田順太・工学研究科 生命先端工学専攻・修士了)
  • 合成生物学的手法による低酸素応答型血管新生因子遺伝子発現細胞の構築(増本新也・工学府 化学システム工学専攻・修士了)
  • ペプチドグリカンの生合成に関与する新規酵素に関する研究(馮若茵・総合化学院 総合化学専攻・修士了)
  • 抗体結合ペプチド15-IgBPの17残基目Hisに着目した構造活性相関研究(伊藤真由・薬学部 医療衛生薬学科・学士(6年制)了)
  • 二量体化による高分子細胞内送達ペプチドの活性向上(野村洋平・薬学研究科 薬科学専攻・修士了)
  • ヒトiPS細胞作製効率を向上させる新規miRNAの探索(山縣茉莉・医学研究科 医科学専攻・修士了)
  • ヒトiPS細胞のエピジェネティックな記憶に基づく品質評価指標の確立(秋山真一・工学研究科 生命先端工学専攻・修士了)
  • ナデシコ目植物におけるアントシアニン合成関連遺伝子の解析(前川紗葵・人間文化創成科学研究科 ライフサイエンス専攻・修士了)
  • 水素重水素交換質量分析計を用いた抗腫瘍壊死因子Ⅱ型受容体抗体のエピトープ決定(杉本遼介・工学研究科・応用生物専攻・修士了)
  • 細胞機能操作を目指した人工受容体の開発 (吉森安奈・総合文化研究科・広域科学専攻・修士了)
  • Calu-3 細胞を用いた薬物の透過性に及ぼす各種吸収促進剤の影響(筑紫慶卓 薬学科 薬剤学分野 学士了
  • 破骨細胞の移動における小胞輸送とエクソソームの関与(有川祐理子・工学府 生命工学専攻・修士了)
  • ファージ由来溶菌タンパク質Holinの膜穿孔機構を応用したガン細胞へのアポトーシス誘導(千羽 啓太・生物資源環境科学府 生命機能科学専攻・修士了)
  • ヒトiPS細胞由来膵臓β細胞の後期分化における培地条件の検討(門馬 紗英子・生命理工学院 生命理工学コース・修士了)
  • 機械的刺激に応答した自然免疫関連遺伝子群の発現誘導機構の解析(見目 裕之・薬学研究科 創薬科学科専攻・修士了)
  • 上皮細胞株を用いたチューブ構造の形成と動態観察(市村 和樹・生命科学院 生命融合科学専攻・修士了)
  • がん標的型siRNA送達システムの製剤的改良による送達能の向上(水村 航・生命科学院薬科学専攻 修士了)
  • Src活性化細胞は周辺環境に応じて異なる挙動を示す(大倉 寛也・理科学研究科 生物科学専攻 修士了)
  • 二パウイルスPhosphoproteinと相互作用する宿主因子の解析(松永 惟・新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻・修士了)
  • 糸状菌が生産する新たな天然物の探索法の開発と利用(茂本亮輔・生命環境科学研究科・生物機能科学専攻・博士了)
  • 共焦点レーザー走査顕微鏡を用いた抗体医薬精製用吸着剤における抗体の拡散・吸着挙動の解析(廣岡奏・工学研究科・応用化学専攻・修士了)
  • キナーゼ特異的基質ペブチトを用いたキナーゼ活性計測法の開発(石川菜津美・薬学研究科・薬科学専攻・修士了)
  • 糸状菌由来メロテルペノイドterretoninおよびberkeleydione生合成における複雑骨格構築基盤の解明(岩渕 大輝・薬学系研究科 薬科学専攻・修士了)
  • 機械的刺激に応答した自然免疫関連遺伝子群の発現誘導機構の解析(見目 裕之・薬学研究科 創薬科学科専攻・修士了)
  • 生殖細胞特異的Y-box RNA結合タンパク質MSY4による翻訳抑制機構(三枝 彩佳・生命環境科学研究科 生物資源科学専攻・修士了)
  • 細胞老化や培養環境が糖脂質の糖鎖生合成に及ぼす影響の解析(須藤 周・工学系研究科 化学生命工学専攻・修士了)
  • 大腸菌rppH遺伝子のチオ硫酸リプレッションにおける機能解析とその応用

所長から一言

山口 秀人 Yamaguchi Hideto

原薬研究所は、2020年4月、多様なモダリティに対してCMC研究開発の総合力発揮を実現するため、低分子医薬品の合成プロセス開発研究を所管する合成技術研究所と抗体薬品等のバイオ医薬品の培養・精製プロセス開発研究を所管するバイオ技術研究所が統合し、設立されました。
原薬研究所が担当するモダリティは化学合成品から発酵産物、バイオ医薬品、さらにはウイルス製剤や幹細胞から分化誘導した細胞医薬品まで多岐に渡ります。薬になるものであれば、その原薬製造プロセスの開発は全て原薬研究所が担当することになります。加えてウイルスや細胞など、原薬製造技術が未成熟なモダリティでは、最先端のロボット技術やデジタル化技術等を導入し、原薬製造設備とオペレーションの機械化・自動化研究も進めています。
これまで世の中にはない新しい薬を自身の手で患者さんに届けたいと願う研究者にとって、無限の可能性がある職場であることをお伝えしたいと思います。

アステラス製薬のプロセス開発研究の歴史は長く、これまでも多くの化学合成品、発酵産物のブロックバスターを世に送り出して参りました。ご存知の通り一つの薬が上市に至るまで10年に渡る期間が必要とされます。その間、製造プロセス開発は、研究初期段階の製造法の受け入れに始まり、対象製品と製造プロセスの科学的な深い理解、商用に耐えうる堅牢なプロセス開発、各国の薬事承認取得、そして国内、海外にある生産工場への技術移転が必要になります。同じプロセス開発であっても開発フェイズ毎に異なる挑戦があり、原薬研究所に所属する研究員は薬のものづくりにおいて、あらゆる経験を積む機会があると言えます。

アステラス製薬の原薬プロセス開発研究を語る上で外せないキーワードとして、グローバル展開があります。アステラス製薬は
「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」
ビジョンのもと、積極的に海外で科学の先端を走る企業・研究者を仲間に加えております。これまでの自社の物づくりの経験と先端科学を融合することで、これまでにないユニークな薬を一日でも早く患者さんに届けるべく、日々挑戦しています。
アステラス製薬は、チームワークを大切にしながらグローバルに活躍でき、また、ご自身の将来やinnovativeな研究領域を自ら創造して行ける情熱のある研究者を求めています。

社員紹介

乙供 かな依 農応用生命工学専攻 修士了 2012年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?
くすりの種の製品化に向けたバイオ医薬品の工業生産プロセスの技術開発に取り組んでいます。

製薬会社には、くすりを必要とする多くの患者さんのもとに、高品質かつ安全性の高い製品を安定的に届ける責任があります。そのためには、臨床試験での有効性・安全性の検証とともに効率的に高品質の製品を生産・供給するプロセスの構築が必要です。私が所属する生物工学研究所は、抗体医薬を始めとした蛋白医薬品や醗酵産物由来医薬品の生産プロセスを構築すると同時に、各研究開発段階において必要とされる量の原薬をタイムリーに供給する役割を担っています。つまり、医薬品候補品が創薬研究部門で提案されてから上市後まで、一貫して原薬の生産に責任を持ちます。

現在私は抗体生産細胞株の育種を担当しています。育種を進めるにあたり抗体生産能はもちろんのこと、抗体品質や、大スケールでの培養に適した性質であるか否かなど多角的な指標によって、最良の細胞株のスクリーニングを行います。また、新薬開発をよりスピーディに進めるため、常に育種効率の最適化研究にも取り組んでいます。
医薬品候補品が無事製品となり上市されれば、自分の育てた細胞株の生産した原薬が患者さんの明日を変えられるかもしれず、非常にやりがいのある仕事だと考えています。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?
生物の潜在能力をうまく利用し世界初の新薬を形にしていく過程に面白さを感じます。

私は、学生の頃から生物のチカラを利用したモノづくりに携わりたいと考えてきました。生物はブラックボックスだとも言われるように未知の部分も多く、その有効活用はとてもチャレンジングな取り組みではありますが、実験データを解析しながら細胞状態を考察し次の実験を計画していく過程はとても面白いです。もちろん学生時代の研究とはスタイルもスケールも異なりますが、実用化される技術を開発し実際に処方されるくすりを作ることができるということ、実際にモノづくりに携わっているということに、強い魅力を感じています。 また、医薬品候補品を製品化するまでには高い専門性を持った多くの部署の連携が必須になります。現在入社1年目の私にとって、創薬の全体の流れや各部署の仕事・成果を理解し、広い視野を持って仕事を進めるためには、まだまだ勉強すべきことばかりですが、多くの部門の成果が集結して画期的な新薬が生まれるのだと思うと興味は尽きません。

タイトな開発スケジュールに合わせて仕事を進めていくため、常に確実に仕事を進めることが求められる点は厳しさとしてあげられると思います。しかし、「どんな候補化合物でも確実に生産プロセスを作ってやろう」という研究所の気概が強い活力になっていると感じます。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?
グローバルな視点、部門の枠組みを超えた視点を養い、世界に誇れる技術を開発することです。

創薬に携わる方の共通の目標ではあると思いますが、私も自分が生産プロセス開発に携わった医薬品候補品を製品として世に送り出すことを夢見ています。
また、抗体医薬品は現在業界で競争の激しい部門の一つです。どんな分野の研究でもそうですが、常に世界レベルの技術の情報収集に努めグローバルな視点を養い、自分からも世界に誇れる生産プロセスを確立・発信したいですね。さらには、他部門の研究所と互いの技術的価値・研究成果の価値を高め合えるような、創薬に取り組む組織全体としての力につながる技術を、原薬生産プロセス担当として開発・提案できたらと考えています。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。
一人ひとりが個性を発揮できる環境に魅力を感じています。

入社してから、同じ研究所内だけでも専門分野的にもキャリア的にも様々なバックグラウンドを持った人財にあふれていることに驚きました。多様な専門知識・技術や興味を持った方々が集まり、一人ひとりが個性を存分に発揮することで、常に良い刺激を与えあっている環境に魅力を感じています。
また、若手を教育しようという姿勢が職場に根付いていること、若手であっても積極的に重要な仕事を任せて下さることから、アステラスで働くことで自身が成長するチャンスをたくさん頂いていると感じつつ仕事に取り組んでいます。

さらに、海外のグループ会社(開発部門や研究部門)や提携先とビデオ会議等の頻繁なやりとりがあり、一年目社員であってもグローバルな研究開発を日常的に意識することができます。グローバルに活躍する場があることも魅力の一つだと思います。

乙供 かな依の一日
  • 6:50

    起床。会社まで電車、社バスで25分。

  • 8:15~9:00

    出社。メールをチェックし、一日の予定の確認を行う。

  • 9:00~10:30

    所属チームの週例ミーティング。実験データや実験計画についてのディスカッションを行います。

  • 10:30~12:00

    実験開始。チームで協力して効率良く進めることが求められます。

  • 12:00~13:00

    研究所内の食堂で昼食。焼きたてパンがおすすめです。昼食後はテニスや卓球をすることも。業務でなかなかお会いしない方ともコミュニケーションが取れる良い機会です。曜日によっては勉強会が開催されます。

  • 13:00~17:45

    午後の実験開始。

  • 17:45~19:00

    翌日の予定確認やデータ解析、報告書の作成、文献調査等を行います。

  • 19:00

    退社。(業務内容次第で退社時刻は前後します)。会社の方々と飲みに行くこともよくあります。

※所属は掲載当時のものです

製剤研究所

機能性が高く、品質に優れかつ患者さんが服用しやすい新製品をタイムリーに世界中の臨床現場及び医療現場へ届けるのが仕事です。 その活動は研究本部と新テーマの創出段階から関わり、前臨床段階、臨床開発段階を経て、申請、生産工場への技術移転、そして日常生産が安定化するまでの長い範囲にわたります。

製剤研究所紹介はこちら

概要

製剤研究所のミッションは、機能性が高く、品質に優れかつ患者さんの使用しやすい新製品をタイムリーに世界中の臨床現場及び医療現場へ届けるところにあります。これまでも卓越した製剤技術、例えば、水に溶けにくい薬物を溶かす技術、薬物の徐放化技術、あるいは薬物送達(Drug Delivery System)技術を駆使して新しい製品を生み出し患者さんのお役にたってきました。その活動は研究本部とともに新テーマを創出する段階から関わり、前臨床段階、臨床開発段階、申請、生産サイトへの技術移転を経て日常生産が安定化するまでの長い範囲にわたります。すなわち製剤研究は薬物の物理化学的及び生物薬剤学特性を評価する初期製剤研究に始まり、処方設計及びプロセス設計、工業化研究、包装設計研究からなる製品化研究を経て、生産サイトにおける製造ノウハウ確立まで続きます。この間、製剤研究者、包装研究者が焼津製剤研究センターをベースに、海外の開発拠点(米国:シカゴ、欧州:オランダなど)とも連携をとりながらグローバルに活動しています。また国内、海外(欧州:オランダ、アイルランドなど)の生産拠点とは新製品の技術移転、既存製品の工程改善・原価低減の諸活動を通じて常時協働しており、コストパフォーマンスに優れ、環境にもやさしい製造ノウハウの確立に努めています。
また、従来の低分子化合物、抗体医薬に加え、核酸医薬、ウイルス医薬、および細胞医薬等の新規治療モダリティをターゲットとした製剤化研究にも取り組んでいます。
更に、製剤研究所では主力製品に対してさらに機能性を高めた新たな剤形を開発し、これら製品の価値最大化にも貢献してきました。まさに薬物が優れた製剤技術にめぐり合えば、その価値はどんどん大きく育っていくのです。私たちはこれからもアステラスの製剤技術を限りなく高め、技術力に支えられた製品を育て、全世界に提供していきます。

主な研究テーマ

  • 新規化合物の処方設計・プロセス設計研究、工業化研究、包装設計研究
  • 既存製品価値最大化のための処方設計・プロセス設計研究、工業化研究、包装設計研究
  • 有効性・安全性を改善するDrug Delivery System(DDS)の研究
  • 高機能あるいは利便性の良い新剤形、新規製剤技術、医薬品および医療機器(デバイス)の組み合わせによるコンビネーション製品、新規包装形態の開発
  • 抗体医薬、核酸医薬、ウイルス医薬、細胞医薬等の新規治療モダリティの製剤化研究
  • 難溶性薬物の経口吸収改善及び注射剤化
  • 次代をリードするProcess Analytical Technologyの研究
  • 各種製剤・製造法におけるスケールアップ研究
  • 各種製剤・製造法の新規工業化研究(工程開発、装置開発)
  • 工程改善、品質改善のための生産条件の最適化研究

最近発表された主な研究論文

  • Atsushi Kambayashi, Kazuhiro Sako, and Hiromu Kondo: Characterization of the buccal and gastric transit of orally disintegrating tablets in humans using gamma scintigraphy. Int J Pharm, In press, doi: 10.1016/j.ijpharm.2019.118937.
  • Atsushi Kambayashi, Kazuhiro Sako, and Hiromu Kondo: Effects of diurnal variation and food on gastrointestinal transit of 111In-labeled hydrogel matrix extended release tablets and 99mTc-labeled pellets in humans. J Pharm Sci, 109(2):1020-1025 (2020), doi: 10.1016/j.xphs.2019.09.025.
  • Yoshiaki Umemoto, Shinya Uchida, Takatsune Yoshida, Ken Shimada, Hiroyuki Kojima, Akira Takagi, Shimako Tanaka, Yasuharu Kashiwagura, and Noriyuki Namiki: An effective polyvinyl alcohol for the solubilization of poorly water-soluble drugs in solid dispersion formulations. Journal of Drug Delivery Science and Technology, 55: 101401 (2020), doi: 10.1016/j.jddst.2019.101401.
  • Takayuki Yoshida, Kazuhiro Sako, and Hiromu Kondo. Design of novel tacrolimus formulations with chemically synthesized oils for oral lymphatic delivery. Drug Dev Ind Pharm. 2020 Jan 24:1-33. doi: 10.1080/03639045.2020.1721525.
  • Hirotaka Ando, Yuko Hara, Kazuhiro Sato, Masafumi Dohi, Tadashi Hakomori and Etsuo Yonemochi. New approach to optimizing risk management of the sticking problem using scale-independent critical material attributes and the quantitative process parameter. Int J Pharm, In press, doi: 10.1016/j.ijpharm.2020.119032.
  • Hirotaka Ando, Yusuke Nozaki, Kazuhiro Sato, Masafumi Dohi, Tadashi Hakomori and Etsuo Yonemochi. Novel approach to evaluating granulation and segregation level considering the contribution of hydroxypropyl cellulose to the surface property change of granules. Int J Pharm, 581:119254 (2020), doi: 10.1016/j.ijpharm.2020.119254.
  • A. Kambayashi and T. Kiyota: A Physiologically-based Drug Absorption Modeling for Orally Disintegrating Tablets. Eur J Pharm Biopharm, 152:1-9 (2020). doi: 10.1016/j.ejpb.2020.04.018.
  • A. Kambayashi, K. Sako, and H. Kondo: Scintigraphic evaluation of the in vivo performance of dry-coated delayed-release tablets in humans. Eur J Pharm Biopharm, 152:116-122 (2020). doi: 10.1016/j.ejpb.2020.04.022.
  • M. Shibata, J. Toyoshima, Y. Kaneko, K. Oda, T. Kiyota, A. Kambayashi, and T. Nishimura: The Bioequivalence of Two Peficitinib Formulations, and the Effect of Food on the Pharmacokinetics of Peficitinib: Two-Way Crossover Studies of a Single Dose of 150 mg Peficitinib in Healthy Volunteers. Clin Pharmacol Drug Dev, In Press (2020). doi: 10.1002/cpdd.843.
  • T. Takahashi, H. Toyota, Y. Kuroiwa, H. Kondo, M. Dohi, T Hakomori, M. Nakamura, H. Takeuchi: Application of novel compaction indicator for the optimization of compaction conditions based on a compaction simulation study. Int. J. Pharm, 587 (2020) 119574.
  • A. Kambayashi and C. Yomota: Exploring clinically relevant dissolution specifications for oral solid dosage forms of weak acid drugs using an in silico modeling and simulation approach. Eur J Pharm Sci, 159:105728 (2021). doi: 10.1016/j.ejps.2021.105728.
  • 髙江誓詞,池田宙瞳,小林正範,口腔内崩壊錠の小児適応への展開,Pharm Tech Japan, 36:421-423 (2020).
  • 髙江誓詞,EMA小児製剤開発ガイドラインをもとにした添加剤アセスメントのフローチャート解説,Pharm Tech Japan, 36:2213-2218 (2020).
  • 保地毅彦,髙江誓詞,小児製剤開発事例~プラジカンテル小児製剤の開発~,Pharm Tech Japan, 36:2219-2223 (2020).
  • 高橋豊,徐放性製剤のIn Vitro-In Vivo相関(IVIVC)の活用に関する基礎的検討 -IVIVCモデルによる予測性に及ぼすIn Vivoデータの個体間変動の影響-,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,51(12):683-691(2020).
  • 公益社団法人日本薬剤学会製剤処方・プロセスの最適化検討フォーカスグループ(則岡正,他): 基礎×実践 QbDに基づく医薬品開発 第4章 QbDとライフサイクルマネジメント(2020).
  • 中田 叡,中通 芙美,松永 和久,吉田 友宏,製剤機械技術ハンドブック(第3版)6.6.5 輸送試験
  • 中田 叡,中通 芙美,平野 友喬,吉田 友宏,製剤機械技術ハンドブック(第3版)6.6.7 偽造医薬品対策技術
  • 丸橋宏一,田端麻衣,コンビネーション製品を取り巻くレギュレーション及びガイダンス,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,52 (1):40-47 (2021).
  • 上林 敦,高機能製剤開発の基盤となる経口吸収予測研究,薬剤学,81(1):99-103 (2021), doi: 10.14843/jpstj.81.99

学会発表

  • 野﨑祐介,QbDとDoE,製剤機械技術学会 PAT教育研修会(兵庫,2020)
  • 上林 敦,医薬品開発における経口製剤の吸収予測とその活用,第41回日本臨床薬理学会学術総会・シンポジウム(福岡,2020)
  • 上林 敦,新薬開発におけるBEの重要性,創剤研究コンソーシアム オンライン講演会(2020)
  • 上林 敦,高機能製剤開発の基盤となる経口吸収予測研究,日本薬剤学会第35年会・旭化成創剤開発技術賞受賞講演(誌上開催,2020)
  • 上林 敦,創薬と臨床開発・製剤開発をリンクする生物薬剤学研究,日本薬剤学会第35年会・ラウンドテーブルセッション(誌上開催,2020)
  • 髙江 誓詞,小児のための製剤開発と臨床開発との連携,第41回日本臨床薬理学会学術総会・シンポジウム(福岡,2020)
  • 微生物迅速試験法グループ(木村亮,他),微生物迅速試験法 最新情報と適用事例,日本PDA製薬学会 第8回微生物シンポジウム(web開催,2020)
  • 高橋豊,Biopharmaceutics Classification System (BCS) に基づくバイオウェーバー -ガイドラインの解説と日本における課題-,第47回GMP事例研究会(Web開催,2020)
  • 高橋豊,ICH M9ガイドライン,第22回インターフェックスジャパンセミナー(千葉,2020)

若手研究員の卒業時の研究

  • 活性酸素種感受性TRPM2チャネルにおける細胞内タンパク質会合の解析とその生理的意義(黒木隆平 工学研究科)
  • ラットの胎盤と胎膜におけるATX/LPAシステムの発現と局在(安藤由貴 獣医学科)
  • 調製条件がglibenclamide/HPMC非晶質ナノ粒子の物理的安定性に及ぼす影響(森川千佳子 薬学科)
  • 銅鉱石の単体分離促進を目的としたHPGRの粉砕性能評価および装置設計(長田悠 地球・環境資源理工学専攻)
  • イオン液体化薬物の皮膚透過促進(吉田雄哉 薬科学専攻)
  • 低分子医薬品のin vivo阻害効果増強に向けた高分子化戦略(増田彩香 薬学科)

所長から一言

保地 毅彦 Takehiko Yasuji

薬理活性を有する新規化合物は製剤研究によって、患者さんに投薬できる医薬品(くすり)となります。その形は経口剤、注射剤、経皮剤、吸入剤など多種多様であり、最適な治療効果を提供するために各製剤に込められる技術もまた様々です。このため、製剤研究所には、薬学だけでなく、広く物理化学や生物学的、機械工学的な知識・背景を持った多くの研究者が集まっています。そして、その研究者たちが、処方開発、プロセス設計、包装・デバイス開発等を経て作り上げられた製剤は、世界中で患者さんの治療に使われています。また、新規化合物の持つ特性を最大限に発揮させるための薬物送達システムや新規製剤技術開発にも力を注いでおり、より付加価値の高い製剤開発を行っています。

患者・臨床・製品に最も近い研究分野の一つとして、あらゆるモダリティの製剤化研究と製品に責任と誇りを持つのが、我々の誇りであり、やりがいの一つです。世界中の患者さんに1日でも早く、より価値の高い医薬品を届けるため、日夜研究に励む「製剤研究所」で皆さんも一緒に活躍してみませんか?

社員紹介

清田 豪志 薬学部医療薬科学専攻 修士了 2011年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?
薬理活性を有する新規化合物 (くすりの種)を,患者さんが服用可能な医薬品にするための製剤化研究を行っています。

研究本部が見つけ出した「くすりの種」は,製剤化研究によってはじめて患者さんに投薬可能な医薬品になります。私が所属する製剤研究所の役割は,疾患や投与方法などを踏まえて,個々のくすりに最適な形態を探求・設計し,安全で高品質な医薬品として世に送り出すことです。医薬品開発の一連の流れの中では,人に投与される臨床試験,特に後期臨床試験に向けて準備を進める段階からが,製剤研究所の出番となります。臨床試験後の上市を見据えて医薬品の品質・安全性を向上させ,最終的にはそれらの医薬品が患者さんのもとへ届けることがミッションです。また一度上市された医薬品は,途切れることなく安定的に供給され続ける必要があり,この恒久的な安定供給に対して責任を負うことも,製剤研究所の重要な役割です。

医療機関で使用されている薬には,口から服用する経口剤のほかにも,抗体製剤などの注射剤など,様々な剤型があります。私が所属している処方設計研究室では,アステラスで扱うほぼすべての化合物に対してその製剤処方を設計し,最終的な医薬品として形にしていく役割を担っています。薬効成分である化合物は,単体では製剤化が難しく,多くの場合,様々な添加剤の中から適切なものを選択し,それら添加剤と化合物を適切な割合で組み合わせることが必要です。またその組み合わせを考える際には,保管・流通途中で劣化しないか,目標とする生体内での挙動や血中動態を達成するかなど,様々な点を考慮する必要があります。また最終的に患者さんに届けられる医薬品を設計するので,様々な部署とも密に連携することが求められます。多くの部署と関わりながら,安全で高品質な医薬品を設計し,患者さんの価値に貢献しています。

Q2.どういう点に仕事の面白さや難しさを感じますか?
様々な部署と議論しながら患者さんのもとに届けられる医薬品を生み出す点

製剤化研究は,研究本部が見つけ出した「くすりの種」を医薬品にして患者さんに届けるための研究です。自分が関わって作り上げられた医薬品が,実際に患者さんのもとに届けられるという点には,責任と同時にやりがいを感じますし,患者さんやそのご家族の笑顔を想像すると,日々のモチベーションにもつながります。

また,一つの医薬品開発には数多くの部署が関わっていますので,そのプロジェクトメンバーの一員として多くの部署と議論しながら業務を進めていきます。近年では海外メンバーとコミュニケーションをとる機会も増えてきていると感じており,時には自身が取得したデータに関して,海外メンバーも含む他部署のメンバーと議論をする機会もあります。背景の異なる人と様々な意見を交わしながらプロジェクトを進めていくので,難しさもありますが,同時に自分自身がプロジェクト全体に貢献できるという面白さ・緊張感を感じることができます。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?
変化する科学の最先端に立ち,広い場面で活躍できる研究者になりたい

科学の発展に伴い,医薬品開発における最先端のトレンドも変化していきます。例えば,従来の医薬品開発は錠剤などの経口剤が中心でしたが,近年では抗体医薬品の開発も進んでいますし,今後はより複雑な医薬品が増えることが予想されます。そうした医薬品に対しても,常に世界の最先端の情報をキャッチしつつ,プロジェクトに貢献していきたいと考えています。またプロジェクトを推進するうえでは部門間連携の重要性も増しているので,サイエンスだけでなく,コミュニケーション力やビジネススキルを磨いていくことも必要になると考えています。アステラス製薬はグローバル企業ですので,国内だけでなく,海外とのメールのやりとりや会議の機会も多くあります。すでにそういった場面での業務をいくつか任されてはいますが,今後も引き続きそうした経験も積みかさね,自身が活躍できる場面を広げていきたいと考えています。目標とする姿に向かって,チャレンジ・成長を続けていきたいと思います。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。
グローバルな環境で魅力ある人たちと仕事ができる

アステラス製薬はグローバルに事業を展開しており,日本国内だけでなく,世界中の患者さんに医薬品を届けることができます。若手のうちからプロジェクトの一員として業務を任され,グローバルに活躍できる環境があるというのは,アステラスで働くことの魅力だと思います。さらにアステラス製薬には,様々なバックグラウンドや強み・個性をもった優秀な研究者が集まっており,日々盛んにディスカッションが行われています。研究者としてだけでなく,「人」としても尊敬できる人たちが多いです。また研修制度も充実しており,学位取得支援,学会参加など,業務以外の場でも成長する機会は数多く用意されています。希望すれば留学することも可能です。現在の制度では,入社後1年半はメンターと呼ばれる若手先輩社員から,社会人として基礎や仕事の進め方などを,マンツーマンで教えてもらえる制度がありサポートをしてもらえます。もちろん,メンターとなる先輩以外にも目標となるような先輩社員が周囲にたくさんいますし,そうした人たちに囲まれて,先輩後輩関係なく切磋琢磨できるこの環境も,アステラスで働く魅力の一つではないかと思います。

ある一日のスケジュール
  • 8:15~9:00

    出社。メールをチェックし、一日の予定の確認を行う。

  • 9:00~10:00

    前日の実験データをまとめる。

  • 10:00~11:30

    プロジェクト会議

  • 11:30~12:30

    実験データに関してチーム内でディスカッションし,今後の方針を決定。時には英語でのディスカッションも行う。

  • 12:30~12:45

    記録書など実験準備

  • 12:45~13:45

    研究所内の食堂で昼食。お昼休みはのんびりする。

  • 13:45~16:00

    実験を行う。この日は、溶出試験を実施。隙間時間にはメールチェック。

  • 16:00~17:00

    プロジェクト会議

  • 17:00~18:30

    会議に向けて、資料作成

  • 18:30~19:00

    メール確認および翌日の予定確認をして,帰宅
    (日によってばらつきがあり,もっと早くに帰宅する日もあります)

※所属は掲載当時のものです

物性研究所

高機能、適正品質の医薬品を患者さんに届けるために、医薬品のPOC取得以降の開発後期段階から市販後に亘り、物理化学、生化学及び分析科学をベースにしたハイレベルな物性・分析研究によって、アステラスにおける「ものづくり」技術開発を品質面で支えています。具体的には、原薬の物理的・化学的・生物学的性質や製剤特性に関する研究を通して、試験法の開発、品質規格の設定、安定性評価を行います。また、国内外・社内外の生産サイト・試験サイトに物性研究所が開発した試験法の技術移転をするとともに、製品のライフサイクルを通して、より最適な試験法を提供し、分析技術サポートを行います。更に、グローバル治験申請や新薬承認申請における品質関連の技術資料を各極のレギュレーションに則り作成し、承認審査に対応します。

物性研究所紹介はこちら

概要

物性研究所は、高機能、適正品質の医薬品を患者さんに届けるために、医薬品のPOC取得以降の開発後期段階から市販後に亘り、物理化学、生化学及び分析化学をベースにしたハイレベルな物性・分析研究によって、アステラスにおける「ものづくり」技術開発を品質面で支えています。具体的には、原薬の物理的・化学的・生物学的性質や製剤特性に関する研究を通して、試験法の開発、品質規格の設定、安定性評価を行います。また、国内外の試験サイトや製品生産サイトの試験部門に、物性研究所が開発した試験法の技術移転をするとともに、製品のライフサイクルを通してより最適な試験法を提供し、分析技術サポートを行います。アステラス分析部門のネットワークは、物性研究所を中心に、米州ではアステラスUSテクノロジーズInc.、欧州ではアステラスファーマヨーロッパB.V.を拠点に拡大しており、研究員はグローバルに活躍しています。

更に、世界各国での治験申請や新薬承認申請における分析・品質関連の技術資料を作成し、国内外の薬事部門と連携して承認審査に対応するとともに、承認後の変更申請対応も行います。申請対象国が拡大し、グローバルに薬事規制が強まる中、信頼性が高い、科学的根拠に基づく物性・分析研究を展開することにより早期承認取得を目指しています。特に、Chemometricsを応用した新規分析技術やAnalytical Quality by Design(AQbD)などの新しい分析研究概念への挑戦においては、薬事規制当局と対話を重ねることにより、早期技術確立に取り組んでいます。

主な研究テーマ

  • 新規分析法の開発、新規技術の医薬品分析への応用、原薬/製剤における課題の科学的アプローチによる解決
  • 原薬物性/分析研究;物性研究に基づく、原料、中間体からインプロセス、原薬までの試験法開発及び規格設定、安定性評価など
  • 製剤物性/分析研究;製剤処方化研究や包装設計研究を支える分析研究、治験薬・製品の試験法開発及び規格設定、安定性評価など
  • グループ会社の試験部門やグループ外の試験受託会社、グループ内外の製品生産サイト試験部門への試験法の技術移転、分析技術メンテナンス
  • 日米欧及びその他新興国への申請資料の作成、承認審査対応及び変更申請対応
  • グループ会社分析部門やグループ外の分析受託会社、グループ内外の製品生産サイト分析部門への試験法の技術移転、分析技術メンテナンス
  • 日米欧及びその他新興国への申請資料の作成、承認審査対応及び変更申請対応
  • Chemometricsを応用した新規分析技術, Analytical Quality by Design (AQbD)のような新しい分析研究概念, データサイエンスを応用した品質課題の原因究明手法などのCMC研究への導入・展開

最近発表された主な研究論文

  • Kohei Miyamoto et al Machine learning guided prediction of liquid chromatography-mass spectrometry ionization efficiency for genotoxic impurities in pharmaceutical products, J Pharm Biomed Anal. 194:113781(2021)
  • G F Gao, M Ashtikar, R Kojima, T Yoshida, M Kaihara, T Tajiri, et al Predicting drug release and degradation kinetics of long-acting microsphere formulations of tacrolimus for subcutaneous injection J Control Release, 329:372-384 (2020)
  • 中村 恵美子 他 Quality Culture 醸成活動の実践 PHARMA TECH JAPAN Vol.36 No.11(2020)
  • Yosuke Yamamoto, Harumi Kumagai, Moe Haneda, Maria Vertzoni, Niels Ouwerkerk, Daisuke Murayama, Yoshifumi Katakawa, Kei Motonaga, Christos Reppas and Tomokazu Tajiri, The mechanism of solifenacin release from a pH-responsive ion-complex oral suspension in the fasted upper gastrointestinal lumen, European Journal of Pharmaceutical Sciences, 142 (2020), 105107
  • 宮本 浩平、松崎 直哉、瀧本 直人、元永 圭 Lean Stability Strategyの紹介 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス Vol.50 No. 12 (2019)
  • 溝口 亮、藁谷 美香、平倉 穣 新たな物性改善の手法 Co-amorphous ファルマシア Vol. 55 No. 10 (2019)
  • Masanori Kaihara, Kazuhiro Hojo, Tomokazu Tajiri, Atsushi Kambayashi, Takatsune Yoshida, Yoshifumi Katakawa, Kei Motonaga, Shin-ichiro Kimura, Yasunori Iwao, Hiromu Kondo, Novel Dissolution Approach for Tacrolimus-Loaded Microspheres Using a Dialysis Membrane for in Vitro-in Vivo Correlation, Chem Pharm Bull, 2019, 67 (5), 467–475.
  • Ryo Mizoguchi, Haruka Waraya, and Yutaka Hirakura, Application of Co-Amorphous Technology for Improving the Physicochemical Properties of Amorphous Formulations, Molecular Pharmaceutics, 2019, 16 (5), 2142-2152
  • Ryo Mizoguchi and Hidehiro Uekusa, Elucidation of the Crystal Structure and Dehydration Behaviors of Ondansetron Salts, Crystals, 2019, 9 (3), 180.
  • Ryo Mizoguchi and Hidehiro Uekusa, Elucidating the Dehydration Mechanism of Ondansetron Hydrochloride Dihydrate with a Crystal Structure, Crystal Growth & Design, 2018, 18 (10), 6142-6149.
  • 阿形 泰義、他 Quality by Designにおける規格試験の役割及び消費者危険/生産者危険を考慮した規格設定の提案 医薬品製造管理と試験評価管理の融合 消費者危険率及び生産者危険率を考慮した規格設定方法の提案(その1) PHARM TECH JAPAN Vol.33 No.09 (2017)
  • 阿形 泰義、他 Quality by Designにおける規格試験の役割及び消費者危険/生産者危険を考慮した規格設定の提案 医薬品製造管理と試験評価管理の融合 消費者危険率及び生産者危険率を考慮した規格設定方法の提案(その2) PHARM TECH JAPAN Vol.33 No.10 (2017)
  • 阿形 泰義、他 Quality by Designにおける規格試験の役割及び消費者危険/生産者危険を考慮した規格設定の提案 医薬品製造管理と試験評価管理の融合 消費者危険率及び生産者危険率を考慮した規格設定方法の提案(その3) PHARM TECH JAPAN Vol.33 No.11 (2017)
  • 深津 卓也, 阿形 泰義 分析法開発におけるQuality by Designの実践 ファルマシア Vol. 53 No. 5 (2017)
  • Shuntaro Furukawa, Yutaka Hirakura, Kunikazu Moribe, Continuous screening of analytical parameters facilitates efficient development of HPLC methods required for impurity profiling, Journal of Liquid Chromatography & Related Technologies, 2017, Vol. 40, No. 11, 564-575
  • Matsuzaki N, Yamamoto Y, Murayama D, katakawa Y, Mimura H, Kimura S, Iwao Y, Itai S. Evaluation of Maltose-Induced Chemical Degradation at the Interface of Bilayer Tablets., Chem Pharm Bull (Tokyo). 2017;65(5):478-486.

学会発表

  • 片井 寛明 機械学習による医薬品品質管理:懸濁製剤の粘度に及ぼす因子の同定と管理方法の探索 日本分析化学会 第69年会(2020)
  • 元永 圭 品質試験の管理戦略を深化させるSensing & Thinking 第21回 インターフェックス ジャパン(2019)
  • 田子 卓宏 モニタリング可能な分析法とデータサイエンスを融合した次世代の品質管理手法の提案 日本分析化学会 第68年会(2019)
  • 阿形 泰義 分析法の管理戦略の整理と事例検討 日本PDA製薬学会年 第26回年会(2019)
  • 溝口 亮 粉末X 線構造解析の現状と医薬品開発への応用 日本薬剤学会物性FGセミナー(2019)
  • 貝原 正憲 タクロリムス含有マイクロスフェア製剤のin vitro薬物溶出性とin vivo薬物放出性との相関に関する新規評価法の検討 日本薬剤学会 第34年会(2019)
  • 朝田 麻実子 13C個体NMRによる新規選択的スペクトル抽出法の開発及び定量測定への適用 第57回NMR討論会(2018)
  • Takuya Fukatsu, NIR and Raman comparison for drug content analysis toward real time release testing, IFPAC2018 Annual Meeting (2018)
  • 溝口 亮 オンダンセトロンの水和物形成能および脱水和挙動に与えるハロゲンアニオンの影響 第26回有機結晶シンポジウム (2017)
  • 溝口 亮 医薬品開発における結晶構造と固体物性の関係性について CCDCジョイントセミナー (2017)
  • 溝口 亮 我藤 勝彦 平倉 穣 原薬形態としての共結晶と製剤中間体としてのコアモルファス 日本薬剤学会第32年会 (2017)
  • 溝口 亮 塩酸オンダンセトロンの脱水挙動に関する結晶構造および速度論的考察 日本薬剤学会第32年会 (2017)
  • 松﨑 直哉 二層錠の境界面で起こる薬物分解と製剤処方の改良 日本薬剤学会第32年会 (2017)
  • Takuya Fukatsu, Quantitative method development for content uniformity using TRS100, Transmission Raman User Meeting (2017)
  • 深津 卓也 分析法開発におけるQuality by Designの実践 製剤技術研究コンソーシアム2017年度第3回研究会(2017)

若手研究員の卒業時の研究

  • 慢性閉塞性肺疾患根治的治療薬としてのレチノイン酸誘導体の評価(熊谷 春海・薬学研究科・薬科学専攻・修士了)
  • 強力な抗血液凝固活性を有する二官能性DNAアプタマーの設計(山口 茜・総合文化研究科 広域化学専攻・修士了)
  • 脳梗塞急性期におけるグリコサミノグリカン損傷機構の解明(服部 奈津子・薬学科・学部卒(6年制))
  • Astilbe rivularis と抹茶の機能性成分とその活性について(堀 健吾・薬学科・学部卒(6年制))
  • HPMC-ASの置換基がcarbamazepine非晶質安定化に及ぼす影響(石塚 優也・医学薬学府・総合薬品科学専攻 修士了)
  • 内因性ストレスによるアミロイドβの化学修飾と凝集能変化に関する研究(笹本 和之・薬学科・学部卒(6年制))
  • 膜中分子間相互作用の評価を目的とした平面膜作製手法の開発(東 勇輔・薬学研究科 薬科学専攻・修士了)
  • L-プロリン共結晶によるNSAIDsの光学分割と構造解析(岩城 凌士・理学院・化学系科学コース・修士了)
  • 血中cell-free DNA回収用ナノ粒子の開発(髙野 勝・薬学系研究科・薬科学専攻・博士了)
  • 一分子蛍光測定法を用いた、膜貫通ヘリックスのGXXXG駆動型会合におけるアミノ酸配列・脂質依存性の解明(森瀨 敬之・薬学研究科 薬科学専攻・修士了)
  • アミン作動性受容体の結晶化・構造解析についての研究(山上 陽一郎・農学生命科学研究科 応用生命工学専攻・修士了)
  • 抗原の構造揺らぎの変化に対する抗体の分子認識機構解明(金田 生穂・工学系研究科 化学生命工学科専攻・修士了)
  • 核及び細胞質特異的なユビキチン依存性タンパク質分解機構の解明(藤原 歩夢・薬学系研究科 薬科学専攻・修士了)
  • 低酸素誘導因子HIF-1a阻害天然物の探索と作用機序解析(山根 慎太郎・薬学研究科 医薬創成情報科学専攻・修士了)

研究所長から一言

元永 圭 Kei Motonaga

物性研究所は、2013年4月にそれまで別々の研究所に属していた分析研究室が独立・統合して誕生した研究所です。医薬品の品質や機能は、単に最終製品の分析結果だけで表されるものではなく、原薬及び製剤の研究開発期間を通して真の物性を見極め、プロセスの確立や処方設計・包装設計をより高度に導く研究過程を通してつくりあげていくものです。「物性研究所」という看板には、そういった想いを込めています。

業務の範囲は開発段階から製品の寿命が終わるまで。申請対象国や生産サイトのグローバル化は益々進んでいます。研究開発対象は、ウイルス、細胞、抗体、化学合成低分子医薬品の有効成分や製剤そのものに留まらず、機能性高分子のような添加剤成分にも及び、製剤機能やデバイスの高度化に伴い多様な物性評価技術が必要になります。物性研究所は、専門分野を問わず、患者さんにとって価値のある医薬品を世の中に送り出すこと、それに自分の夢を見出したい研究者の皆様に門戸を開いてお待ちしています。

社員紹介

池上 謙 理工学研究科総合デザイン工学専攻 修士了 2012年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?
高機能で高品質のくすりを患者さんに届けるため、原薬の試験法開発と物性研究を行っています。

くすりを患者さんに安心して飲んでもらうためには、くすりを適切に設計・製造し、品質をきちんと保証する必要があります。私が所属する物性研究所では、主に、くすり(原薬及び製剤)の試験法開発と物性研究を行っています。

私は、主には、開発中の原薬(くすりの有効成分)に関わる試験法開発と物性研究を担当しています。臨床試験を始める開発段階から試験法と規格を設定することにより原薬の品質を管理し、開発の進捗に応じて管理レベルを上げていくことにより、患者さんに届ける品質へとつくりあげていきます。特に、安全性に影響する不純物については、ひとつひとつの化学構造を明らかとし、それらの量を厳しく管理する必要があります。不純物の構造解析には、LC-MSやNMRなどの機器分析手法を用います。入社時には、最先端の機器のラインナップに驚きました。不純物をプロファイリングし定量する試験法には主にHPLCを用います。混入の可能性のある全ての微量の不純物を見落とすことなく、かつ再現性良く検出・定量できるものである必要があり、試験法開発技術の奥深さを日々感じています。また、開発段階で得た原薬の品質や物性の情報は、原薬研究所(合成プロセス研究)で行っている合成プロセス研究や製剤研究所で行っている製剤処方化研究に欠かすことのできないものであり、それら研究所と協働することにより、「ものづくり」技術開発に貢献しています。更に、新薬申請準備段階に入ると、国内外の原薬製造工場の品質試験部門に試験法の技術移転を行い、以降、製品の品質管理における技術的支援を続けていきます。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?
物性や分析に関する幅広い知識や経験を生かして試験法を設定できた時に大きなやりがいを感じます。

原薬の物性研究と試験法開発には、物性や分析に関する幅広い知識と多くの機器分析技術が必要です。有機化学合成や製剤に関する知識も欠かせません。最近は、統計学もよく使うようになりました。更に、様々な国で承認を得るため、国際的にハーモナイズされたものや国別の薬事規制(レギュレーション)に関する知識も必要です。未だ日々勉強中で、先輩方のご指導を頂きながらにはなりますが、これらの幅広い知識と技術を駆使して業務目標を達成したときには、大きなやりがいを感じます。

例えば、ある原薬を定量するHPLC試験法の開発を行った際、最初に設定した試験条件では測定中に化合物が僅かながらも分解してしまい、正確な定量値が得られないことがありました。先輩からアドバイスを頂きながら、測定に関係する物性を調べて測定条件を工夫した結果、最終的に問題のない試験法を設定できたときには、大きな達成感がありました。

また、私たちが開発する試験法は、原薬中間体、原薬や製剤を製造する国内外の工場で長期に亘り品質試験に使われるものです。そのため、単純に最新鋭で高感度・高分解能の分析装置を使って開発すれば良いというものではなく、汎用的な分析装置を用いて要求される感度や特異性を達成できるような試験法でなければなりません。更に,試験サイトや分析装置のメーカーや型番、測定者が異なっても同等の結果が得られるような、高い頑健性も求められます。このような様々なニーズを満たす分析方法の開発には、分析方法に対する深い理解と経験を必要とし、学ぶことの多い、充実した研究生活を送っています。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?
分析の専門性を生かし、プロジェクトの推進をリードする立場になりたいです。

物性研究所は、開発段階~申請・上市後に亘るアステラスの分析業務や物性評価をリードする立場にあります。そのため他の部署とのかかわりも多く、分析はもちろんのこと、合成、製剤、レギュレーションに関する知識も必要となります。実際、物性研究所では、様々なバックグラウンドを持ったメンバーが働いています。私自身も、大学では理工学部で有機合成の研究をしていました。製剤やレギュレーションに関しては初めて学ぶことも多く、勉強の毎日ですが、合成担当者と協力して行う反応プロセスの分析などは、これまで自分が学んできた専門性を生かせていると感じています。

今後は、分析という専門性を軸に、係わりのある他の専門性を身につけて、プロジェクトの推進をリードできる立場になっていきたいと思います。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。
グローバルな舞台で成長できることに魅力を感じます。

アステラス製薬は、国内外に研究開発拠点と生産拠点を持つグローバル企業です。実際、私が現在担当しているプロジェクトのほとんどはグローバル開発品です。海外担当者との英語での会議では、言語や考え方の違いに苦戦することもありますが、自身の仕事がグローバルに広がっていると感じることができますし、普段は気付けないような発見も多くあります。こうしたグローバルな舞台での業務を通して、自分の視野を広げていけることが、アステラス製薬で働く魅力だと感じています。

また、若手でも積極的に意見を出せる企業風土も魅力的です。私の所属する職場では、新しい技術や研究手法でも、積極的にチャレンジさせてもらえる環境に恵まれています。まだ先輩方からアドバイスをもらうことが多いですが、対等なディスカッションを通して、研究者として成長することができます。

加えて、研修制度が充実しており、成長の機会が数多く用意されています。私の職場にも、働きながら博士号取得を目指す先輩がたくさんいますし、海外への留学や赴任のチャンスもあります。会社とともに自身も成長していこうとする意志が尊重されており、積極的に後押しをしてくれる環境に恵まれていることも魅力的です。

池上 謙の一日
  • 6:30

    起床。通勤は車で約30分。

  • 8:00

    出社。メールと一日の予定を確認する。

  • 8:30~9:00

    前日に仕掛けた実験結果の解析を行う。

  • 10:00~12:00

    実験。

  • 12:00~13:00

    同期と社内の食堂で昼食。天気の良い日はテニスをしたりします。

  • 13:00~14:00

    会議に向けて資料を作成する。

  • 14:00~15:00

    他部署との会議(海外との会議では早朝や夕刻になることもあります)。

  • 15:00~17:30

    午前中に仕掛けた実験の結果を解析。夜に仕掛ける実験を開始する。

  • 17:30~19:00

    その日の実験内容をノートに記録し、報告書の作成を行う。

  • 19:00

    翌日の予定を確認し、退社(退社時刻は日によって前後します)。

※所属は掲載当時のものです

エンジニアリンググループ

患者さんに1日でも早く高品質な医薬品を届けるために、医薬品製造プラントの建設、研究施設の構築等を担っています。医薬品は、その品質を高度に保証するためのGMP(Good Manufacturing Practice:製造実践規範)というルールに基づき製造することが必須であり、どのような施設・設備でそれを実現するかが重要です。その実現のために、時には色々な要素技術を組み合わせ、自分たちで新しく装置を開発する業務も実施しています。医薬品の品質を作りこむのは施設・設備といったハード面に加え、それを使用するソフト面の両方が重要です。製薬技術の各研究所で開発された製造ノウハウを忠実に再現し、かつ作業性の良い施設・設備の構築に取り組んでいます。

エンジニアリンググループ紹介はこちら

概要

エンジニアリンググループでは、「エンジニアリング業務」と「技術開発業務」を実施しています。どちらの業務も、環境・安全・品質・納期・コストの観点から、全体最適となるように業務を推進しています。ユーザーである、社内の各研究部門や製造工場等の担当者が要求する事項を的確に設備の仕様に反映させ、外部エンジニアリング会社や設備メーカーと協働して施設・設備を構築します。構築に際しては、社内の品質保証部門や調達部等との連携に加え、官庁との連携もあり、非常に多くの関係部門と密にコミュニケーションを取りながら、業務に取り組んでいます。

エンジニアリング業務
  • 新棟建設や製造ラインの構築、既存棟の改装工事及び新技術の導入などを実施します。近年、施設・設備の設計から施工・設備導入、試運転、実運用、そしてリタイアメントに至るライフサイクル全体を考慮した業務計画が求められています。これらを設計段階から考慮することで、より高度な施設・設備の仕様の構築が可能となります。設計段階において、どれだけライフサイクル全体を深く考慮できていたかで、その後の運用に大きく影響を与えることになりますので、この点がエンジニアの腕の見せ所です。
  • プラント建設:製造プラントの設計・施工を実施します。これまで化学合成原薬工場の建設や、バッチ生産の固形製剤工場の建設などを多く実施してきましたが、最近はこれらに加え、抗体医薬や新しいモダリティの医薬品製造工場の建設も実施しています。求められる新しい規制要件をクリアーしながら、施設・設備の設計・施工を実施しています。
  • 製造ラインの構築:新製品の製造ラインの構築や製造能力の増強等を目的として、既存の施設の未装スペースへの製造設備導入や既存ラインの改装工事を実施しています。また、設備の老朽化の際、単なる機器の更新ではなく、高機能な新技術を搭載した設備の導入も実施しています。これらの新技術導入に際しては、各研究所と協働し、技術評価実験なども実施しています。
  • プラント建設・製造ライン構築においては、環境にも十分配慮しています。より少ないエネルギーで製造・研究活動が実施できるよう、高効率な機器やシステムを導入し、エネルギー効率の良い施設・設備の構築に取り組んでいます。
技術開発業務
  • 品質向上技術
    製造設備技術は医薬品の品質確保・向上に対して非常に重要な役割を果たしています。 エンジニアリンググループでは医薬品の品質向上のため、種々の製造設備技術の開発・導入をおこなっています。
    例えば、新薬の工業化では新薬の品質特性を満足させる設備が必要ですが、そのような設備が市場には存在しない場合があり、その場合、既存の技術を組み合わせるなどして、自社で新しく設備を開発する必要があります。 これまで、医薬品の品質は各工程でサンプルを抜き取り、工程終了後に品質試験を実施することにより保証されていますが、工程中に直接製品の品質をモニター・管理する技術の開発もその一つです。
  • 自動化技術
    自動化技術は医薬品の製造原価を低減するだけではなく、人による汚染のリスクを回避するために医薬品にとっては非常に重要な技術です。 エンジニアリンググループでは最新の制御技術やロボット・IT技術で外部機器メーカーと協働で医薬品製造ラインの自動化技術の開発・導入を行っています。
    例えば、検査機の導入による検査業務の自動化、AI・ロボットの導入によるマテリアルハンドリング作業の自動化などです。
  • デジタル技術
    製薬技術本部における研究・製造・保全などの各種業務において、「こんなことができたらいいな」というアイデアを社内で募集し、それらを実現するためのデジタル技術の調査を実施し、設備・機器と融合させることに取り組んでいます。直近では、MR(Mixed Reality)技術を現状の製造作業・分析作業等に適用し、より正確で効率的に作業を実施することを目標に検討を進めています。

主な業務テーマ

  • 国内外の建設PJ業務
  • 新製造ラインの構築:新製品、新剤形に対応する製造ラインの設計・導入業務
  • 研究設備導入業務:研究所で使用している単体設備の新設・更新に伴う設計・導入業務
  • 新技術開発業務
    • PAT(Process Analytical Technology:工程分析技術)応用技術開発:医薬品の品質をリアルタイムにモニター・制御する技術の開発・導入
    • 検査機開発:医薬品の各種品質を保証する検査機の開発・導入業務
    • 自動化技術開発:人の作業を機械で自動化する技術の開発・導入業務

最近出願された主な特許案件

  • RFIDタグシステム及び該RFIDタグシステム用の通信装置(特開2006-309733)
  • 金属製加圧容器用RFIDタグシステム(特開2008-081165)
  • 内容物検査装置及び内容物(特開2004-323099)
  • (補足説明:磁気添付文書検査機に関する発明)
  • 平面分光器を用いた異種品検出装置(特願2003-357763、PCT WO/2005/038443 A1)
  • 医薬品製造制御装置、医薬品製造制御方法、医薬品製造制御プログラム、医薬品製造システム 特開2013-29323(P2013-29323A)

グループリーダーから一言

沼田 和弘 Numata Kazuhiro

「クスリをつくる研究施設・工場を作る」ことが、エンジニアリンググループの主業務です。といっても私たちが図面を描いたり、工作機械を操作したりする訳ではありません。私たちの業務は研究施設・工場、そして各種装置・システムが具備すべき機能を明文化し、それらを専門家である設備メーカーやエンジ会社に実現して頂くことです。通常、設備メーカーは設備を納入し、正常に動作することを確認した時点で、またエンジ会社は工場が竣工し、引渡しが完了した時点で業務完了です。我々の業務は、そこからが重要です。ユーザーの要求通りの品質の製品が製造できているかどうか、作業性、ヒト・物の動線に問題はないか、など稼働してみて初めて確認できることも多いからです。当初意図した通りに設備が稼働し、ユーザーに喜んでもらえることは、エンジニアとして何にも代えがたい喜びです。そのためには、我々にとってのユーザーである研究者や工場担当者の意図をどれだけ確実にくみ取り、如何に設備要件に纏めるかが重要です。この作業は、科学の知識を工学の知識に翻訳するという意味で、通訳者に例えることもできると思います。私たちは良き翻訳者を目指して、日々取り組んでいます。

エンジニアリングに求められる専門性は多岐に亘ります。建築・空調・電気・衛生・ユーティリティなどなど。そのため、多様な専門性を持ったエンジニアが所属しています。まずは小さな設備の導入から、次に中規模な製造ラインの構築や大型プラントの建設と、スキルにあった業務を担当します。分からないことはお互いに教え合い、共に成長することに取り組んでいます。国内の工場・研究所での業務に加え、海外工場での業務も担当しています。グローバルに活躍できる機会もあります。
世界の人々の健康に貢献するとともに、自分の成長を感じるチャンスが多いエンジニアリンググループで一緒に仕事をしてみませんか?

社員紹介

藤原 淳 工学研究科応用化学専攻 修士了 2011年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?

製薬技術研究職の主なミッションは、「創薬研究部門が見つけ出したくすりの種(新規化合物)を患者さんが服用できる形にすること」、「服用できる形にした薬の安定供給を実現すること」の2つです。

その中でエンジニアリンググループは、薬の有効性や安全性を確認するための治験薬や薬局・病院で処方してもらうことが可能な商用の医薬品を製造するための設備導入、薬を作るための工場や研究所などの建設PJ業務、医薬品の品質や製造効率向上を目的とした新規技術開発業務などを行うことで、製薬技術研究職のミッション達成に貢献しています。

現在私は医薬品の品質向上を目的とした新規技術開発業務を担当しています。具体的には、NIR(近赤外分光装置)などの分析機器を利用して医薬品の品質に深く関わる中間製品や中間体の特性値をモニタリング及びコントロールするためのシステムの設計や研究所・工場への導入を行っています。これを有効に活用することにより高品質の医薬品を安定して製造することが可能になります。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?

化成品や化粧品、食品会社にもエンジニアリング業務を担っている部門があると思います。製薬会社のエンジニアリング部門も、研究や製造のための施設や設備を構築するといった点では同じですが、医薬品には、それを製造するために遵守しなければならないGMP(Good Manufacturing Practice:製造実践規範)という特別なルールがあります。

従って、コストやスケジュールなどに加えてGMPに適合しているかどうかという観点でも設備やシステムの設計及び導入時の検証を行う必要があることが製薬会社のエンジニアリング特有の難しい点です。

また、近年、様々な分野で技術革新が起こっており、医薬品製造の現場も大きく変わりつつあります。我々エンジニアリンググループにはこれまで以上に新しい技術や考え方を柔軟、且つスピード感を持って取り入れることが求められています。そのために、最新の技術動向に触れることや、新しい技術をどのように医薬品の製造現場に導入するか自ら考えることができるので、求められるハードルは高いですが、大きなやりがいや充実感を得ることができます。また、実際に自分が設計した設備やシステムが製造現場で動いているところを見るときの喜びは何物にも代えがたいです。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?

我々エンジニアリンググループは、大きく分けると、くすりの種を大量生産する原薬生産プロセスに携わるグループと原薬を薬の形にする製剤プロセスに携わるグループの2つに分けることができます。現状、原薬生産と製剤の両方のプロセスに精通したエンジニアがあまり多くないので、両方のプロセスの経験を積むことにより、幅広いフィールドで活躍できるエンジニアになりたいと思っています。また、今後は、抗体医薬や再生医療等のまだ製造法が確立されていない分野での製品開発が進む可能性があります。そのような新しい課題が出てきた時こそエンジニアの腕の見せ所だと思いますので、研究所や工場の方々と連携して前向きにチャレンジし、後世にわたって標準的に使用される技術やノウハウを構築することも今後の目標の一つです。さらに、グローバルでのアステラスグループでのエンジニアリングの標準化も現在の課題の一つだと考えていますので、海外の技術者と対等に話をするための知識と英語力を引き続き努力して身に着けていきたいと思っています。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。

アステラスは、世界の人々の健康に貢献することを経営理念にしています。私自身が直接患者さんと触れ合う機会は殆どありませんが、自分のした仕事が世界中の人々の健康に繋がっていくことを考えると、アステラスで働いていることに誇りを感じます。

また、アステラスでは、常に大事にする行動規範として、「高い倫理観」、「顧客志向」、「創造性発揮」、「競争の視点」の4つを掲げています。実際にアステラスで働く同僚や上司は、この行動規範を実践している魅力的な方々ばかりで、一緒に働くことで大きな刺激を受けることができ、自分自身も一緒に働く方々に刺激を与えられるヒトになりたいと思うようになりました。それらは、アステラスで働いて良かったと思える点の一つです。

現在働いている部署では、若手にも積極的に重要な仕事を任せてくれる、先輩社員が対等な目線で話を聞いてくれる、など、比較的入社後の早い段階から自主性を発揮して仕事に取り組みやすい環境が整っており、成長を実感できる点に魅力を感じます。

さらに、各種研修制度、学位支援制度、働き方改革の推進など社員のスキルアップや働きやすい環境の実現につながるような施策に会社として取り組んでいる点も魅力の一つだと思います。

藤原 淳の一日
  • 6:45

    起床。自宅から会社まで車で約15分。

  • 8:15~9:00

    出社。メールチェック、前日に整理していた1日の予定の確認を行う。

  • 9:00~11:00

    担当している技術開発案件の内容やスケジュールに関して、関係者とディスカッション。

  • 11:00~12:00

    ディスカッションした内容の整理、メールチェック。

  • 12:00~13:00

    社内の食堂で昼食。ビュッフェ形式でメニューも豊富なので、昼食は毎日の楽しみの一つです。

  • 13:00~15:00

    社外の方を招いて新規技術の紹介をして頂き、その場で実用化に向けたディスカッション。

  • 15:00~17:00

    会議用の資料を作成。

  • 17:00~19:00

    海外のベンダーとパソコンを使用してウェブ会議。

  • 19:00~19:30

    メールチェック、翌日の予定の整理。

  • 19:30

    退社。帰宅後は健康のために週に2回ほどプールに泳ぎに行っています。

※所属は掲載当時のものです

創薬技術研究所

創薬技術研究所は、低分子医薬、抗体医薬、遺伝子医療、細胞医療、次世代ワクチン、他、全ての開発品について、創薬研究段階からPOC*取得までの開発初期段階の製薬技術に関する業務全般を担当しています。研究所組織の要員は、製薬技術本部の各組織からアサインされたメンバーによって構成され、出身組織で培ってきた原薬、製剤、分析、治験薬製造の幅広い技術を統合し、最速スピードでのPOC取得を目指して取り組んでいます。*: Proof of concept

創薬技術研究所紹介はこちら

概要

創薬技術研究所は、低分子、抗体、タンパク、核酸、ウイルス、細胞、新たにチャレンジするRx+の製品など、全てのモダリティー製品の開発初期段階の製薬技術研究業務の全般を担当し、私たちの強みであるモノづくり技術を活かして開発製品のPOC(Proof of concept)の最速取得にチャレンジしています。

創薬研究段階から開発プロジェクトに積極的に参画し、創薬研究に必要なサンプルの調製や開発候補品の物性評価等で貢献すると共に、そこで得た知見を臨床開発段階に向けたプロセス技術の開発につなげ、新薬開発のスピードアップを図っています。

担当業務の領域は、原薬・製剤の製造プロセスの開発、製剤処方設計、製品の物性/品質を評価する分析技術開発、前臨床用/初期臨床試験用サンプルの自社設備と国内外のCMOを活用した製造供給、臨床試験開始のための当局対応など多岐にわたります。

研究所は、既存の本部組織からアサインされたメンバーによって構成されていますが、それぞれの専門技術分野で培ってきた高いモノづくり技術を統合し、原薬、製剤、分析、製造、薬事対応等の広範囲の業務を一気通貫して対応することにより、これまでに経験の少なかったウイルスや細胞などのニューモダリティーの製品に対しても、効率的かつスピード感を持って推進しています。

主な研究テーマ

  • 原薬/製剤の製造プロセス開発研究
  • 初期臨床試験用製剤の処方設計
  • 創薬研究段階の開発候補品の物性評価試験法の開発研究および物性評価
  • 臨床試験用原薬/製剤の自社設備およびCMOを活用した製造供給
  • 臨床試験用原薬/製剤の品質試験法の開発研究および品質試験評価
  • 原薬/製剤の製造プロセス、品質試験法の国内外CMOへの技術移転
  • 臨床試験実施のための各国当局に対するCMC薬事対応
  • 担当するプロジェクトの推進に必要な新技術の導入・開発研究

所長から一言

長尾 康次 Nagao Koji

創薬技術研究所は、開発初期のプロジェクトを担当します。新薬開発の成功確率は、必ずしも高いものでは無く、製品化に至る前の段階で、その多くの開発品は残念ながらドロップしてしまいます。従って、開発初期のプロジェクトを推進する上では、効率性とスピードを重視し、限られたリソースを最大限に有効活用しながら多くの開発品を評価し、最速でそのPOCを見極めることが重要となります。

創薬技術研究所は、その最速スピードを達成するために、製薬技術開発の全ての機能を集約し、一気通貫にオペレーション出来る組織構成を取っています。

創薬研究の段階から、我々の強みであるモノづくりの面から積極的に関わり、開発候補品創出の研究効率を向上させると共に、製品の特性を早期に理解し、その後の臨床試験開始に向けた技術開発を加速して、プロジェクト推進のスピードアップを図っています。

また、新たな開発ターゲットとしているニューモダリティーの製品開発においては、これまでの新薬開発の経験の中で蓄積し保有する技術だけでは対応できない開発品も多くありますが、多様な専門技術を有するメンバーの高いモノづくり技術を結集・融合し、また、社外専門家との共同研究等により、既存モダリティーの製品と同じく開発スピードの最速化を達成すべくチャレンジしています。

富山技術センター

研究開発段階の発酵・抗体・バイオ原薬のプロセス開発、スケールアップ、及びその製剤を製造しております。また承認後の商用生産を担っております。

富山技術センター紹介はこちら

概要

富山技術センターは、アステラス製薬のバイオリードの拠点として、従来の工場機能に技術研究機能を付加し、名称を富山技術センターとしています。今後、新たなバイオ製品の治験薬および商用製品の製造に向けて施設を整備するとともに、技術者の育成を進めています。

センター長からの一言

伴 和敏 Ban Kazutoshi

富山県の医薬品産業は、江戸時代から300年以上の歴史を有する伝統産業であり、現在、県内には約80社の医薬品メーカーと100以上の製造所を有しています。

このような薬都富山の地に、富山技術センターは、天然物から新たな生理活性物質を探索し、発酵技術を活かし生み出された免疫抑制剤「プログラフ」の原薬生産工場として1992年に操業を開始いたしました。その後、プログラグカプセル、顆粒、軟膏製剤・包装へと生産活動展開しました。加えて、2001年より抗真菌薬「ミカファンギン」原薬の製造も開始しております。これらの医薬品は、アイルランドのケリー工場および高岡工場との協同により、グローバル製品として世界各国の患者さんに届けられています。

一昨年2019年末には、アメリカ食品医薬品局(FDA)より、画期的治療薬の認定を受けた抗体医薬品である「エンフォルツマブ べドチン」の製造承認を受け、商用生産をスタートさせました。さらに、現在臨床試験が進行している他の抗体プロジェクトの商用原薬製造に対応するために、4階建て延べ面積8000m2 の抗体原薬製造施設を新たに建設し、2020年3月に稼働しました。

富山事業所は、発酵技術からスタートした培養・精製・分析・品質管理・GMP・エンジニアリング・環境管理というそれぞれの要素技術・ナレッジを基盤に、抗体原薬製造のフィールドへ事業を展開してきました。今後、既存の製品群とnew modality製造を担うアステラスのバイオ原薬製造サイトとして、さらなる進化を続けて参ります。

私たちは、移植、感染症、ガンという患者さんの生命に密接に関わる医薬品の製造を担っています。このため、いかなる状況においても安定生産、安定供給を継続することが使命と考え、最新の技術と最高のチームワークで、単に医薬品を造るに留まらず、造る仕組みを創るという視点で、日々業務に取り組んでおります。同時に、働く仲間の安全、健康を第一に、一人ひとりが成長・達成感・やりがいを感じられる組織を目指しています。

富山技術センターでは、様々な指向性とバックグラウンドを持ったエネルギーに満ち溢れた仲間を求めています。あなたの夢や将来を我々と共に描いてみませんか。

社員紹介(バイオ原薬製造技術職)

渋谷 卓 機能再生医科学 修了 2018年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?

私が所属する富山技術センター 技術開発部は、原薬研究所とともにバイオ医薬品の商用製造プロセス開発を行っています。原薬研究所で構築された製造プロセスを実製造スケールに反映させ、商用製造を実現し、新薬をいち早く患者さんに届けることに貢献しています。また、上市した医薬品を高品質かつ安定的に患者さんに届け続けるために、継続的な改善に取り組んでいます。さらに、今後のアステラス製薬のバイオ医薬品製造を担う新しい工場の立ち上げや、新たな抗体医薬品の商用製造プロセス開発を行っています。

2019年にはアステラス製薬で初の抗体医薬品(PADCEV)の上市を実現しました。この製品はFDAからブレークスルーセラピー(画期的新薬)に指定されました。私は入社1年目に、先輩方に交じって極めて短い期間でPADCEVの上市の準備を整え、2年目には実際にFDA査察を間近で見て、承認を得ることができました。新薬を患者さんに届けるための最後の山場に関わらせていただけたことは、今後、様々な新薬の開発に携わっていく上で良い経験となりました。

現在私はトレーニング・認定を受け、PADCEV製造の重要な工程に携われるようになりました。また、変動の少ない安定生産を目指して、製造手順の標準化や課題解決も任されています。抗体は細胞を培養して製造しており、安定した細胞培養ができるように常に細心の注意を払って、わずかな変化も見逃さないように心がけ、工程改善へ反映しています。PADCEVへの患者さんの需要は高まっており、最近では、さらなるスケールアップ、増産に向けた製造プロセスの検討にも参画しています。

一日でも早く新薬の商用製造を確立し、上市する、上市した薬を安定的に患者さんに届け続ける、やりがいのある仕事だと思っています。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?

新薬をスケジュール通りに製品化するためには、開発の流れを理解し、研究所との蜜な連携が必須となります。また、医薬品を製造するためには、原材料の調達や最新の医薬品法規制情報、製造設備・機器の保守点検など、高い専門性を持った様々な部署との連携が欠かせません。製造現場のことだけを考えるだけでなく、広い視野で全体最適をしていくことは難しくもあり、面白い部分でもあります。

なによりも、実際に私の製造した薬が多くの患者さんを支えていると思うと、責任とやりがいを感じます。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?

入社以来、抗体医薬品製造を通じて、新薬を上市していく過程に関わりました。実製造設備を用いた製造プロセスの最終確認や、実際にFDA当局の査察を間近で見ることができました。新薬の上市に関わった経験を活かし、抗体医薬品に限らず、新しいバイオ医薬品の製造プロセス開発にチャレンジしていきたいです。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。

若手であっても手を挙げれば先輩方のサポートのもと、様々な仕事に挑戦させてもらえます。仕事の進め方で悩んだ際も、様々なバックグラウンドや知識、考えを持っている方々がおり、相談・議論がしやすい環境に魅力を感じています。若手でも、ある程度の裁量を持って仕事を進められるため、自分の目標を実現しやすく、また成長するチャンスがたくさんあります。時には失敗することもありますが、多くの方々に支えられながら、新しいことに挑戦していける職場だと思います。

渋谷 卓の一日
  • 8:00

    出社

  • 8:05

    ラジオ体操、メールチェック

  • 8:30

    抗体医薬品製造

  • 12:30

    昼食

  • 13:30

    各担当業務、会議、文書作成等

  • 16:30

    記録類のチェック、翌日準備

  • 17:00

    退社

※所属は掲載当時のものです

社員紹介(医薬品品質管理職)

坂口 智紀 薬学研究科薬科学専攻修士了 2017年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?
患者さんの健康や生命に関わるくすりの品質を守るため、品質管理業務(微生物関連試験)を行っています。

医薬品は患者さんの健康や生命に直接関わるものであることから、確かな品質・安全性・有効性の確保が必要とされます。試験を通じてそれらを保証するのが品質管理業務です。私たちは、患者さんを常に意識し、高度な技術で高い倫理観をもって品質管理業務を実施しています。
私が担当している微生物関連の品質管理業務では、医薬品中や、医薬品製造に使用する原材料中の微生物やエンドトキシン(細菌由来の発熱性物質)の検査、医薬品を製造するエリアの衛生環境の評価、製造・試験に使用する製薬用水・試験用水の水質管理、試験で検出された菌の同定評価などを行っています。いずれも、医薬品の品質を微生物の観点から多面的に保証するために必要とされ、非常に重要な業務です。
その他、試験に用いる機器や手順書の管理、改善検討業務、調査実験業務など、試験業務以外の業務も行っています。これらも重要な仕事です。
業務内容は多種様々であり、日々学ぶことが多く、自らの成長を感じることができます。
目に見えない微生物を管理することは容易ではありませんが、試験結果から得られる少しの変化も見逃さないよう、『気づき』を大切に、責任感と緊張感を持って仕事をしています。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?
試験結果から問題点を抽出し、解決まで至る過程に参画できることに面白さを感じます。

通常と異なる試験結果が得られた際や、普段とは違う菌が検出された際など、問題が生じた場合は解決に向けスピーディな対応が必要となります。
試験側のエラーの有無の調査、製造側の異常・トラブルの調査、それに関わる調査試験の実施、その後の是正処置対応まで、実施内容は幅広いです。
そのため、製造部門や設備部門、品質保証部門など様々な部署と協働して、原因を究明し問題を解決していきます。一人では困難なことも、このように周囲の方と協力することで達成することができます。

私自身は、トラブル対応に関する業務についてまだ経験が浅く、文書の作成方法から考え方まで、先輩方のご指導を頂きながら日々勉強しています。問題が起きても医薬品製造は継続しなくてはならないため、タイトなスケジュールの中で仕事を進めることは難しいですが、日々問題を解決する能力や考え方が広がっていくことに成長を感じています。
このような対応を通じて、自分の業務が患者さんに「高品質で安全な」くすりをお届けすることに繋がっていると実感することができます。面白さとともに、やりがいを感じています。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?
新棟始動プロジェクトへの参画です。

現在勤務している富山技術センターでは、大規模な新棟建設が進行中で、新棟始動プロジェクトが発足しています。新しい製造棟であるため、試験内容や試験頻度など、微生物に関わる様々な管理方法を設定する必要があります。
次年度よりこのプロジェクトのメンバーに選出されたため、挑戦したいと考えています。日米欧の様々なレギュレーション・試験法の設定根拠等を理解し判断することが求められ、簡単な業務ではないと思いますが、これまで培ってきた知識・技術を活かして、プロジェクトを遂行したいと考えています。
他にも、試験の責任者としての業務や、試験法の技術移管や分析法の開発に携わることなど、チャレンジしてみたい仕事は沢山あります。アステラスでは様々な分野にチャレンジできるので、今後は微生物管理を軸に他の専門性を身につけ、様々な業務を推進し活躍できる社員になりたいと考えています。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。
企業理念の「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことが実感できることです。

私自身は直接患者さんと接する機会はありませんが、アステラスで厳しい品質管理業務に携わることで、世界中の人々に「信頼」される医薬品を届けることができていると実感しています。
アステラスは、現状に満足せず常に新しい分野に挑戦し続けている会社です。アステラスでは遺伝子治療や細胞治療などへのアプローチが行われています。富山技術センターでは抗体-薬物複合体であるPADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン)を製造しており、先端の医薬で患者さんへ貢献していることが実感できます。
「先端・信頼の医薬での貢献」、この背景にあるのは、従業員全員がもつ患者さんへの意識・高い倫理観と、現状を是とせず挑戦し続ける姿勢だと考えています。
このような魅力的な従業員同士が互いに協働することによって、組織として成長・活性化し、結果として患者さんへの更なる貢献の実現が可能となっていると思っています。

さらに、教育体制が整っていることも魅力の一つです。
各試験業務の資格を取得するための研修はもちろんですが、自分が目指す姿への後押しとなるような社内研修のほか、若手先輩社員から仕事の進め方などをマンツーマンで教えてもらえるメンター制度もあります。研修だけでなく、アステラスが長年培ってきた技術を伝承すべく、試験の考え方や知識を共有する勉強会も頻繁に開催されています。
社員一人ひとりをサポートし、成長させてくれる環境がアステラスにはあります。

坂口 智紀の一日
  • 6:45

    起床。事業所まで車で10分少々です。

  • 8:00〜8:10

    8:00までに出社。8:05のラジオ体操から始まります。

  • 8:10〜8:45

    朝礼・メールチェック・1日の予定確認を行います。

  • 8:45~11:30

    担当している試験の準備、試験や検討実験を行います。

  • 11:30~12:00

    グループミーティング、打ち合わせ等

  • 12:00~13:00

    昼食(食堂)・休憩(コロナ禍になる前は、事業所の多目的ルームで同期と卓球をしていました)

  • 13:00~15:00

    試験や、検体培養後の菌の発育確認を行います。

  • 15:00~16:30

    デスクワーク(試験記録、手順書、計画書・報告書等の書類作成、トラブル対応書類の作成など)

  • 16:30~17:00

    翌日の試験準備

  • 17:00~18:00

    明日の予定確認・メールチェック・書類作成

  • 18:00

    退社(退社時間は業務量によって異なります)

※所属は掲載当時のものです

高岡工場

注射剤の生産に特化した工場です。
無菌管理技術の展開拠点として、時代に合わせて進化し続けています。

高岡工場紹介はこちら

概要

高岡工場は注射剤の製造に特化した工場です。
各国規制当局の要求が厳しくなる中で、常にその一歩先を行く形で品質管理の高質化を図り、特に注射剤の製造に不可欠な無菌管理技術の深化を追求してきました。
長年培った技術を背景に、商用医薬品を世界50カ国以上にお届けしながら、新製品の生産立ち上げにも注力しています。
また、2018年には治験用注射剤の製造も開始し、アステラスの新薬開発を支えることになりました。
本業の注射剤生産以外にも、無菌管理を必要とする研究所などに技術協力を行い、さらに急速に需要が増すこの分野の技術者養成の研修拠点としても機能しています。

工場長から一言

中田 克紀 Nakata Katsunori

「アンプルやバイアルに入った無菌の水溶液」、注射剤といえば皆さんはこのようにイメージしたでしょうか。
しかし、今後は、その枠を超えた無菌製剤が増えていきます。
そして医療の発展の一端を担うものとして期待されています。

さて、有効な治療方法がなかった難病などへの新しい治療薬として、バイオ技術を駆使した多様な薬剤の研究開発が進む時代が到来しました。
多くは高分子やさらに高次元の細胞などであり、それゆえ様々な投与形態が想定されますが、今も昔も変わらないのは、医薬品は安全に体内に届くべきものであるということです。

これらの中には薬物本体のサイズが大きすぎて無菌ろ過に難渋するような薬剤があり、その種の製品をどう無菌保証するかという課題の解決も無菌管理の使命になっています。

私たちは、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献するため、常により高度な無菌管理を目指し挑戦しています。
高岡工場、そしてアステラスが培ってきた無菌管理技術に皆さんの多彩な専門性を乗せて、新たな時代を切り拓いていきましょう。

社員紹介(製剤(無菌)製造技術職)

田村 めぐみ 薬学部薬学科修了 2019年入社
Q1.現在の仕事内容はどのようなものですか?
注射剤の生産に必要な無菌管理を日々強化し、治験薬の製造や新薬の生産立ち上げを行っています。

私は工場の治験薬部門に所属していますが新製品の生産立ち上げプロジェクトにも参画しています。

最近は、新薬の生産立ち上げプロジェクトにおいて、新製品の生産に必要な各種資材の滅菌検討を行っています。例えば、ゴム栓の滅菌条件を決定するため、まずは従来と同じ運転プログラムで滅菌できるかを検証したり、滅菌前後でゴム栓の品質に変化はないかを検証したりする業務です。新薬の立ち上げは今後何年と続く生産の基礎となるので、たとえ結果が許容値内であってもそもそも既存のプロセスや工程管理値が妥当であったかなど、より根本的かつ広い視点での考察が必要となります。また、一度手順を確立してしまうとその後変更するのは難しいため、検討段階でできるだけ課題を洗い出し改善を提案することも一つの仕事です。

日々厳しくなっていく各国の規制要件に適合していくことも大切です。例えば、最近はデータインテグリティに対する規制(データの改ざんや偽装を防ぐために設けられた規制)が厳しくなっていますが、機器を更新すれば容易に規制に適合できる場合でも、全ての機器を最新のものにするのは現実的ではありません。よって、ハード(機器)でカバーできない分をいかにソフト(運用)で補うか、さらに、現場の負担を最小限にするにはどうしたらいいかといったことを考えなくてはなりません。それには、GMPに関する知識と作業者としての視点の両方が必要となります。現在は先輩に助言をいただきながら、無菌環境を保証するデータ収集システムの運用方法を確立について取り組んでいます。

Q2.どんな時に仕事の面白さや難しさを感じますか?
無菌管理の全体像を紐解いているとき

無菌製剤は文字通り菌が“0個”の製剤です。しかし、菌は目に見えないうえにどこにでもいるため、これを毎日当たり前に達成することは簡単なことではありません。高岡工場は日々数万本もの無菌製剤を製造していますが、これらのうちどの1本をとっても菌はひとつも存在しないということを保証し続けるために、たくさんの人が長い時間をかけてノウハウを積み上げてきました。

現在開発品の中心である抗体や細胞の場合、加熱などのストレスを加えるとタンパクが変性して薬効が失われてしまうのでこのような方法で滅菌することができません。では実際に製品の無菌性をどう保証するのかというと、製造の全段階にわたり厳格な無菌管理を施しています。すなわち、製造現場の環境管理からろ過前の薬液に直接触れる器具・配管の清浄度まで、プロセス一つ一つを徹底的に管理しています(工程管理)。また、個々の設備の性能が適格であることを定期的に検証しています(バリデーション)。出来上がった製品が無菌かどうかを外から確かめる手段がないので、このように全プロセスにわたって切れ目なく無菌管理していくしかないのです。

これらのノウハウは大学の講義のように確立されたものがあるわけではなく、様々な学問と技術そして創意工夫の組み合わせよって達成されます。入社した当時はこれらが複雑に絡み合った糸のように思えましたが、少しずつ紐をほどき本質となる知識が得られたとき、そしてそれを体系化して理解できたときに無菌管理の面白さを感じます。

Q3.仕事において、今後チャレンジしてみたいことは何ですか?
世界に通用する無菌管理技術者として、新工場の立ち上げに参画したい。

今、開発品の中心は抗体や細胞をはじめとするバイオ医薬品であり、これらの薬剤を世に送り出すための無菌管理技術を備えた工場が必要になります。新工場の立ち上げ時は、高岡工場の仕組みをただコピーするのではなく、製造する品目固有の課題や最新の規制動向に照らして、よりよいものを構築することが求められます。このような業務を担えるようになるには、ただ日々の作業をこなすだけではなく工程管理値の設定根拠やガイドラインとの整合性、あるいは作業を行う理由や必要性といったことも常に考えておかなければなりません。今は勉強の日々ですが、いつか無菌管理の第一人者として場所を問わず活躍できるようになりたいです。

また、英語ができれば海外サイトへの技術移管や査察対応、最新の規制要件をキャッチアップするなど、将来活躍の場が広がります。幸いにも高岡工場では積極的にグローバル化を意識した取り組みを行っています。毎日昼休みに有志が集って英語ディスカッションを行ったり、海外工場と月1回情報交換会を行ったり、食堂に英字新聞を置いたりと、日常的に楽しく英語に触れることのできる環境づくりをしています。そのような環境を最大限利用し、英語を日本語のように操りながら業務で高い成果を出せるようになることを目指しています。

バイオ医薬品の開発が急速に増えていることを背景に社内における無菌管理技術者のニーズはとても高いと感じており、少し欲張ったチャレンジでも先輩や上司が背中を押してくれます。

Q4.アステラスで働くことの魅力を教えてください。
ワクワクするような魅力的な新薬を患者さんに届けられる、そこに貢献できる。

アステラスは日本を代表する新薬メーカーであり、新薬にこだわり続ける姿勢はアステラスの大きな魅力の一つです。入社して驚いたことの一つが、一つの薬ができるまでにいかに多くの人が関わっているかということです。最近まで研修にいらしていた製剤研究所やエンジニアの方、1年目に参加させていただいた製剤フォーラムや分析フォーラムでお会いした方々など、様々なフィールドから集った優秀な研究者が英知を結集させて新しい薬を作り上げる。それだけでも並大抵のことではありません。しかし、これらは無菌管理技術なしでは決して患者さんのもとへは届けることはできません。私の仕事はまさにそこを通す仕事であり、自分たちが作った薬が患者さんの明日を変えるかもしれないということを、常に肌で感じられる仕事です。

治験薬を担当していると私自身の胸が躍るような魅力的な新薬が目白押しでやってきます。これらを待っている患者さんがいる。そこに貢献できる、それがアステラスで働くことの魅力です。

田村 めぐみの一日
  • 7:00

    起床。自宅から会社まで車で10分。

  • 8:00~8:05

    出社。更衣。

  • 8:05~8:30

    朝礼。ラジオ体操。メールチェック。

  • 8:30~11:00

    滅菌条件の検討実験。

  • 11:00~12:00

    昨日の検討実験の結果を先輩とディスカッション。

  • 12:00~13:00

    食堂で昼食後、有志の仲間たちと英語の勉強会(ディベート)に参加。

  • 13:00~14:30

    滅菌条件の検討実験(続き)。合間にメールチェック。

  • 14:30~16:00

    報告書や資料の作成。

  • 16:00~17:00

    会議。海外工場とリモート会議をすることも。

  • 17:00~18:00

    明日の検討実験の準備や会議議事録の作成。

  • 18:00~

    退社(時間は日によって前後します。フレックス制度を利用して早く退社することも。)週末は料理をしたり洋書を読んだりしています。

※所属は掲載当時のものです